始まり 1
格好いい女の子が好きなので、それ系統に…………。
すみません。
でも、読んでください!
世の中には誰にも手に入れられない、美しい花がありました。
その花は、赤い花と白い花。
二つで一つ。二輪で一輪。
赤と白。正反対のその花は、戦の中で美しく咲き誇りました。
『ルネアシア王国』童話
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「やっと来たか。待ちくたびれたぞ。」
先に口を開いたのは少女の方だった。
王宮の一室。居るのは、大分歳をいった白髪の男と少女の二人だけだった。
男は床に片膝を付き、頭を下げている。一方、少女の方はその綺麗な長い金髪を夕陽に照らして、男に背を向け立っていた。
「申し訳ありません、陛下。」
「まぁ、良い。急だが一週間後、民間を招いたパーティーが行われることになった。」
「そんな……急な。」
少女は振り返り、苦笑いを整った顔に浮かべる。
「ルシアが決めたことだ。すぐに準備に移ってくれ。」
男は、返事はせずに一礼して退出していく。
この国はルネアシア王国と言い、軍事拡大をしながら発展してきた国である。
それなりに歴史もあり、良い国だ。
現在、国王は二人存在し国をおさめている。
一人目はルシア・ルネシア。 国の決定権は彼女の側にあり、政権をまとめる賢い女王。
二人目はユミカ・ルネシア。 軍事力に力を入れ、この国をより強固なものとして支えている女王。
といっても、彼女達は14歳と実に若い。
先程、男と話していた少女が、ユミカ女王だった。
「ルシア様、お呼びでしょうか。」
私―――ユミカ・ルネシア―――はそう言って入室した。
「呼んだ、呼んだ。呼んだんだからユミカは今、ここにいるんでしょ?」
返ってきた返事がこれ……………。
私はただ、一般的な挨拶をして入った。ならば、相手も一般的な態度をとるべきではないのか?
だが、この目の前にいる美少女―――ルシア・ルネシア―――にそんな普通のやり取りを期待をする分、無駄なのだ。
「…………………………………。」
私はなにも答えない。
「やだなぁ。冗談だよ。冗談。」