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怪盗黒薔薇  作者: 杠葉 湖
第7話 ニーナのダイエット大作戦
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第7話 ニーナのダイエット大作戦-4

「ただいま」

 学校が終わって百合が帰宅してくると、珍しく何の反応もなかった。

 いつもならお魚咥えたドラ猫ならぬ、たい焼き咥えたニーナが「おか百合〜」と百合の帰りを出迎えるのである。

「ニーナさん、一体どうしたんだろ??」

 不思議に思いながら百合はリビングに行くと、そこにはコタツでへたばっているニーナの姿があった。

「お、おか百合……百合ちゃん……」

「ど、どうしたんですかニーナさん?」

 百合は鞄を投げ出してニーナに近寄った。

 ニーナは苦しそうな表情を浮かべている。その姿は、今朝の姿からは想像できないものであった。

 思わず、百合も心配になってしまう。

「ちょ、ちょっと……」

「ちょっと?どうかなさったんですか?」

「筋肉痛……」

「えっ……筋肉痛?」

 百合はその言葉を聞いて一瞬呆然となったが、次の瞬間笑い出していた。

 当然、ニーナはおもしろくない。

「ひどいよぉ百合ちゃん。笑うことないでしょ?」

「クスス……ごめんなさい。だってニーナさんが筋肉痛だなんて」

「なによぅ。あたしだって筋肉痛くらいにはなるわよ」

 ニーナはムスッとした表情をつくってそう返答した。

「でも、それだけ運動してなかったってことでしょう?これを機会にもっと運動しなくちゃいけませんね」

「そうよねぇ。それは反省してるわよ。あたしは百合ちゃんみたいに愛しの通君見て熱カロリー消費するってことできないから」

「ニ、ニーナさん!!」

「おかえしだよ」

 ニーナはそう言うと、苦悶の表情を浮かべながらゆっくり置き上がった。

「でもね、おかげで今度の仕事がみつかったんだから」

「えっ?」

「ホラ、これ見てよ」

 ニーナは机の上に1枚の広告をだした。

 どうやらダイエットに関する健康食品のようで、大きな文字で『マジック・シュガー』と書かれている。

「これがどうかしたんですか?」

「この健康食品、食べるだけでやせるって書いてあるでしょ?」

「はい」

「ところがどっこい、この白い粉は魔法でもなんでもなく、ただの砂糖なのよね」

「えっ?」

「ホラ、現物あるよ。舐めてみる?」

 ニーナはポケットから1つの小瓶を取りだし、コタツの上に置いた。

「それではちょっと、失礼します」

 百合は蓋を開けてその白い粉を指につけてみた。

 そして恐る恐る舐めてみる。

 口の中に広がる甘み。

 それは紛れもなく、砂糖の味だった。

「コレを健康食品として販売してるんですか?」

「そっ。それも法外な値段でね」

「そうですか……」

 百合はそう呟きながら、食い入るように広告を眺めていた。

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