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怪盗黒薔薇  作者: 杠葉 湖
第3話 ニーナの登校
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第3話 ニーナの登校-6

「ただいまー……」

 ニーナが四阿家に帰宅したのは、既に陽が落ち夜空に月と星が浮かんでいる時分であった。

 キッチンに行くと、パジャマ姿の百合が夕食を作っていた。

「あ、お帰りなさいニーナさん。遅かったですね」

「うん、いろいろあってね」

 ニーナは指をパチンと鳴らし、変身を解除して元の姿へと戻る。

 そして椅子に腰掛け、テーブルに突っ伏した。

「百合ちゃんは起きてて大丈夫なの?」

「はい。おかげさまで大分よくなりました」

「そう。それはよかったわ。あたしも頑張った甲斐があったわ」

「えっ?」

「なんでもないから、気にしないで」

「は、はぁ……」

 ニーナの言葉に百合は首をかしげる。

 そして、コンロの火を止めると、上に乗っていた土鍋を持ち、そのままテーブルの上においてあった鍋敷きの上へと置いた。

 そして鍋のふたを開ける。

「はい。たまご雑炊です」

「うわぁーおいしそう」

 ニーナは身を起こし、鍋の中を確認した。

「ああ神様仏様百合女神様。汚れてしまったあたしの身を、清いお米で浄化してください。アーメン」

 そして天に向かって、祈りを捧げるポーズを作る。

「やっぱり、何かあったんですか!?」

「それはチミ、明日学校に行ってからのお楽しみだよ。むふふ」

 ニーナは悪戯っぽく笑って、指をチッチッと左右に振る。

「そんなこと言われると、すごく怖いんですけど……」

 百合は茶碗とレンゲをテーブルの上に置いて、椅子に座った。

「それじゃあ食べましょうか。いただきます」

「いただきまーす」

 そして二人は雑炊をお椀にとり、夕食を食べた。


 そして翌日――

 高校に登校した百合は、昨日ニーナが起こした行動をすべて把握して、頭を抱えることになるのであった。

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