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第八十九話

艦これE2むずい……。


今のところ戦二、重二、駆二でボスに行けてるがバケツが……。




「霞……」

「……ふざけるなタルノフッ!! 貴様は……貴様はッ!!」

「落ち着け霞ッ!!」


 タルノフ大尉の胸ぐらを掴んでいた霞を将宏が引き離した。


「お前はまだ生きているんだッ!! 家族の分まで生きて……生きて幸せにならなければならいんだッ!!」

「………」

「お前の気持ちは私にも判る。私の父と母もこの世にいない。だからお前が此処で死んではあの世にいるお前の家族は悲しむんだぞッ!!」

「……カスミ……」


 タルノフ大尉は泣いていた。家族が写った写真を胸に押さえながらタルノフ大尉は霞に視線を向けた。


「……済まないカスミ。私は……」

「……良いんだタルノフ」

「いや……ライサで構わない」


 霞とタルノフ――ライサは互いに握手をするのであった。


「(イイハナシダナー)」


 将宏はそう思っていた。そしてその夜は宴会となった。

 全員が酔い潰れるほど飲みまくったのだが、朝になれば何時ものように霞がもぞもぞと起き出した。


「……将宏達を起こすか」


 霞は欠伸をしながら二階へと上がり将宏の部屋に入る。


「ほら起きろ将宏」

「……zzz……」


 将宏は霞に身体を揺すられるが起きる気配は全くない。


「全く……」


 霞は溜め息を吐き、部屋を見渡すと先日の地震以来部屋の掃除はしておらず未だに散らかったままであった。


「少しは片付けを……ん?」


 部屋を見渡していた霞だが、何かを見つけた。


「これは……」


 霞が発見したのは将宏がタイムスリップした時に一緒に所持していた『は○恋連合艦隊』とMC○くしずの雑誌だった。


「うぅ〜ん」

「ッ!?」


 将宏が呻き声をあげ、霞は咄嗟に本を拾い、物音立てずに部屋を後にするのであった。


「………」

「どうかしたのか霞?」

「い、いや……何でもない」


 朝食を取っていた時、霞は将宏に視線を向けて酷く動揺をしていた。

 将宏はそれを不審に思いつつも食事をとるのであった。




――総統官邸――


「マサヒロ・カワチ……」

「はい、その佐官は陸海の上層部とかなりの面識があるようです。更にそのカワチと加えて会談をしているようです」

「ふむ、流石は親衛隊だな。よく調べたものだな」


 ヒムラーの報告にヒトラーはニヤリと笑う。


「ですが総統も日本を調べろと……」

「まぁそうだな」


 ヒトラーがヒムラーに命じたのは日本の首脳陣を調べる事だった。

 流石に連戦連勝していた日本にヒトラーが疑問を持ち始めたのだ。ドイツもソ連と死闘を繰り広げて一進一退をしているのに日本は連戦連勝。

 その証拠を探るためにヒムラーに命じたのだ。


「……この男に何かあるので?」

「……一介の佐官が頻繁に陸海の上層部と会談しているのは何かある証拠だ。恐らく、この男は佐官の分際で上層部と共に戦争を指導しているのだろう」


 ヒトラーの予測は憚らずとも当たっていた。しかし、残念ながら将宏や山本達はドイツが将宏を探っている事など気付いていなかった。

 これは日本の諜報が弱い事を指している。それでも、未来人であるが、一介の佐官である将宏を探られる事など思ってなかったのだ。

 そのために将宏の情報がヒトラーの元へ届けられたのだ。


「暫くこのカワチとやらマークしておけ」

「ハイルッ!!」


 将宏はヒトラーに目を付けられるのであった。目を付けられた将宏は自室である物を探していた。


「……あり? はつ〇いが無いな……」


 流石に地震後も散らかるのはいけないと悟った将宏は部屋の掃除をしていたのだが、何故かはつ〇いの本が見当たらなかったのだ。


「はて……? 何処かに置き忘れたんかな?」


 首を捻る将宏であった。そしてその夜に事件は起きた。


 何故か霞、ヒルダ、ライサの三人がどんよりとした空気を発して食事をしていたのである。


「……此処も腐海に飲み込まれたか……」


 将宏はあまりの雰囲気に某ネタを呟いていたりする。


「……なぁ三人とも。どうかしたのか?」


 将宏はネタを呟いた後に意を決して三人に聞いた。流石に三人は怪しすぎた。


「……なぁ将宏」

「何だ?」


 ヒルダが口を開いた。


『貴方は一体何者?』


 三人は同時に将宏にそう言った。


「え……?」


 流石の事に将宏も慌てる。


「な、何者って……俺は日本人なんだけど。こんなアメリカ人やソ連人がおるか?」

「そうじゃないんだ将宏」

「そうよ。貴方は……貴方は何者なの?」


 三人を代表してヒルダが将宏に聞く。


「だからぁ何者と言われても俺は日本人だと「じゃあこれは何だッ!!」ッ!?」


 将宏ははぐらかそうとしたが、霞が叫んで遮り、テーブルにはつ○連合艦隊の本と雑誌を叩きつけた。


「これは貴様の机にあった書物だ」

「そ、それは……」


 霞の睨みに将宏は口をつぐむ。


「これによれば日本は負け、更にドイツも負けるような描写があるわ。どういう事なのだ?」


 ヒルダはそう言うが、思いっきり二人を睨んでいる。ライサもどういう事という表情をしている。


「「………」」


 完全に言い訳を押さえられた将宏と前田少佐であった。


「(……どうする前田少佐?)」

「(……覚悟を決めて言うしかないんじゃないか?)」


 前田少佐はそう言った。


「(ですが……)」


 霞達三人はこの時代の人間であり、全てを話すのはタブーと将宏は思っていた。


「(いつかは話さないといけないんだ。なら今言うしかない)」

「(……分かりました。腹括りましょう)」


 前田少佐の言葉に将宏は頷いて三人に向き合った。


「……分かった。全てを話す」


 将宏は口を開いた。


「……俺はこの時代の日本人じゃない。未来から来た日本人だ」


 そして将宏は全てを話した。




「と、これが俺の世界で歩んできた日本と世界だ」

『………』


 将宏が全てを語り終えると三人は黙っていた。


「何の関係かは知らんが俺はこの世界にやってきた。この日本をあの日本にしないためにも」


 将宏はそう言った。すると霞が立ち上がり、将宏の前まで行くと……。


パシィンッ!!


 突然、霞は将宏の左頬を叩いた。


「霞……」

「……るな……」

「え?」

「ふざけるな将宏ッ!! 私達が真剣にこれを何だと聞いているのにタイムスリップとかわけ分からない事を言うのかッ!!」

「い、いやだからこれは本当なんだって……」

「マサヒロ、いくらなんでもそんな説得力が無い話は無理だ」

「………」


 ヒルダはそう否定し、ライサは黙っている。


「(……やっぱバラしてもこれは無理やったな……)」

「……ぃけ」

「え?」

「この家から出ていけッ!! 私達が真剣に聞いているのに嘘など話す貴様の顔なんぞ見たくないッ!!」

「ッ!? 霞ッ!!」


 霞の言葉に前田少佐が叫ぶ。


「そろそろいい加減に……「良いんだ前田少佐」将宏……」


 霞に反論しようとしていた前田少佐を将宏は遮る。


「俺が出ていけば全ては済む話だ」

「し、しかしだな将宏……」


 将宏は前田少佐の言葉を聞かずにその場を出て自室に戻る。


「……やっぱ民間人に話したのはあかんかったな……」


 軍人なら多少は理解出来るかもしれないが、民間人なら話は別だ。

 そして将宏は僅かの私物を持ち、前田家を後にするのであった。


「……こうなったらあれをするか」


 将宏はそう謎の呟きをするのであった。





御意見や御感想等お待ちしていますm(__)m

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