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天才って言われてる奴ほどムカつく

様々な職業がある。

農民、兵士、騎士、冒険家、盗賊、僧侶、魔術師、魔物ハンター、遊び人、巫女、錬金術師

そして・・・勇者、英雄

職業ごとに能力が違い、もっているスキルも違う

複数の職業を持つものもいるが、大抵の者は一つしかもたない

勇者、英雄といった職業は血統に左右された、最高のエリートジョブだ

60年前の魔王討伐により、魔物が減ってきたこともあり

こんどは人間同士の間で、権力を求める風潮が広がっていった

そしてその権力を手に入れる為に求められるもの

実力

ここでの実力とはそのまま破壊力といいかえてもいい

他の国家にどれだけ損害をあたえ、領地を手にいれるか

まだ戦争にはいたってないものの、ちゃくちゃくとその準備は進みつつあった


そして、その国にある辺境に近い田舎の魔術学校に凄まじい天才がいた

名をマギア

彼は常人の3倍近く魔力があり、齢12にして高等儀式魔術、攻城型殲滅術の行使が可能だった

その魔術学校のほとんどの人物は彼をほめそやし、贔屓した

そして、無能と呼ばれる者もいた






「おい見ろよマギア、あそこに無能のガイストがいるぜ」

「おお、本当だ、なぜ君のような無能がこの高貴なるソフォス魔術学院に通っているんだい」

そんな言葉が聞こえる

無視だ無視

あんな高慢ちきがなにを言っても、無視しとけばいいんだ

だいたいなにが無能だ!

僕だって一流の魔術が使える

ただ戦略的な効果とかが無いからって、無能だってきめつけやがって

「おい!無視してんじゃねえよ!高貴なるマギア様が話しかけてくれてんだぞ!」

ガッ

肩を掴まれて、顔面を殴られる

痛い!

「無能なんかにふれると無能が移ってしまうよドロル、こんなのはほおっといて、舞踏会の準備でもしようじゃないか」

「それもそうだな」

にやにやと汚らしい笑い方をして、去っていく二人

僕の学院での扱いはこんな感じだ

だけどそれももうすぐ終わりだ

僕のもつ魔術で目にものを見せてやる!





「遅かったね」

僕が部屋にもどるとアモルが話かけてきた

金髪で青い目をしたフェアリーだ

フェアリーは羽根の生えた妖精のことなんだけどアモルは羽根がない

人間・・・僕の種族に捕まった時に羽根を毟られたらしい

何とか逃げ出して力尽きて倒れていた所を僕が拾った

それ以来一緒に暮らしてる

「ちょっと絡まれちゃってね、回復してー」

アモルの回復魔術は暖かくて気持ちいいから好きだ

「ん・・・わかった」

やわらかい光が僕を包み、身体が軽くなる

なんだかイメージとしては、母親に抱かれているかのような感覚だ

「それで、様子はどう?」

「いいんじゃないか?なかなかの完成度だと思うぞ

後は再生力の高い魔物だったか?

何つかうんだ?やっぱり竜種か?」

アモルが見ていたのはチェス盤のような形をした模型だ

中は迷宮のように迷路になっていて

魔物を模したスライムが動き回っている

そして、兵士、騎士等を模した石で出来た模型が、そのスライムと戦い、倒したり、倒されたりしている

倒した場合はスライムが消え、倒された場合は宝箱を模した模型に変わり、スライムがそれを運ぶ

それが10層ほど積み重なった模型

下の層の出口と一つ上の層の入口は転移陣でつながっており、上に行くほど大きく、複雑になっていっていて、魔物を模したスライムも強く、罠も何個か設置されている

これは僕が作り、途中からアモルと一緒に管理している、ダンジョンを模した小型の模型だ

もう稼働してから2年目

そろそろいいだろう

形をもった物体は一つの事を繰り返し続けると、その行為を記憶し、その意味を持つようになるという性質がある

また、似たような形をしたものは、近い性質を持つという性質をもつ

これはその法則を利用して作った

ダンジョンという性質を持つ模型だ

上の層は後からつけていき、模型内に転移不可の呪いもかけてある

この模型が生きてさえいれば、自然とダンジョンとして、進化していくだろう

そう、生きてさえいれば

「コボルトを使おうと思う、あれは魔物でも元が妖精だから弱いけど、再生力だけは凄いから、それに手に入れるのも簡単だし・・・たしか学園に実験とか儀式用に飼育してるはずだ、それに竜種は捕まえにくい」

「学園から盗むのか?大丈夫か?」

「今日は舞踏会だからね、みんなが舞踏会に集中してるあいだに盗んでさっさと逃げるよ、それにコボルトはすぐに繁殖するからばれにくい。それに僕がいなくなったところで無能が逃げたとしか思わないだろうしね」

「気をつけろよ」

「わかってるさ」


僕は父親が魔術師、母親が錬金術師だった

上の兄妹たちは魔術か錬金術師のジョブで、それぞれ高い成績をもたらしていた

そこに僕が生まれた

僕は魔術師のジョブを持っていた

だけどそれは錬金術の方に近い性質を持っていて

戦力として扱うには情けないものだった

だから無能

だから出涸らし

家では家の恥として扱われ

学院では万年最下位

錬金術師として高い成績をしめしてる妹がなついてくれていたが、親に無能が移るからという理由で遠くの学院に行かされた


もううんざりだ

僕の魔術は他の人が思うほど無能じゃない

それを証明してやる




舞踏会の賑やかさが伝わってくる

僕とアモルは準備を整え、行動を開始した

まずは実験用に飼育されているコボルトを捕まえアモルの魔術で眠らせる

それを用意しておいた袋に詰めて学園の外にまで走る

それから転移札を起動・・・けっこう高かった

学院から三時間ほどかかる森の中のぼろい小屋に飛ぶ

「ここで作るのか?ここじゃそんなに学院から離れてないし、防御も弱くなるし、瘴気もあんまりたまらない、坑道とか討伐されて魔物がいないダンジョンの方がよくないか?」

「大丈夫だよ、ここに秘密の通路があるから」

暖炉に積もらせてある灰をどけ、隠しておいた蓋をあけるそしてなかの梯子を伝って、下に降りた

「アモル、明かりお願い」

「いいのか?魔物がいたらまずいんじゃ?」

「大丈夫だよ、これは僕が作ったものだから」

「よし、じゃあつけるぞ」

小さな光源が生まれ、あたりを照らし出す

そこは大きな部屋のようになっていて何個もの穴が開いていた

「なんというか・・・なぁ、これっていつから作ったんだ?明らかにお前の年齢と噛み合わない気がするんだが」

「んと・・・三年くらい前からかな?」

「はぁ!?そんなのありえないだろ!?分かれ道があるけど全部かなりの深さだぞ!?こんなの20年クラスの迷宮じゃねえか!」

「そう?案外単純な作りになってるけど?とりあえず進むよ、さっさと拠点にいきたいんだ」

「拠点って・・・お前・・・あんな模型つくらなくても十分ダンジョン作れたんじゃねえのか?」

「それは無理だよ、わからない?ここってほとんど瘴気がないでしょ?瘴気は生物が死んだり、死体を放置したりとかで発生するけど、ここにはまだ生き物がいないから瘴気が集まらない。だから迎撃準備を完全にするために、アレが必要なんだ」

「よくわからん、ここに魔物とかを呼んでダンジョンにしちまえばいいじゃねーか、なんでそんな面倒な事してんだ?」

「アモルの目的は僕達への復讐だけど、僕の目的は僕の魔術が最高であることの証明なんだ。だから僕の魔術で作ったダンジョンで勝負する。これはただのおまけだよ」

「そうか・・・(別に復讐が目的じゃないんだけどな・・・ガイストが助けてくれたから、一緒にいるんだ。それにしても・・・こんな迷宮を作って置いておまけ扱いだなんて・・・)」

黙々と歩き続ける

黙々と

黙々と

「な、なぁ、こんな長い迷宮・・・どうやって作ったんだ?なんか、異常に長い気がするんだが」

「ワームとスライムを合成したのを使って掘ってもらった、欠点はどこをどう掘っていくのか制御がきかないこと、鉱石とかは吸収できなくて土が固まった所もしくは土が潰されて石になったものの所しかほれないこと、あとは簡単な魔術、衝撃で死亡する事。利点はこうゆう風にダンジョンを掘りたい時にすごく便利、放置しておいても勝手に大きくしてくれる。名付けてワームスライム」

「ネーミングセンスないのな・・・」

「うっさい、それよりももうすぐ着くよ」

「これは・・・」

「ワームスライムが吸収できなかった鉱石とかを壁とかにつけていった結果、稀少鉱石とかもあるし、この場所は龍脈って言って魔力の流れる場所らしい、だから稀少鉱石が光ってる」

僕自身もびっくりだ、ここまですごくなってるとは思わなかった

壁全体が光っていて、物凄く幻想的な光景だ

それに大気中の魔力も物凄い濃度だ

ここでなら難易度の高い魔術も成功しやすくなるだろう

僕のダンジョンも一段階高いレベルでの合成が可能かもしれない・・・失敗したらやだからしないけど

袋からコボルトをだして床に血で契約陣を描く

主を僕とアモル

従をコボルト

通常魔物に使う使い魔契約じゃなくて主従契約

「「沈黙は肯定とみなす、我らを主とみなし、主従の契約の意に応えるのならば、肯定せよ」」

沈黙を肯定とみなすのは少し特異な契約方法で時間がかかるんだけど、使い魔契約は片方の合意が必要で、主従契約は両方の合意が必要だから拘束力が強くなるからこうしておいたほうがいい

1時間、契約としてはかなり長い時間がたったけど、アモルの魔術で寝ているコボルトはもちろん沈黙を保った

契約陣が輝き、契約が成った事がわかる

「次は合成するよ。今日中に全部すましちゃおう」

「体力と魔力は大丈夫か?」

「うん、コンディションは最高だしね、失敗する気が全然しないよ」

今度は合成用の魔法陣を書いていく

アルケミー、つまり錬金術の流れをくむ合成魔法陣

僕が無能と呼ばれる理由

この魔術は生物と無生物と魔法生物(魔術によって作られた人工生命体)を合成することができる

だけど無生物の方に形が引っ張られるため、せいぜい物質に命をあたえる事しかできない

それも知能が低くなるからインテリジェンスウェポンには遠く及ばないし

強い生物はそもそもレジストするから高い能力を持たせることもできない

作れるとしたら壊れても元にもどる家具といった所

それに合成したものには必ず崩壊因子・・・条件を満たしたら壊れるといった弱点が生まれてしまう

だから戦争ではつかえない

だから無能

だからといってバカにされるのは不愉快だ


今回するのは三種類の合成

器となる無生物の場所にダンジョンの模型を置く

形となる魔法生物として合成スライム・・・なぜか何も食べず、分裂もしないけど合成の成功率をあげるスライム

そして命の元となるコボルトを生物用の場所に置き、主従契約を通じて目を覚まさし、その陣から出ないように命令をする


前の二つは所有者権限と製作者権限を、コボルトには主従契約をしている

これらを合成したものは完全に僕達のモノになる

陣を3回間違いがないか確認し、魔力を通す

空間に満ちる魔力を僕を通して注ぎ込み

呪文・・・オリジナルスペルを唱えていく

アモルは退屈そうに見ながら、僕の邪魔をしないように黙っていてくれる


そして三種の物質と陣が光輝き

合成が終了した

質問とか受け付けます

誤字脱字があったら教えてください




ガイスト(以下ガ)「始まりましたダンジョンを作ろう!裏コーナー!」


アモル(以下ア)「どんどんパフパフー」


石井高橋(以下作)「わー(棒読み)」


ガ「はいはい始まったわけなんですが!が!なんか僕って性格悪そうに見えちゃうじゃないですか!なにしてくれてんですか作者!」


ア「そうだ!ガイストは優しいんだぞ!なに実力が認められないから復讐みたいな感じにかいてるんだ!ガイストがかわいそうだろ!」


作「えー・・・だってこうしなきゃ何の目的もなくはた迷惑なダンジョンを作る変態になっちゃうじゃ~ん。だいたいガイストの初期設定はずっと家に引きこもってっていきなり人とか刺しちゃう人だし~そこからよくここまでいい奴に変えれたと自分では誇るくらいだよ~(にやにや)」


ガ・ア「この作者は・・・#」


作「ちなみにガイストの名前はドイツ語で精神って意味から来てるよあと精霊って意味もあるよ・・・そしてアモルの名前は・・・ははーん(にやにや)」


ア「おっ、おい、言うなよ!」


作「何顔赤くしてるのかな~」


ガ「アモル?」


ア「うるさい!そんな事より他の奴らも説明しろよ!///」


作「はいはい(ヒントとしてラテン語って事だけ言っておくよ)

  マギアっていうのはギリシャ語で魔法ドロルってのはラテン語で痛みって意味だ  ね。ソフォスってのは、ごめん、とっさに出た言葉」


ガ「伝統ある魔術学院なのに・・・」ort


ア「いいじゃん、抜け出したんだから」


作「あはは~まあ、そろそろ時間なんで」


ガ・ア・作「「「次回悪魔にだって普通じゃない奴はいる。みてね!」」」

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