表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
21/23

第三章:葛藤と、覚悟



ASTRALIGHTとしてのデビューは、まるで夢のような日々だった。

新曲がヒットし、メディアにも引っ張りだこ。

ファンの声援が届くたびに胸が熱くなり、彼は「この道で生きていく」と強く誓った。


しかし、その華やかなステージの裏には、誰にも言えない苦悩があった。


「みんなは俺の歌を、本当に聴いてくれているのか?」

「ただの“朝比奈家の子”としてしか見られていないのでは?」


ステージ袖で待機する間、彼は何度も自問した。

家族の名前がつくから注目されるのは事実だ。

だけど、その注目の光は時に彼を縛り、重くのしかかった。


ライブ後の楽屋では、メンバーたちの笑顔が眩しかった。

だが、自分だけがどこか浮いているような孤独感を拭いきれなかった。


ある晩、未来翔が控室にやってきた。

兄は静かに席に座り、大翔の肩に手を置く。


「大翔、無理するなよ。自分の色を見つけるまでは焦らなくていい」

未来翔の声は、優しくも力強かった。


「俺たちは“朝比奈”だけど、君は“大翔”だ。自分の名前を胸に刻んで、堂々と歌えばいい」


その言葉に、大翔は胸の奥にあった重い鎧が少しずつ溶けていくのを感じた。


「ありがとう、兄さん。僕、もっと自分を信じてみるよ」


翌日のリハーサルで、大翔は違った。

これまでの不安を吹き飛ばすように、自分の声に魂を込めた。

振り返ると、メンバーの瞳が驚きと尊敬に満ちていた。


大翔の歌声は、どんどん研ぎ澄まされていった。

“朝比奈家の子”から、“大翔”という表現者へ。


その姿は、これから多くの人の心を揺さぶることになるだろう。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ