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第二章:出会いと、悔しさと
中学生になった大翔は、学校生活の中である一つの壁にぶつかった。
それは、家族の名声がもたらす「影」の部分だった。
「どうせ、君も“親の七光り”でしょ?」
ある日、友人の何気ない言葉が彼の胸に深く刺さった。
その言葉は、彼の誇りと自尊心を揺るがせた。
「僕は違う。僕は僕の力で、ここに立ちたい」
そう強く決意したのだった。
音楽に惹かれて育ったものの、大翔はまだ自分のスタイルを模索していた。
そんな時、学校の先輩から聞いたのが男性ボーカルグループ《ASTRALIGHT》のオーディション情報だった。
「未経験でもチャンスはある」
その言葉に背中を押され、大翔はダンスも歌も未熟なまま挑戦を決める。
オーディション当日、彼は緊張と不安を抱えつつも、必死に自分を表現した。
その声は審査員の心に響き、そして「天性の切なさ」を持つ歌声として高く評価された。
結果は合格。
だがそれは、スタートラインに過ぎなかった。
大翔にとっては、「親の名前」ではなく、「自分の名前」で勝負する新たな戦いの始まりだった。




