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鉄塊の国 ~魔導鎧と絆の戦訓、笑顔と涙の群像詩~  作者: jetts
第一章 開戦

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グライシア2〜旅と戦の始まり〜

 DaysAIで作成したイラストに妄想ストーリーをつけ、物語になりました。

 小説を書くのは初めてですので、見苦しい表現もあるかと思いますがご容赦ください。

 残酷な描写は、なるべく避けますが、戦闘や戦争を扱っていますので、苦手な方はご遠慮ください。

 文中の挿絵の著作はjettsにありますので無断転載はご遠慮ください。


 ゲストのイラストも無断転載はお断り致します。


 本編 水、金、日の朝7時か夜10時投稿です。


        鉄塊の国

挿絵(By みてみん)


 一本の鉄塊が国を興した。

 歴史は綴られる。


 クリスメッサーは、順調に街道を東に向け移動している。


 少しでも早く現地に行きたいがリヴァール砦は王国内でも北東の端に位置し、王都リヒトグランからは中央都市ラウンドベルクを通り、貿易都市シャルセアから北上する必要がある。


 ラウンドベルクの北東には大森林地帯があり、少し遠回りにはなるがシャルセアから北上する方が結果的には速い。魔導鎧は森と相性が悪く、特にクリスメッサーは突起が多い為、極力近づかないようにしている。


 現在、街道をクリスメッサーはひた走っている。正直に言うとクリスメッサーは燃費が悪い為、速度的には馬車とほぼ同じくらいである。しかし、馬よりも休憩が少なくても平気なので1日に1.5倍ほど進むことが可能である。


 砦まで、馬車で8日ほどクリスメッサーなら5日と半日ほどの距離だ。


 2時間に1回ほどの休憩を挟みながら進み、お昼過ぎに1日目の宿場町を通り、夕方も同じペースのままで夕闇をしばらく走行していたが、そろそろ下半身のコンバーターが発熱し初めてきたので、街道から外れ野営地を探し始める。


 ちょうど良く、クリスメッサーと同じくらいの岩があったので、その脇に停止させる。


 胸部装甲が上がり、腰部が左右に分かれる。と同時に皮膜の締め付けが解ける。


 ほぼ丸一日締め付けられていたので、汗で蒸れてえらいことになってる……


 とりあえず野営の用意を行なう。クリスメッサーの照明を起動。脚部から地面に向けて灯りが灯る。周囲が明るくなる。

 

 背部のキャリアを開けて野営シートを取り出す。カラビナをクリスメッサーの肩甲骨辺りのフックに掛けるそこからの斜めにおろしてペグを打つ。


 折り込んでいた布をおろし、一方はペグを打ち壁に、もう一方はジッパーで止め入り口にする。


 クリスメッサーの背部に簡易テントができる。

 

 クリスメッサーには魔力を通して野営モードに移行する。ハッチが閉じ、周囲の状況を把握して、異常があれば通信にて教えてくれるほか、人払いの魔力放出をする。完全ではないが、ちょっとそっちに行きたくないなという気を起こさせる魔力波を出している。


 背部キャリアの横の給水バルブにホースを接続、その先にシャワーヘッドをつけてテントの外で水を出す。


 コンバータの排熱でいい感じの温水になっており服の上からではあるがいい感じに汗が流れる。全身を流してさっぱりしたら、手桶にお湯を溜め、布で軽く拭いたらテント内でスーツを脱ぎ身体をお湯で軽く拭く。


 キャリアから着替えとVレーションツヴァイを取り出す。


 替えのスーツを着てからテントの外に出ると、クリスメッサーのふくらはぎ辺りの取っ手を引いて椅子とテーブルを展開する。


 丸一日立ちっぱなしだったので久々座ると、かなり疲れていることを実感する。明日はもう少し休憩しながら進もう。今日は、無理しすぎた。へばってしまっては元も子もない。


 レーションに魔力を通し温める。温め無くても食べられるが、温めたほうが断然美味しい。特にツヴァイは、コンソメスープが絶品で常温のコンソメゼリーも美味しいが、温めると優しい味のコンソメスープになる。


 昼間は乾燥果物をかじるぐらいだったので、1日ぶりのまともな食事。味わって食べる。国王陛下も常々食事はお美味しいものを楽しむものと言われている。

 

 シーラ殿下にお代わりになってからレーションも格段に美味しくなり、好みで3種類から自由に選べ、長期任務時は1週間毎に特別なご馳走のレーションが配給されるようになった。

 

 先ほどのキャリアの中にも2つほどご馳走レーションが入っていた。出来ればルヴェリーと一緒に食べたいなと思っている。


 食べ終えたあと、軽く軽く身体を動かしてから、先ほど濡らしたスーツを椅子に干す。


 キャリアから寝袋を出してテント内に敷き詰める。狭いながらも簡易我が家の完成。野外でも屋根のある所で寝られる幸せ。クリスメッサーは特別に大きいが、他の量産型にも同じ様な装備がある。こういう、生活という部分にも十分工夫されている魔導鎧は本当に完成していると思う。


 明日に向け、英気を養おう。照明を落とし眠りに落ちる。


 ラウンドベルクは素通りし、野営を3度行い昼前にシャルセアに到着する。


 東の大砂漠を越えて東の国々との玄関口として機能する貿易都市シャルセア。砂漠の強力な魔物からの防御の要害としての一面も持つため、高い城壁と支援を得意とする魔導鎧7番隊が駐屯している。


 街道脇に停める。クリスメッサーから降りるとキャリアから格納宝珠を取り出し、魔力回路に魔力を通し宝珠内に格納し腰のホルダーに吊り下げる。


 門に近づき、入場の列に並ぶ。一連の流れを見ていた衛兵が慌てて私のそばに駆けつける。


 「グライシア隊長。お並びいただかなくてもご案内致します。」


 職務上の用事であればそうするが、今回は休暇中で私用なので丁寧に辞退する。


 行商人や旅人に混じりしばらく待ち、お昼ご飯時に門をくぐった。

 

 何度か来たことがあり、お気に入りの屋台に向かう。


 「!」


 背筋に何かが走った。ゾワリとした感覚を東の方から感じる。


 東に目をやるが特に何もない。シルフィフランベルを持とうとするが腰にさしていない。クリスメッサーに差したままだ。今までこんなミスをしたことはないが仕方ない。


 腰のバックから適当な水晶を取り出し東に投げる。水晶を操り東に飛行させる。


 踵を返して、門の詰所に向かう。


 水晶に視覚共有をしながら走る。門についた時、水晶から絶句しか無い映像が送られる。


 東の空に巨大な飛空する竜と無数の何かを抱えて飛ぶ下位竜の群れが広がる。距離と相手の速度を計算して5分ちょいで視認できる距離に近づく。


 腰のポーチから、指揮権の掌握権限通知を取り出し、両手で広げ詰所の衛兵に見えるようにする。


 「ただいまよりシャルセアの防衛隊及び魔導鎧7番隊、衛兵への指揮は、魔法騎士団団長グライシアが執る。」


 拡声の魔法回路を即席で構築して辺りに声を響かせる。


 「緊急装着を行なう。防衛に当たれるものは私とともに東の上空への迎撃準備を始めよ。他の者は市民の避難に集中。」


 命令後、軽く助走をつけ高くジャンプする。


 「着装!!」


 緊急装着のキーワードを叫ぶ。言霊が走り、さまざま回路が自動で構築され魔力が流れる。


 背後に装甲が開いているクリスメッサーが召喚される。同時に内部から皮膜が私の方に放出され背中に張り付き、身体にまとわりつく。


 「ぐっ」


 いつも以上の締め付けにうめき声が上がるが、お構いなく後ろに引っ張られて、私の身体はクリスメッサーの内部に押し込められる。感覚共有が行われすぐにクリスメッサーの感覚が私にフィードバックされる。


 「デッデッデー♪デッデッデー♪デ・デ・デレレレーー♫」


 魂を揺さぶる音楽が流れる。


 同時に、周りにいた市民達は避難を開始する。

 

 ヴァルグラン国民すべてが知っている。緊急警報が街中に流れる。


 この未曾有の危機に、水晶姫グライシアと専用魔導鎧クリスメッサーが立ち向かう。

 

挿絵(By みてみん)

 



 前回に続いてまたやらかしています。前半の旅描写はいかがでしたか?

 

 それをぶち壊す急展開。


 補足ですが、着装は仕様書に僅か0.05秒で完了するのだと書いていますが5秒くらいはかかっています。


 後、元ネタをご存知の方にはギャグですが、ヴァルグラン国民はこの音楽で避難することを幼少から行っており、冷静かつ迅速に避難できるように訓練されています。




 

 

 この度の『クリスメッサー』のイラストは


 【月皇神姫】妖夜様からお借りしております。

 




挿絵(By みてみん)


 さて、ついに大都市での戦闘が行われます。国王シーラは、前回の村の壊滅にも涙しています。


 どうか、皆を守りきってほしい。


 グライシア。君にかかっている。

挿絵(By みてみん)

  

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