ヘルガ13
DaysAIで作成したイラストに妄想ストーリーをつけ、物語になりました。
小説を書くのは初めてですので、見苦しい表現もあるかと思いますがご容赦ください。
残酷な描写は、なるべく避けますが、戦闘や戦争を扱っていますので、苦手な方はご遠慮ください。
文中の挿絵の著作はjettsにありますので無断転載はご遠慮ください。
ゲストのイラストも無断転載はお断り致します。
投稿時間
本編 水曜日更新
大図書館 不定期更新
鉄塊の国を支えるAI先生〜鉄塊の国実験スピンオフ〜 不定期更新
鉄塊の国
一本の鉄塊が国を興した。
歴史は綴られる。
『鉄塊の国』時間軸ガイド
一本の鉄塊が国を興した――ヴァルグランの歴史を紐解く!
約132年前:神々の旅開始
「名を忘れられた漢」(神)が祈りの聖女、鉄塊の王、大賢者、メカムスメ、名も無い暗殺者と建国の旅を開始。信玄の戦訓で希望を灯す!
約129年前:ヴァルグラン建国
一本の鉄塊からヴァルグランが誕生。魔導鎧と絆で繁栄へ。
現在:龍獣統一軍との戦い
龍鬼神シュタルクの侵略に立ち向かう!
リヴァール砦防衛戦(ep.1〜6):ルヴェリーとマリーの絆、ヘルガの暗殺で防衛成功。
シャルセア防衛戦(ep.7〜11、17):グライシアの「乾坤一擲」、ルーの神速、シャルフの「射抜かれた道」で民間人被害ゼロの奇跡。
ラウンドベルク攻防戦(ep.12〜26):シーラの「リヒトヴァルグラン」起動、ヘルガの「隷属」、ゼーエンの諜報で4万の敵に立ち向かう。
ラウンドベルクでの5対4万の戦いはヴァルグランの完全勝利に終わる。
国興しの神ハガネの再度の降臨
ヴァルグランを救う三作戦は成し遂げられた。しかし、ハガネの甘やかしが爆発し過剰戦力が与えられた。
これからのヴァルグランのあり方が問われる。
このエピソードの位置:ハガネが帰る。その日が来てしまった。
主殿との二度目の別れの日…………心が揺れる、妾はここまで弱かったのか……………だがのう。
妾は今度こそ絶対に泣かぬ。
セミダブルと名付けられた、一人では少し広いベットの壁際で、体を丸く縮めて寝ている主殿を起こさぬよう身支度を整える。
午前中は南方の『法術国家リツァーバ』に非公式会談の任で行かねばならぬ。
あちらの都合で今日しか時間が取れずシーラはガインに行かせるとも言ってくれたが、ガインは超量産型装着者の指導をさせる方が確実に今回の戦の為になるのじゃ。
主殿も夕飯までは居るとの事じゃから、サッと済ませてお見送りをするとしようぞ。
昼間の仕事ではあるが、今回はある程度の階級が必要じゃ。着慣れた黒師のスーツを身に纏い、姿見の前で先日主殿に買っていただいた紅を指す。
用意は終わった。
無言のまま主殿に近づき、そっと口づけを届けて出かける。百三十年前もよくしておったルーティーンじゃ。
机横の隠し扉から蜘蛛の糸が無数に張り巡らされた部屋へと入る。
戸を閉めれば部屋は闇に閉ざされるが、妾の目には一本の糸も余すことなく視えておる。無数の糸の中を軽やかに目的地を目指す。
蜘蛛の糸で編んだ無数の魔法陣。近隣諸国にある妾のアジトにつながっておりその内の一つに到着し魔力を込める。
魔法陣は魔力を受け魔力回路を形成し魔術が発動し一瞬の目眩。
空間跳躍で向かった、リツァーバはヴァルグランの思想を理解し共存を決めてくれている同盟国じゃ。
軍事強国であるヴァルグランと敵対する国は少ない。だが、きちんと同盟を結んでいる国も少ない。その理由は、他国では当たり前の制度をヴァルグランは完全否定していて思想的に合う国がほぼ存在しないのが現状じゃ。
ヴァルグランでは貴族の世襲制と奴隷制度を固く禁じており、それに伴ってファミリーネームも撤廃されていて、二つ名や出身地で個人を特定する習慣がある。
普通の大国は貴族の権力が強く、労働力として奴隷を使用している。この大陸内ではリツァーバを含め二国以外とは敵対はしないが深い交流も無い。
隣国では唯一の同盟国に元帥クラスの妾が赴き会談を行う意味は深く、ヴァルグランは龍獣統一軍に対して今回かなりの攻勢に入るとともに、大陸全土に戦力を派遣できると他国に明かす。
すなわち、どこの国へも侵略が可能ということを公表する。他国を怯えさせない為、明言は避けていたがここで白黒を付ける。
その際、他国に動揺が走らぬよう国交を広く持っていて信頼力の高いリツァーバに動いてもらう。なるべく早くに根回しが必要な為妾が動いた。
リツァーバの城内に転送部屋がある。妾の到着を早朝から待ってくれていた人物が大理石の上に貼られた魔法陣脇のテーブルセットから立ち上がる。
肩の部分が大きく外側に張り出し、身体のラインが一切見えない厚い布地のローブ。リツァーバ独特の伝統衣装『ガルタ』を身にまとった美しい女性。
筆頭法術士『ミヒャエラ・エデン』がこちらを向き無言で右の拳を妾の前に突き出す。妾も同じように右の拳を突き出し触れ合うギリギリで止める。
数秒間そのままの時間が過ぎ、ミヒャエラが一歩後ずさりながら妾を椅子に誘う。それに応えてテーブルにつく。彼女も同じく座ると厳しい表情から柔和な笑顔になり口を開く。
「ヘルガ様、いつも私達の法に合わせていただいて恐縮です」
妾も肩を回しながら応える。
「まぁ、相変わらず堅っ苦しいのじゃ。とりあえず、他のものが入れぬように結界を敷いた。ガルタを脱いでもよいぞ」
では遠慮なくと、ミヒャエラは鋼鉄の鎧並みの重量があるガルタを少し重いマントのように軽く脱ぎ部屋の端にあるガルタ掛けにかける。
ガルタを脱いだミヒャエラは妾よりも豊満な胸と大きな尻を紐のような申し訳ない程度の布で隠し、薄い透け感のあるベールをまとったガインなら飛びつくような破廉恥な姿。
これがリツァーバの伝統で、生まれたままの己をガルタで律し法を守る事は弱い自分を認め続けなければならないという教えらしい。
その為リツァーバの人は堅っ苦しいが、本質は大変素直で純粋。それ故に自由を好むヴァルグランの考えと相反しているようだが相性が良い。
ミヒャエラは、そのなかでもとびきり純粋で一点の曇りもない為ヴァルグランの思想をすぐに受け止めてくれて、かつて無いほどのよい関係が築けている。
会談は和やかに行われいくつか調印を行い滞りなく終了。後の時間はミヒャエラのお気に入り、妾の部下であるスケコマシのガインの話題をしゃべり予定の時間を迎える。
再び、ガルタをまとったミヒャエラと共に部屋を出て二人で文官の待つ部屋で最終調印を行い業務終了。
別れを惜しむミヒャエラを残しヴァルグランに戻る。昼前だ、これなら主殿と昼食から合流できそうじゃな。
何をねだろうかのう。今から楽しみじゃ…………
如何でしたか?
ヘルガの目を通してこれからヴァルグランの進む道。ただ強いだけで国はならない。
大きな流れに立ち向かう最終戦争の足音です。
ではまた次回にお会いしましょう。




