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鉄塊の国 ~魔導鎧と絆の戦訓、笑顔と涙の群像詩~  作者: jetts
序章 魔獣の氾濫

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マリー3〜癒しの時間〜

 DaysAIで作成したイラストに妄想ストーリーをつけ、物語になりました。

 小説を書くのは初めてですので、見苦しい表現もあるかと思いますがご容赦ください。

 残酷な描写は、なるべく避けますが、戦闘や戦争を扱っていますので、苦手な方はご遠慮ください。

 文中の挿絵の著作はjettsにありますので無断転載はご遠慮ください。



        鉄塊の国

挿絵(By みてみん)


 一本の鉄塊が国を興した。

 歴史は綴られる。


 目を開ける。ここまで無警戒に寝たのはいつぶりだろう。魔物を片付けておいたから襲撃はなかったようだ。


 自分の内側に意識を向けるとずいぶん魔力が戻っている。これくらいであれば、あの子の治療は可能でしょう。見た目が悪いから自分の傷も軽く治しておく。


 キノコは色とりどりのものがしっかり生えている。この成育だと一晩までではないが、そこそこ時間は経っていたようだ。


 いくつか、食べられるキノコをもぎ、抱えながらルヴェリーの所に戻る。


 もぞもぞと動くルヴェリー。貫頭衣は、はだけて床に落ちている。身体を丸めており痛みに耐えている様子がうかがえる。


 痛かったよね。私の力が足りなかったばかりに……申し訳なさが心を抉る。


 早く治してあげよう。


「おきた〜」


 驚かさないように優しく声かけをする。


 「あなたが助けてくれたの?」


 私はゆっくりと頷く。そして、キノコを脇に置くと、ルヴェリーの横に屈み込むと、手をかざし魔力を流し込んでいく。包帯を巻いた時の火傷の状態を思い出しながら少し過剰なくらいの治療を行っていく。


 ごっそり魔力を持っていかれるが出し惜しみは無しだ。女の子の身体に傷を残すなんて絶対に嫌だ。全力の治療を終える。


 「まりょく〜、もどった〜」


 すぐに治してあげられなかった負い目を感じながら謝罪の意味を込めて言葉をかける。


 「助けてくれて本当にありがとう」


 そんな事言わないで欲しい。すぐに治してあげれなかった。あんなことになる前に助けてあげられなかった。私が、魔力放出の影響を軽視して空間跳躍に失敗して、すぐに帰してあげられてない。申し訳なさすぎて、とてもではないが感謝なんか受け取れない。


 なんとか、謝罪と現状、気づかれることはないだろうけど、私は絶対にマリアじゃないって伝えないと。バレたら陛下にどんなに怒られるか……

 

 腰のポーチから巻物と魔導羽根ペンを取り出し、いつものように巻物に字を書いていく。


 書き終えた。お手紙ならちゃんと私は人とコミュニケーションとれるんだ。


 ルヴェリーの脇に座り誠心誠意頭を下げた。


 すると、ルヴェリーは飛び起き、私の頭を上げさせそうとするが、ピタリと動きを止める。

 

 「痛くない」


 ボソリとつぶやき,腕の包帯を解く。

 

 傷一つない。よし、私ナイス治療。自画自賛。だって今回普通の人なら3回ぐらい生き返るくらいの魔力を込めさせてもらった。これで治らなかったら、私自信なくしちゃう。


 次に、全身の包帯を無我夢中に解いていくルヴェリー。


 傷一つないルヴェリーの身体があった。


 心の中でガッツポーズ!よかったー、自信はあったけど見るまではドキドキだったのよね。


 チラ見してた私に近づき、顔を上げるよう促してくれる。顔を上げ、ルヴェリーを見つめる。

 

 すると突然、ルヴェリーが抱きついてきた。そっと手を回しルヴェリーを受け入れる。


 私の胸の中でルヴェリーは泣いた。声を上げ、ひたすら泣き続けた。強い子だけど、やっぱり女の子なのね。辛かったでしょうに、部下に弱いところは見せれないし、成せる力があるのに逃げるなんてできない。いいよ、私の前は甘えなさい。

 

 ひとしきり泣いてスッキリしたルヴェリーに、さっき書いた巻物を渡すとともにもう大丈夫と伝える。


 「イタイの〜イタイの〜とんでった〜〜」


 ん~~。この場面に合ってるか微妙。行間を読んでくれ。


 と、爆弾発言がルヴェリーから繰り出される。


 「マリア師匠?」


 ぎぇええええええっ。なんでバレた。だって  認識障害と認識妨害。ちゃんと魔力隠蔽で痕跡を消してるのにどこにバれる要素が!!


 一刻も早く違うことを伝えなくては。


 「よんで〜」


 読むんだ。読んで納得してくれ。


 ルヴェリーは私から巻物を受け取り、ぺたんと座り込んで読み出した。そうそうこの子はいつもうちに来て、私の書いたテストパイロット仕様書を読み込んでいた。


 お手伝いのショーちゃん、ロンちゃんと一緒に、あーでもないこーでもないと、かしましかったなーと思い出す。


 さて、この子はすっぽんぽんなのを忘れてるんでしょうね。


 「ふ~ふ~ふっふっふ♫ふふふふふ~ん♪」


 鼻歌交じりに貫頭衣だった布でベストとスカートを作る。


 スカートだった布は自分に巻き付け、胸と腰を隠してギリギリのラインは死守。


 ルヴェリーが嫌じゃなければ、替えの下着を貸してあげればルヴェリーもギリギリ大丈夫かな?


 ルヴェリーが顔を上げた。


 読み終わったか、ちょっと量があるからね。

でもこれで大丈夫。


 私の正体もバレてない。


 ルヴェリーが私を見つめる。私はもう一度謝罪の意味を込めて頭を下げる。


 「マリーさん、頭を上げて。あなたは命の恩人です。本当にありがとう」

 

 そうか。そっちがあるね。これ以上私がうじうじ悩んでたらルヴェリーも、気負っちゃうね。


 私は満面の笑みを浮かべ


 「ど〜いたしまして〜」


 うん。久々にぴったりな言葉だと思う。


 

昨日に続き、マリーでした。

明日は、短い閑話を挟みます。

砦視点のお話です。

おんなじ場面ばかりで申し訳ありません。閑話の後は時が動き出し、歴史が動き出す。はず。



挿絵(By みてみん)

下級獣魔『ウォルグ』

エルフォングの配下の魔獣

人間の子ども位の大きさの為、一体であれば脅威はないが、とにかく繁殖力が強く、群れるうえ、エルフォングの支配下にある場合は恐ろしい軍隊となる。




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