ヘルガ8
DaysAIで作成したイラストに妄想ストーリーをつけ、物語になりました。
小説を書くのは初めてですので、見苦しい表現もあるかと思いますがご容赦ください。
残酷な描写は、なるべく避けますが、戦闘や戦争を扱っていますので、苦手な方はご遠慮ください。
〜注意〜
今回は、殺戮描写があります。なるべく端的に表現していますが、苦手な方はご注意ください。
文中の挿絵の著作はjettsにありますので無断転載はご遠慮ください。
ゲストのイラストも無断転載はお断り致します。
投稿時間
本編 水、日の朝7時投稿です。
大図書館 不定期更新中
鉄塊の国を支えるAI先生〜鉄塊の国実験スピンオフ〜 不定期更新中
鉄塊シリーズに新たな試みが出来ました。
よろしければ、お暇つぶしにどうぞ。
鉄塊の国
一本の鉄塊が国を興した。
歴史は綴られる。
『鉄塊の国』時間軸ガイド
一本の鉄塊が国を興した――ヴァルグランの歴史を紐解く!
約132年前:神々の旅開始
「名を忘れられた漢」(神)が祈りの聖女、鉄塊の王、大賢者、メカムスメ、名も無い暗殺者と建国の旅を開始。信玄の戦訓で希望を灯す!
約129年前:ヴァルグラン建国
一本の鉄塊からヴァルグランが誕生。魔導鎧と絆で繁栄へ。
現在:龍獣統一軍との戦い
龍鬼神シュタルクの侵略に立ち向かう!
リヴァール砦防衛戦(ep.1〜6):ルヴェリーとマリーの絆、ヘルガの暗殺で防衛成功。
シャルセア防衛戦(ep.7〜11、17):グライシアの「乾坤一擲」、ルーの神速、シャルフの「射抜かれた道」で民間人被害ゼロの奇跡。
ラウンドベルク攻防戦(ep.12〜26):シーラの「リヒトヴァルグラン」起動、ヘルガの「隷属」、ゼーエンの諜報で4万の敵に立ち向かう。
ラウンドベルクでの5対4万の戦いはヴァルグランの完全勝利に終わる。
国興しの神ハガネの再度の降臨
ヴァルグランを救う3作戦が発動
このエピソードの位置:エルフの樹上都市でのひとときから、マリアとともに魂の修復に向かうヘルガ
姉御がラエル殿と一緒にエルフの皇女に謁見に行ってから1時間程経った。影技隊11番目の隊員エルフことエルマに連れられ、眺めの良いテラスでのんびりしている。
ミドリ殿はエルマとグレンカイザーを引き連れてエルフの街を堪能中。
始めはヒソヒソ遠巻きで見ていたエルフたちだったが、姉御の功績もありそれほど排他的では無く、むしろ好意的ですらある。
今はエルフとミドリ殿が弓で勝負している。主殿が持たせたと思われる謎の白いポケットから見事な漆黒の弓を取り出して、見事な所作でうさぎを模した的に次々と矢を命中させている。
弓が得意なエルフ達も驚くほどの腕前。エルフの持つ長弓と違い少しアンバランスな弓にエルフも興味津々。
ミドリ殿は、何処へ行っても場の中心になってしまう。
主殿と同じ。きっとそんな彼女だからこそ主殿が伴侶として選んだのじゃろう。ふと、嫉妬心が芽生えた妾の前にコイトがひょっこりと顔を近づけた。
「ママ、さみしいの?コイトがイルヨ」
思わず抱きしめてしまう。
「ありがとう、ママは大丈夫じゃよ」
コイトは妾の手を引いて友達になったという5人のエルフを紹介してくれた。この2人のコミュニケーション能力はどうなっておるのじゃ。
そんな事をしていると、息を切らして姉御が帰ってきた。
「ヘルガ行くよ」
腕を引かれ何処かに連れて行かれる。
「どこにいくのじゃ?」
姉御の身体能力に敵わずほぼ引きずられる妾。
「ここから離れた遺跡に住んでいる皇女の養母にあう必要があるの」
んっ?離れた場所の遺跡?と思考を巡らしていると。
「待て!マリア殿」
ラエル殿が、息を切らせて姉御を止めに来た。やはりそうじゃよな。遺跡に住んでるエルフってあまりおらんじゃろ。
!?って感じの姉御。お探しの方はラエル殿であることを告げ、急いては事を仕損じると主殿も言っておったと伝える。すると、テラス席に座りラエル殿に、はよはよと手招きしている。姉御よ妾も大概じゃが、姉御も主殿好きすぎじゃ。
姉御とラエル殿に事情を聴く。
そういうことであったか。ラエル殿は妾と姉御2人なら誰かに見つからず、始まりの苗木に行けると言い場所を教えてくれる。周りに見張りがいるようだが妾達ならごまかせそうじゃ。
ラエル殿に皆を任せ、早速森の奥に進む。
途中、主殿に通信すると姉御の通信網の範囲内なので主殿も協力ができるかも知れないとのこと。頼もしい限りじゃ。
途中、エルフの見張りがいたが、妾は気配を消してやり過ごし、姉御は魔力回路を展開し姿を消す。
教えられた地点に来る。祠があり中に苗木が置いてある。
一見すると普通の苗木だが、空間への圧力が凄い。上手く伝えられないが苗木から圧倒的な存在感を感じる。
確かにこれなら魂への干渉も可能じゃな。実は先ほどから何とも言えない場所が疼くというかモジモジとしておる。このあたりが魂なんじゃなとおぼろげに感じておる。
姉御が無言で妾を抱き寄せる。確かに正解な気がする。姉御と抱き合う。温かく気持ちがいい。姉御が先ほどまでモジモジとしていた場所に染み込んでくる。
姉御だけではない、ヴァルにエクセ、ヴァンにグレンカイザー、そして主殿が大きく妾を包み込む。
妾の意識がスッーと遠ざかり、魂の始まりに遡っていく。
魂が肉を持った時、妾はすでに捕食者であり絶対の強者であった。
森を歩き、餌の匂いを頼りに一軒の洋館前に来る。
涎が垂れる。
肉を持ち初めての食事じゃ。
鼻歌交じりで屋敷に入る。獲物が2つ近づいたので脚を伸ばし串刺し。おつまみがてら、頭から噛じる。うむ、不味くはない。
館を歩き、糸にかかりもがく獲物の味を確かめる。雄よりも雌のほうが柔らかく食べやすいのう。
我が名はアラグリア。獲物を捕らえ捕食するもの。好きに食べ、時にはいたぶる。自由に生きることを許された存在。
生まれ出で、この洋館に住み着いて100年余り。糸で補強し随分と住みやすくなった。
妾の獲物は自らその身を捧げに来るので餌のは困らない。時々捕らえていたぶってから食べるのも暇つぶしに良い。
今日もまた、大勢の獲物が妾の館の周りに来ているようだ。700程の雄ばかり鉄の鎧に剣や槍を持っている。恐らく妾を退治すると喚いておった、遠くから見ていた豚のような雄が連れて来たのだろう。
いつもの何もせぬ雄や雌よりは妾を楽しませる気があって結構。良い良い。打ち砕いてしんぜよう、弱気者の強がりを。
面倒なので屋根の上に上がり背中の8本の脚を16本にまで増やす。妾の全力で終わらせるとしよう。
16本の足先と10本の指先から糸を繰り出す。『糸遊戯』屋根からクルリと一回りしながら降り、糸をなぐ。周囲の獲物の首がポトポトと落ちる。悠々と歩き、近寄ってくる獲物の首を落とす。
逃げる者は足を絡めてから首を落とす。悲鳴を聞き、血しぶきを浴び気持ちよくなってくる。妾にかなうものなどいないのじゃ。
ラエルはライト様からお借りしています。
ふと自分の作品を見ていると、前半と後半が真逆の展開っていうのが好きなんだなって思いました。
今回もそれですね。
さて、始まりました。ヘルガの魂の旅。今まで、スピンオフで扱っていたエピソードをこれを機会にヘルガについてほとんどR15に落とし込んでいこうと思います。
死の魔王の国でのレジスタンス活動や初めて作った街の話。魔王戦後の鋼との別れやマリアが姉御と呼ばれるまでの話。
そして、スピンオフでも語っていない鋼との出会いについて。
次回は、ついに40話張り切って行きます。
これが終われば次は、超量産型のお話です。
これからも鉄塊の国をご贔屓に。




