マリア2
DaysAIで作成したイラストに妄想ストーリーをつけ、物語になりました。
小説を書くのは初めてですので、見苦しい表現もあるかと思いますがご容赦ください。
残酷な描写は、なるべく避けますが、戦闘や戦争を扱っていますので、苦手な方はご遠慮ください。
文中の挿絵の著作はjettsにありますので無断転載はご遠慮ください。
ゲストのイラストも無断転載はお断り致します。
投稿時間
本編 水、日の朝7時投稿です。
大図書館 不定期更新中
鉄塊の国を支えるAI先生〜鉄塊の国実験スピンオフ〜 不定期更新中
鉄塊シリーズに新たな試みが出来ました。
よろしければ、お暇つぶしにどうぞ。
鉄塊の国
一本の鉄塊が国を興した。
歴史は綴られる。
『鉄塊の国』時間軸ガイド
一本の鉄塊が国を興した――ヴァルグランの歴史を紐解く!
約132年前:神々の旅開始
「名を忘れられた漢」(神)が祈りの聖女、鉄塊の王、大賢者、メカムスメ、名も無い暗殺者と建国の旅を開始。信玄の戦訓で希望を灯す!
約129年前:ヴァルグラン建国
一本の鉄塊からヴァルグランが誕生。魔導鎧と絆で繁栄へ。
現在:龍獣統一軍との戦い
龍鬼神シュタルクの侵略に立ち向かう!
リヴァール砦防衛戦(ep.1〜6):ルヴェリーとマリーの絆、ヘルガの暗殺で防衛成功。
シャルセア防衛戦(ep.7〜11、17):グライシアの「乾坤一擲」、ルーの神速、シャルフの「射抜かれた道」で民間人被害ゼロの奇跡。
ラウンドベルク攻防戦(ep.12〜26):シーラの「リヒトヴァルグラン」起動、ヘルガの「隷属」、ゼーエンの諜報で4万の敵に立ち向かう。
ラウンドベルクでの5対4万の戦いはヴァルグランの完全勝利に終わる。
このエピソードの位置:シャルセアとラウンドベルクの戦いの7日後
ヴァルとの再会について説明するマリア。自らの過ちと向き合う。
無茶振り上等。
ヴァルは優しいし本当に必要な事を教えてくれる。ハガネもありがとう。解ってる、ハガネの優しさ。
私は、ハガネの超翻訳の権能下ならほぼ全ての気持ちを伝えられる今こそシーラに色々言っちゃおう。
まずはヴァルの紹介。
デカくて強くて大雑把に見えるけど、とっても神経質で気遣いの天才。さらに食に対しての飽くなき探究心。おっさんのくせに、とにかくこだわりが多い。
野菜は、朝採れたてがベスト、昨日までならセーフ。肉は頼んだら絶対に残さない。はち切れんばかりでも肉だけは残さない。だけど、仲間にそのルールを押しつけない。怖い顔なのにとにかく優しい。それが、ヴァル。私的にはハガネ、ヘルガの次に推す。だからといってエクセも捨てがたい。
「待て、マリア。久しぶりで感覚が戻ってないぞ、20分の1にまとめる約束だろ。いくら超翻訳でも情報が多い。」
あっ、久しぶりで嬉しくなっちゃた。落ち着こう。
ヴァルはね、初代国王「鉄塊の王ヴァル」100年前に亡くなったけど、魂に記憶という枷をかけたまま100年間ヴァルグランを守ってくれていたの。
今回なぜ、帰ってきたかと言うと全ては私が感情的になってしまったのが原因。
ハガネが私に駆け寄ろうとするがヴァルが止め、ヘルガもヴァルに賛同する。
私には、常に王に寄り添って導き、王の力では乗り越えられない壁があった時は神々の力を適切にまとめて対応する。そして、神々でも対処出来ない時は、王に進言し王の判断に基づき文明を押し上げ問題を解決する。それが、大賢者マリアが国興しの神ハガネから受けた使命。
私がもっと大局を見て、いつものように王のそばにいれば、ヘルガはこんなにも傷つかなかった。シーラも重荷を追わなかった。他の家族達も。ヴァルやエクセをこんな姿にすることもなかった。ハガネの事も。
皆に頭を下げる。
「申し訳ありませんでした。ご迷惑をおかけしました」
精一杯の気持ち。泣いちゃだめだ。ただ事実を受け止めて二度と同じ過ちを犯さない覚悟を持つんだ。
「マリア。頭を上げて。」
シーラが私に微笑み、結果砦は守られルヴェリーが生きていた事。傷ついた家族は居たがほぼ全ての家族が守れたのだから、それ以上気に病むことはないと言ってくれた。
「ちゃんと言えて偉いなマリア。今度こんな事があっても俺がいる安心しろ」
ヴァルが指先で頭をポンポンしてくれる。
ヘルガは優しくハグしてくれて、エクセは私の頭に乗り、泣き虫のマリアがちゃんと謝ったから許すと言ってくれた。ミドリさんとコイトちゃんも微笑んでる。
「妹よ、本当によく頑張った。ヘルガもすぐに治る。お前は俺の自慢の家族だ」
ズルいよみんな。我慢してたのに〜
大声で泣いた。やっぱり泣くと心が軽くなる。泣くならちゃんと謝ってからだ。先に泣くのはズルい。私は学んだ。
その後、これからのことを話してから解散した。明日からエルフの国に行く。せっかく帰ってきたハガネに甘えたいけど私の為に傷ついたヘルガを助けるんだ。早速用意しよう。
次の日、城内の私の部屋にエルフの国に行くメンバーとハガネに来てもらった。
私は、いつものローブではなく体にフィットするレオタードに漆黒の装甲が付いている、ハガネいわくレオタードアーマーを身に着けている。
それと、いつもより大きなマントと様々な仕掛けの施された腕全体を覆う手甲。さらに黒光りする帽子をかぶっている。
「それ、完成したのか?すっげぇ。緑、ここ俺がこだわったとこが立体化出来てるぞ」
ハガネが嬉しそうに私をペタペタ触りながらレオタードアーマーを眺めている。隣では、昨日、とても知的そうだったミドリさんが、ハガネと一緒にキャーキャー言いながら同じくペタペタ触ってる。
うん。予想はしてた。ハガネが設計してくれたけど忙しい国興しの時に間に合わなかったの。喜んでくれて嬉しい。頑張って作っておいて良かった。
「姉御よ、アイネ シュテーレルネ ダーメを着るのは40年ぶりかのう」
ヘルガがしみじみと言う。40年ほど前に西南の軍事国家スルトタガンが、ヴァルグランに対抗して魔導戦車なる物を開発し砦に攻め込んだ。
砦を放棄し前線を下げた為、人的被害はなかったが30の鉄の車輌が無数の魔力回路を備え、魔術の同時展開で我が軍を圧倒した。魔導鎧の量産に至っていなかった我が軍は苦戦を強いられていた。
五大魔導鎧での迎撃を用意する中、衝撃な事実が判明する。魔導戦車は魔力供給の為にエルフ族を生体パーツとして組み込んでいたのだ。
2代目のルヴァーク国王の判断で、私とヘルガで現場に出向いた際、着ていたのがこれ。
こんな、頼りない感じの見た目だけど、鉄壁の防御を誇る魔力回路を展開出来る。これを着た私を傷付けられる者はハガネ以外だとちょっと思いつかない。
その防御力と力押しで、ヘルガが動きを鈍らせた魔導戦車を1台1台拳をめり込ませて引き裂きエルフを救い出した事がある。
今回は荒事にならないとは思うけど、あの一件以来人間と関わらなくなってしまったエルフに対して、助けに行ったこの姿なら少しは話を聞いてくれるかなと思って着てみた。というのは口実で、やっぱりハガネに見せたかったんだ。
ハガネとミドリさん、コイトちゃんに、もみくちゃにされているとツヴァイの後ろから懐かしい顔がひょっこりと出る。
「マリア久しぶりだっピ。グレンがミドリ様とコイトちゃんを守るからヘルガはよろしくっピ」
メカ娘グレンカイザー。変な喋り方だけど、ああ見えて強い。ドラゴンで例えると20ドラゴンぐらいの瞬発力がある。グレンがいて、空間跳躍並みのツヴァイの能力があれば万全でしょう。
さて、そろそろ出ないと帰りが遅くなるので影技隊のエルフにどの辺りに行けばいいのかを聞く。エルフは東の大森林の北側を示してくれる。座標を聞いて魔力回路を調整していく。
興奮冷めないハガネに抱きついて一言告げる。
「お兄ちゃん、ヘルガとミドリさん達の事は任せて。マリアはいい子。帰ってきたら褒めてね」
ニッコリ笑ってメンバーを魔法陣を用意した隣の部屋に導く。
「おう、よろしくな。こっちは任せろ」
ハガネはニカッと笑って送り出してくれる。
入念に用意した魔法陣にハガネ以外乗ったことを確認し魔力を注ぎ込む。
ハガネに手を振り私たちは、深い森の奥の遺跡に降り立ったのだった。
グレンカイザーは徳田新乃助様からの借り物です。最後の遺跡はあふたぬーんてぃー様からお借りしています。
今回はいつもの報告書無しで章を変えます。
次章はヴァルグラン強化作戦と称し、ヘルガの魂の修復から始まります。
楽しんでもらえますよう張り切ってまいりますよ。
大賢者マリア完全戦闘スタイル
『アイネ シュテーレルネ ダーメ』
マリアが集団戦闘に特化する時の勝負服。発案はもちろん国興しの神『名を忘れられた漢』
硬化と防御の魔力回路が組み込まれており、これを纏ったマリアは竜のブレスの中でも平然といられる。
その他、魔力放出が極端に苦手なマリアの為にヘルガの糸を加工したワイヤーの射出装置があり、それにより300mまでの遠距離及び10本同時射出により集団にも対応している。
西南のスルトタガンとの戦いの時に魔導戦車30体を一人で壊しまわり100名以上のエルフを救ったシンボルとしてこの姿は語り継がれている。




