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鉄塊の国 ~魔導鎧と絆の戦訓、笑顔と涙の群像詩~  作者: jetts
第三章 絆を紡ぐ漢

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30/45

ショートショート3

  DaysAIで作成したイラストに妄想ストーリーをつけ、物語になりました。

 小説を書くのは初めてですので、見苦しい表現もあるかと思いますがご容赦ください。

 残酷な描写は、なるべく避けますが、戦闘や戦争を扱っていますので、苦手な方はご遠慮ください。

 文中の挿絵の著作はjettsにありますので無断転載はご遠慮ください。


 ゲストのイラストも無断転載はお断り致します。


 投稿時間


 本編 水、日の朝7時投稿です。


 大図書館 不定期更新中


 鉄塊の国を支えるAI先生〜鉄塊の国実験スピンオフ〜  不定期更新中

 

 鉄塊シリーズに新たな試みが出来ました。

よろしければ、お暇つぶしにどうぞ。

 

        鉄塊の国

挿絵(By みてみん)


 一本の鉄塊が国を興した。

 歴史は綴られる。


 『鉄塊の国』時間軸ガイド


 一本の鉄塊が国を興した――ヴァルグランの歴史を紐解く!

 

 約132年前:神々の旅開始

「名を忘れられた漢」(神)が祈りの聖女、鉄塊の王、大賢者、メカムスメ、名も無い暗殺者と建国の旅を開始。信玄の戦訓で希望を灯す!


 約129年前:ヴァルグラン建国

一本の鉄塊からヴァルグランが誕生。魔導鎧と絆で繁栄へ。


 現在:龍獣統一軍との戦い

龍鬼神シュタルクの侵略に立ち向かう!

リヴァール砦防衛戦(ep.1〜6):ルヴェリーとマリーの絆、ヘルガの暗殺で防衛成功。


 シャルセア防衛戦(ep.7〜11、17):グライシアの「乾坤一擲」、ルーの神速、シャルフの「射抜かれた道」で民間人被害ゼロの奇跡。


 ラウンドベルク攻防戦(ep.12〜26):シーラの「リヒトヴァルグラン」起動、ヘルガの「隷属」、ゼーエンの諜報で4万の敵に立ち向かう。


 ラウンドベルクでの5対4万の戦いはヴァルグランの完全勝利に終わる。



 このエピソードの位置:シャルセアとラウンドベルクの戦いが終わり、ついにあの2人が動き出す。

 

 

 

〜ルヴェリー〜


 えっ!ウソでしょ。真っ暗な洞窟を疾走するマリーさん。


 恐らく視覚強化か、私のように周囲に微弱な魔力を飛ばしてその反射を拾っているのだろうと思うけど、あまりに早くついていくのがやっと。



挿絵(By みてみん)



 今も、紫色の稲妻を放つ熊の脇に入り手刀を打ち込み、心臓を一撃。そのまま走り続ける。


 一応、私がいる事は解っていて合わせてくれているのは解る。でも、なにこれ。どんな修行?


 少しでも気を抜くと置いていかれる速度。速度に慣れると少しずつスピードが上がる。1時間毎に休憩を挟むがほぼノンストップ。食事も走りながら取る。


 目の前に薄明かりが飛び込む。岩山の中腹辺りにある洞窟の出口。


 息を整えて、眼下の森を眺めるマリーさんの側に駆け寄る。


 「みじか〜い、つ〜しん、だ〜れ?」


 不意の申し出。ヴァルグランに連絡できる?軍に連絡でき、こちらの事情をすぐに理解できる人物。1人しかいない。


 「グライシアでお願いします。その次、通信できるのはいつくらいですか?」


 恐らく困難極まる試みなのであろう。私の見立てではヴァルグランまで2カ月くらいの位置だと予想している。北方の険しい山脈で大森林という地形から推測して北の大地の外れに今いる。


 グライシアなら次の連絡を待つはずだから、ある程度の情報があれば、彼女なら理解できるはず。


 「ふつか〜」


 思っていたよりはヴァルグランに近いのかな?


 想定よりも短い。マリア師匠、いいえ、建国から見守る大賢者の見立てが間違えるはずがない。


 「解りました。よろしくお願いします。」


 マリーさんに目配せをし、通信に備える。

繋がった。


「グライシア。聞こえる?私よルヴェリーよ」


 親友に語りかける。


 「ルヴェリー生きてたの?」


 久しぶりの親友の声。たくさん話したい。だが短いと言っていた。師匠は恐ろしい程の現実主義、できることしか言わない。だから、手早く最小限に済ませる。


 「うん、助けてもらったの。申し訳ないけど今からの通信、アーカイブで残して」


 記録で残しておけばグライシアの手間が省ける。


 「OK」


 流石、頭の回転が速くて助かる。私も手早くまとめて。



挿絵(By みてみん)



 「魔導鎧3番隊隊長ルヴェリーです。この度の詳細報告は原隊復帰後行います。現状、協力者の救援によりルヴェリー負傷なく生存であります。この通信をもちまして、原隊復帰まで無期限の休暇申請とさせて頂き、隊長権限全てを副長に移行を願います。北方より明日から帰還に向けて行動を開始いたします。魔導鎧等の破損についても原隊復帰後報告させていただきます。回線不調と民間の回線からですので返信不要です。以上報告まで。Ok切って」


 一通り必要な事は伝えた。


 「生きてて良かった。次はいつ話せる?」


 たくさん話したいけど我慢。


 「2日後くらい。遠すぎるの。また連絡する。ありがとうベストフレンド」


 本当に最高の友達だ。


 2日後短い会話で、シャルセアとラウンドベルクでの戦いを知る。フォーナさんの言ってた幼なじみ。許せないが彼女の責任ではない。マリーさんも誰かに聞いたらしく複雑な顔をしていた。


 明日にはヴァルグラン領に入れるらしい。


 マリーさんの見立ては正しかった。確かにそれほど遠くない。マリーさんの視点では……


 私は、崖から滑空、木の枝を魔力で強化して足場としてジャンプ。その繰り返しで疾走するなんて思わなかった。ついていけた自分を褒めたい。


 正確には解らないけど徒歩なら1ヶ月くらいかかりそうな距離を3日間で駆け抜けた。人間やればできるのね。

 



〜マリア0.5〜




 静寂の中に響く甲高い何か。



挿絵(By みてみん)




 私は笑い声ですら誰にも理解されない。


 生まれたときからそうだった。両親ですら薄気味悪いと蔑まれ、ろくに世話もされなかった。


 残飯をあさり、食いつなぐ毎日。


 2才の時、冒険者が身体強化と炎弾の魔力回路を構築するのを見た。真似た。


 3才の時魔力回路の深淵を覗けるようになった。


 6才の時町外れの廃屋に一人で住み魔法陣を書いた石を売り生計を立てた。


 相変わらず私の言葉は通じない。安く買いたたかれても、ただ生きた。


 18年よく生きてこれた。


 でも、今にして思う。なんで生きていたのだろう?


 はじめからこうすればよかったんだ。


 街は死に支配された。死の病が拡がり瞬く間にドス黒い死体が横たわる。漁るネズミも骸となり、蝿や蛆ですら息絶えた。


 動くものは私だけ。


 さぁ、死を届けよう。そして、すべていなくなった後、私もきっとなくなることができる。


 いらない私がなくなるのはそれしか方法がないの。解ってくれる人なんか、存在すらしない。だから私は全てを。


 否定してやる。



挿絵(By みてみん)



 「お~い、物騒だぞ」


 私以外が死に絶えたこの街に声なんか聞こえるはずがない。


 「お前、耳聞こえてるんだろ?俺はここにいるぞ」


 目の前の男の人は、何を言ってるの?


 「お前さ〜言葉通じね〜とか孤独みたいなこと言ってるけどさ。通じてるよ」


 へっ?嘘?解ってるの?


 「うん」


 かるっ


 「お前さん、辛かったな。俺とは比べものになんね〜かも知らねけどさ。俺もさ全てに絶望したことあんだぜ。もう誰も彼も信じられね〜ってなってさ。優しくしてくれる人も絶対信じられない。死んじまえって思ってた」


 えっ、同じ気持ち?死んじゃえって………


 「その時さ、一人だけ俺を全力で引き止めてくれた人がいるんだ。恥ずかしいぐらい自分を晒し、一緒に笑い、泣いてくれた」


 一緒に?えっ一緒?


 「ハガネ。これが俺の名だ。この名は俺の中で今は受け止められない。どう言っていいか、わからねーけど黒くて人には見せられない、今の俺の持っているものの中で恥ずかしいものだ。これをお前に預ける。上手くいえねーけどお前を信じてるって意味だ」


 温かい。私はこの人と一緒にいたい。


 「お前、名前は」


 私は、両親から名をもらってない。怪物として生きてきた。


 「そっか、んじゃ『マリア』なんてどうだ?俺史上最高の妹っぽい名前だ」


 マリア


 妹


 家族になってくれるの?


 「嫌か?」


 嫌じゃない。ありがとうハガネ。


 「あいよ。仲間紹介すっから、その死の力封じていいか?」


 えっ?できるの?


 「うん、だって俺、神だし」


 神?私、神の家族になったの?


 「そうだぜ。マリアみたいに虐げられるやつのいない笑顔の国を興す神とその仲間たちに入ってくれるよな。マリア」


 うん、ハガネと仲間たち。私も仲間。


 「ハガネ呼びは二人の時だけな。いつもは名を忘れられた漢って名乗ってる」


 わかった。でも変な名前。


 「この厨二魂がわからんとは。まぁいい。封印終了っと。行くぞ。仲間を紹介する」


 私は生まれた。ハガネの家族。マリア。



挿絵(By みてみん)



 ハガネの超翻訳の権能によりヴァル、エクセとも問題なく会話できて仲良くなれた。


 中でもヘルガとは大の仲良し


 「妾はお主を本当の家族と思っておる」


 いい匂いがする。ハガネと同じ匂い。ヘルガは、ハガネみたいにチャランポランじゃない。しっかり優しくも厳しい頼りがいがある。私の大切なお姉さん。


 あれ?夢か


 久しぶりに見たな、ハガネの夢。


 この間、フォーナの話でハガネのこと思い出したからかな?


 ヘルガに会いたいな。今は2人きりの家族。ハガネがいなくなって、私のほうが姐御なんてよばれるようになったけど、やっぱりヘルガは私のお姉さん。


 もうすぐ通信圏内だ。久々にハガネのことを話そう。まぁその前にあの子にしっかり、たっぷり叱られないとね。


 

 ルヴェリーから見ても本人視点でも、今回は、マリアがいかに常識を解っていないか示して見ました。一見は大人なんですよ。その実は変人です。


 でも、いい子でしょ。この子は異常ですが、ハガネのおかげで人でいられます。この回でなんで異常なのか少し感じてもらえて、それでもなお、愛着を感じてもらえたら、私はこの子を産んだ事を誇りに思えると思います。


 本当に思い通りに進まないものですね。私の予定では砦まで着くはずでした。


 次回、ショートショートにするか迷っています。ショートショートなら、砦で副長にあう話と、マリアの王都への帰還、ルヴェリーと砦の人々になります。


 普通であれば、機械仕掛けの斧の試練になります。


 どっちになるかな?


 お楽しみに


 全然違う話になったら、その時はマジで褒めてくださいw


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