シーラ3
DaysAIで作成したイラストに妄想ストーリーをつけ、物語になりました。
小説を書くのは初めてですので、見苦しい表現もあるかと思いますがご容赦ください。
残酷な描写は、なるべく避けますが、戦闘や戦争を扱っていますので、苦手な方はご遠慮ください。
文中の挿絵の著作はjettsにありますので無断転載はご遠慮ください。
ゲストのイラストも無断転載はお断り致します。
投稿時間
本編 水、日の朝7時投稿です。
大図書館 不定期更新中
鉄塊の国を支えるAI先生〜鉄塊の国実験スピンオフ〜 不定期更新中
鉄塊シリーズに新たな試みが出来ました。
よろしければ、お暇つぶしにどうぞ。
鉄塊の国
一本の鉄塊が国を興した。
歴史は綴られる。
『鉄塊の国』時間軸ガイド
一本の鉄塊が国を興した――ヴァルグランの歴史を紐解く!
約132年前:神々の旅開始
「名を忘れられた漢」(神)が祈りの聖女、鉄塊の王、大賢者、メカムスメ、名も無い暗殺者と建国の旅を開始。信玄の戦訓で希望を灯す!
約129年前:ヴァルグラン建国
一本の鉄塊からヴァルグランが誕生。魔導鎧と絆で繁栄へ。
現在:龍獣統一軍との戦い
龍鬼神シュタルクの侵略に立ち向かう!
リヴァール砦防衛戦(ep.1〜6):ルヴェリーとマリーの絆、ヘルガの暗殺で防衛成功。
シャルセア防衛戦(ep.7〜11、17):グライシアの「乾坤一擲」、ルーの神速、シャルフの「射抜かれた道」で民間人被害ゼロの奇跡。
ラウンドベルク攻防戦(ep.12〜19~):シーラの「リヒトヴァルグラン」起動、ヘルガの「隷属」、ゼーエンの諜報で4万の敵に立ち向かう。
このエピソードの位置:第二章終盤!
シーラとリヒトヴァルグランがシュタルク率いる4万の敵を討つ。戦略と絆で4万の敵に挑む!
勝利を掴み取れ!
運命の日。
早朝からラウンドベルク東門に一人立っている。情報が入っている2キロ先のあたりを睨みながら思案にふける。
すべての可能性を考えて、漏れのないように作戦を2千手考え、そこからの派生も考えていく。私の能力は全ての装備を扱えると思われがちだが、実は能力名を『最適化』と言う。
私は何かをなす時、一番最適な状態を保つことができる。
今、戦術とこれからのことに最適化されているのでキレッキレッの頭の回転でこれからを考えており、家臣にも共有している。
皆、初めて私の能力の本質を知り驚愕と尊敬を持ってくれており、素直に受け入れてくれている。
今まで、この事を伝えれると嘘つき呼ばわりや畏怖しか無かった。この様に肯定されていることに感謝が止まらない。
私の判断が、ヴァルグランの命運を左右することの重圧に押し潰されそうになるのを気力で持ち堪える。
「ヘルガ、聞こえる?」
弱気になった、心を年長者に吐露する。
皆が同調を閉じ、アインを通じているが2人の時間を作ってくれる。
「怖い。全てを決定しうる私が失敗する未来が怖い」
直球。思ったままの言葉。
「安心しろ小娘。御主の失敗なぞ妾がいくらでも挽回する。自信を持つのじゃ。御前様ならばできるのじゃ」
ヘルガの言葉が、ストンと心に落ちる。
失敗なんて、みんながどうとでもしてくれるんだ。
私は私の役割をすればいいんだ。
御前様なんて言われたの初めて。なんか特別感を感じる。
心が軽くなり、ひっそりと聞いているみんなにありがとう。そう心からの感謝を送り、王様モードに戻る。
「総員、直前まで休め。命令だ。ヴァルグランの明日を掴み取る戦いは万全を期して備えよ
」
全員の肯定と私への声援が心地良い。肩の力を抜き、その時を待つ。
ついに、その時が来る。
「人間どもよ。恐怖するが良い。我が名はシュタルク ドラッヘ。この地を取り戻さんとするもの。我々から卑怯にも取り上げたこの地を返してもらうため4万の龍獣統一軍を率いるものだ。絶望に身を焦がせば良い」
龍鬼人がラウンドベルクの上空に大きく映し出され、ヴァルグラン国民に恐怖を植え付けるべく開戦を宣言する。
それを遮るように、周辺10キロに私の声を届ける。
「笑止!たかが蜥蜴が何を吠える。我が名は冒険王 シーラ。ヴァルグランを統べるもの。ヴァルグランの力目に焼け付けよ。」
轟く声。私は手を挙げ祝福に満ちた言葉を紡ぐ。
「こい!リヒトヴァルグラン!お前の勇姿を示せ!」
青空だった空が突然、雷雲に包まれて雲の間から、まるで王城が動き出したかのような大きさの飛行物体が現れる。
大きな翼と猛禽類を思わせる大きなクチバシを持つ魔導の粋を極めた巨竜を超える大きさの魔導鎧。
全てを圧倒する巨体が私の真上に現れ、不意に変形を始める。巨体の半分あたりからぐるりと回転する。頭上に掲げた2発のブースターを迅雷のごとく振り下ろし、炎が拳にかわり腕としての機能を示す。翼であったものが異様な大きさの肩となり凄まじい力と光を発する。巨大な人型が現れ、私の後ろにおりてくる。
額から光が灯り、私を包む。光に導かれ額に入り一体化する。
「風林火山陰雷!ヴァルグラン戦訓6か条を体現せし我が身。リヒトヴァルグラン見参。頭が高いひれ伏せ!」
リヒトヴァルグランに伝えられた口上を述べ充分に敵を煽る。
「くっ!たかが木偶の坊1体で意気がるな。出でよ!わが軍勢」
圧倒的な魔力の奔流。マリアにも迫る魔力量!想像以上。だが手は打ってある。
前方東門前に巨竜10頭、竜人5,000体
下位竜人15,000体
北にエルフォング2,000頭 ウォルグ5,000頭
南に溶岩蠍10,000体
西に巨竜5頭 下位竜9,000頭
解析どおりの配置。
リヒトヴァルグランが、片手を挙げバチンッと指を鳴らす。
現れた軍勢は膝をつき、苦しむ。蠍はへたばり、竜は地に伏せ、魔獣の四肢を折る。
「なんだと!」
目を見開き驚愕するシュタルク。
影技隊とショーちゃんの合作!
『5分間しびれちゃう妨害陣』
もちろん指パッチンはブラフ!
でも、効果抜群!
「詠唱も陣もなしに、この数を無力化だと!」
派手に、勘違いしてくれる。
畳み掛ける。
リヒトヴァルグランが唸りをあげ、ヴァルグランの魂。紅い光の柱が天を切り裂く。
それに応え、北と南に1本ずつ、西に2本紅き光が天を染め上げる。
魔獣や竜の悲鳴、断末魔が轟く。
「何が起こっている?」
シュタルクの困惑の呟き。
北では、殺戮の暴風が吹き荒れる。
南では、一匹の野獣が飴細工を壊すのかの、ごとく蠍の鋼鉄並の外骨格を砕く。
西では、竜の腹に大穴を穿つケダモノと、32体の死の使いを従えた、死の妖精が下位竜の眉間を射抜いて回る。
通常の5倍の出力で稼働する魔導鎧と、私の最適化が付与された4人の前では、たかだか1万ぐらいの兵力など紙も同然。
ものの数分も持たないだろう。
さて、こちらも行く。
「祝詞奏上!」
「神祝詞超振動!!」
烈波の気合とともに必滅の技を繰り出す。
両肩が唸りをあげ、甲高い神の歌を奏でる。
質量を持つ、神の歌。それが、眼前の竜人たちのもとに迫る。
「いかん!」
危険を察知したシュタルクが巨竜の後ろに隠れ、防御の魔力回路を緊急展開する。
吹き荒れた無慈悲な必滅の神歌。
触れられたものは分解され砂となる。
竜人だったもの、巨竜だったものは大きな砂の山になる。唯一人、ボロボロになり防御結界に守られたシュタルク。
左手を伸ばし、弓を展開。右手で矢を継がえ撃つ。必殺の矢が届く前にシュタルクは何かを掲げ姿が消えた。空間跳躍だ。
右手を高々と挙げ、勝鬨をあげる。
息を潜めていたラウンドベルクの住民の割れんばかりの勝鬨!
同調している全員からの心からの称賛と叫び。
「皆のヴァルグランを思う絆の勝利だ。残党を片付け、宴の準備だ!」
ラウンドベルクと、同調している皆が再度の勝鬨をあげる。その声を聞きながら同調を遮断する。ガチガチと歯が鳴る。
肩を抱き寄せ、小刻みに震える身体を必死に押さえる。
私の前にはリヒトヴァルグランのコクピットがある。そこらじゅうに焼き切れた魔力回路が灯りをなくしブスブスと魔力の残滓を放っている。ただ2つ最適化と魔導鎧にリミッター解除を強いる回路だけかろうじて生きている。もう何分も持たないが、残党狩りくらいならもつだろう。
これが、リヒトヴァルグランの正体。一度しか使えない強力過ぎる魔力回路を無理やり大型魔力炉で起動させる。一度戦えば半年は修復できないハリボテ。
今回は勝った。無傷の快勝に見えるが実のところはギリギリ。薄氷を踏むような勝利。
ヘルガは魔力枯渇により体力と魂に、かなりの深手を負ってしばらくは作戦行動などできない。ショーちゃんも明るく振る舞っているが、立っているのも限界。ロンちゃんも同じ様に魔力を絞り出し、リヒトヴァルグランを送り出して倒れている。
神々が、限界まで力を出し切っての勝利。
次はどうなる?
恐怖に支配される。
「御前様。よくやったのじゃ」
声のした方を見ると、いつからいたのか、
ヘルガが魔力回路に腰掛け、手を広げ微笑みかけてくれる。
「ごわがっだよぉおー」
ヘルガの胸に飛び込む。
「よしよし、よーやった。エライエライ。次など気にするな。また妾達が御前様を支える。御前様はなすべきことをすれば良い。それ以上でもそれ以下でも無しなのじゃ」
恐怖と不安が溶けていく。
震えが止まる。
暖かい。
眠気が襲う。
「眠るが良い、主殿と妾の血を受け継ぐものよ」
ヘルガの声が聞こえたような気がした。
どう?
ねぇどう?
今回も皆さんの反応にドキドキしてます。
確実に、これが私の書きたい小説です。
好きなキャラをとことんまで追い詰めるスタイル。一応付け加えると、最後のセリフはシーラには届いていません。ヘルガはちゃんと意識がなくなってから言ってます。
こんな爆弾知ったらシーラ潰れちゃう。それを知っているからヘルガも明かすつもりありません。
実は今までに出たキャラでもう一人、主殿とヘルガの血を受け継ぐものがいます。ヘルガは、主殿との間に男女の双子を授かっています。シーラは女の子の方の血統です。もう一人は男の子の方の血統です。
ヘルガは、血筋全員知っていますが誰にも言っていません。無用な運命を与えたくないからです。
とまぁ爆弾を落として読者さんにも、モヤモヤをプレゼント。誰かな〜って妄想してみてください。
コメントでモヤモヤしたーってお怒り待ってます。
それでは、次回は初試み、ショートショートで、ラウンドベルク戦の他のキャラの視点で、シーラ3を補完していきます。
お楽しみに
龍鬼人『シュタルク・ドラッヘ』
甚大な魔力と強靭な肉体を持つ龍鬼人族の中でも秀でた知力を持つ、シュタルク。 優れているが個体数の少なさから人間の領域を侵略するに至らない現在の状況を覆すべく、魔物の使役術を確立する。
魔物を統率し人間の領域に侵略を開始する。
過酷な環境に追いやられた同胞に肥沃な大地を与えるために。
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