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鉄塊の国 ~魔導鎧と絆の戦訓、笑顔と涙の群像詩~  作者: jetts
第二章 龍獣統一軍

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ヘルガ6

 DaysAIで作成したイラストに妄想ストーリーをつけ、物語になりました。

 小説を書くのは初めてですので、見苦しい表現もあるかと思いますがご容赦ください。

 残酷な描写は、なるべく避けますが、戦闘や戦争を扱っていますので、苦手な方はご遠慮ください。

 文中の挿絵の著作はjettsにありますので無断転載はご遠慮ください。


 ゲストのイラストも無断転載はお断り致します。


 投稿時間


 本編 水、日の朝7時投稿です。


 大図書館 不定期更新中

 

        鉄塊の国

挿絵(By みてみん)


 一本の鉄塊が国を興した。

 歴史は綴られる。


 『鉄塊の国』時間軸ガイド


 一本の鉄塊が国を興した――ヴァルグランの歴史を紐解く!

 

 約132年前:神々の旅開始

「名を忘れられた漢」(神)が祈りの聖女、鉄塊の王、大賢者、メカムスメ、名も無い暗殺者と建国の旅を開始。信玄の戦訓で希望を灯す!


 約129年前:ヴァルグラン建国

一本の鉄塊からヴァルグランが誕生。魔導鎧と絆で繁栄へ。


 現在:龍獣統一軍との戦い

龍鬼神シュタルクの侵略に立ち向かう!

リヴァール砦防衛戦(ep.1〜6):ルヴェリーとマリーの絆、ヘルガの暗殺で防衛成功。


 シャルセア防衛戦(ep.7〜11、17):グライシアの「乾坤一擲」、ルーの神速、シャルフの「射抜かれた道」で民間人被害ゼロの奇跡。


 ラウンドベルク攻防戦(ep.12〜19~):シーラの「リヒトヴァルグラン」起動、ヘルガの「隷属」、ゼーエンの諜報で4万の敵に立ち向かう。



 このエピソードの位置:第二章中盤!ヘルガの暗躍がラウンドベルク戦の鍵を握る。戦略と絆で4万の敵に挑む布石!終幕!


 ソファーに横になりながら、目を閉じ魔力の回復を待つ。その間も部下たちは淡々と役割を果たしてくれている。


 ゼーエンも仮設の拠点にて、皆が配置している水入りの水晶を通して監視を開始している。


 日が変わるまでの間に、大体の情報が揃う。


 ラウンドベルクから3キロ離れてぐるりと何らかの魔力反応があり、何かしらの魔術的な仕掛けがなされている。


 さらに10匹一組の下位竜人と思しき者たちが、その魔力反応に干渉している。


 推測ならいくらでもできるが、今は確証と反撃の手段が必要。


 ゆっくりと立ち上がり、体の調子を確認する。無理がたたり自由に体は動かせない。普段の十分の一程度の身体能力。戦闘では足手まといになるレベル。


 だが、魔力は全快の3分の1程度までは回復。これからやらねばならない、魔導鎧の転移陣を書き始めるには、ギリギリ耐えうるレベル。回復しながら行えば今からまる4日あれば4体の転移は可能。


 鏡扉を通り、ラウンドベルク近くの簡易拠点にたどり着く。月明かりが拠点を照らしている。


 空には月はなく不自然な空間。影技隊には夜を味方にするものがおり、この周辺は彼女が支配している。余程、探知に長けたものがいない限り拠点がバレることはないだろう。


 簡易なテントがいくつか出来ており、メイド2人は、食事を用意して手の空いたものが休めるよう給仕している。


 ゼーエンはいつもの優雅なテーブルで、お茶をしながらノートに書き込みをしている。


 ゼーエンに近づくとオーベルが椅子を引き着席を促す。

 

 「ヘルガ姉様もうよろしいのですか?」


 ゼーエンが手を止め声をかけてくる。


 「皆が忙している中、いつまでもサボってはおられんじゃろ。さて、ある程度奴らの回路が判ってきた所で、ショーちゃんに分析を依頼せよ」

 

 ゼーエンのとなりで、リリーの持ってきたタマゴサンドを食べながら指示を出す。


 頷き、ゼーエンが作業を始める。ショーちゃんが同調に交じり、隊員の視覚、ゼーエンの水晶の映像を見て分析を始める。


 分析の結果が共有される。結果的に4万の軍勢がほぼ確実に現れる。


 今の時点で、全て壊し召喚を阻止することも可能であるが。


 「みんな、もっと細かい情報をちょうだい。分析して妨害する。せっかく向こうから来てくれるんだ、一網打尽にしたほうがいいでしょ?」


 ショーちゃんの明るい声が共有される。4万の怪物の軍隊に対して絶望ではない、希望を見い出す提案。


 「皆、聞いての通りじゃ、さらに情報を取る。ゼクス、ツヴァイは回復次第、一匹捕らえよ。ノイン捕らえたものの代わりに奴らのもとに入り情報収集。コミニケーションについてはショーちゃんサポートを」


 指示を聞きそれぞれの用意を行なう。


 「ドライツェーンはこちらの魔導鎧を呼ぶべき『綻び(ほころ)』を見つけよ。夜明けまでだ。見つけ次第、ショーちゃんに確認。承認が降り次第、妾が魔法陣を敷く」


 ドライツェーン。我が隊の切り札。彼の『綻び』はあるべき姿の、歪みのようなものを見つけ改変する力。その力は、弱点や核心を突く。今回は、4万対4の絶対的数の暴力に抗う致命的な場所に魔導鎧を仕込む。失敗は許されない。そのための切り札。


 彼は頷き闇に消える。その目で『綻び』を見つける為に。

 

 「他の者はサポート及び今までどおり情報を取れ。では各自散開!」


 それぞれに同意の意思を残し散っていく。頼もしい部下に育った。

 

 ちょっと糸で、がんじがらめにして谷底に突き落としたり、竜の巣に入れて倒すまで出てこれないようにしたりの軽い特訓で泣き喚いていた者たちとは、思えぬ育ち方で妾は鼻が高いのじゃ。


 ほどなく、ショーちゃんから初めの魔法陣の位置の連絡が来る。ドライツェーンは引き続き候補を探しているとのこと。無理はしないでくれよ。


 『綻び』は反動も大きい。この時間での発見は、かなり無理したはずだ。休むよう言いたいところだが、時間がないのも事実。見守るのも指揮官の仕事じゃ。


 ヤキモキしながらも、指定された場所にいる影技隊の視覚を頼りに魔法陣の作成に入る。夜明け前。時間はギリギリ。間に合ってくれ。


 夜が明け、奴らは動きを潜めた。こちらは身を隠せるものを中心に昨夜、奴らの作業をしていたところを重点的にショーちゃんへ映像を送っていく。


 休める隊員は仮眠して夜に備える。ゼーエンは、解析データーを送っている。無理をかけるが、朝一の円卓会議で、ある程度の説明をする根拠がほしい。

 

 円卓会議の様子は気になるが、魔法陣構築を優先する。人の5倍ほどの質量を送るためには複雑な手順が要る。


 そうしていると、ノインから、とても複雑な心情が入り混じった思念が届く。


 「潜入完了です。竜人と人がついていますが、蜥蜴ですね。しばらく、生肉と虫食べます。ワタシ、オワル、アト、オイシイ、メシ、タベタイ」



挿絵(By みてみん)




 潜入のプロに育って、妾は嬉しい。帰ってきたら好物をいくらでも食べさせてやるからのう。


 ほぼ同時にツヴァイからも思念が届く。こちらは、全体的にドヤッというプラスの感情付き。


 「対象確保。尋問し情報確保の後、記憶改ざんしノインとの差し戻しを進言します。ドライの『変心(ココロガワリ)』の使用許可お願いします。」


 確かに、ノインにはなるべく早い原隊復帰が望まれるな。


 「許可する。しかし、尋問はショーちゃんと確認し、ドライの精神状況優先で行なうこと。」


 ドライの能力『変心(ココロガワリ)』は精神系最強。妾の隷属よりも汎用的であり、生物の意識を自在に操れるというもの。尋問も、記憶改ざんも自由自在。


 ただ強力すぎるがゆえに反動も大きく相手の感情や、精神力によってはドライにダメージがいくこともある。そのためいつもは妾が封印をかけてをおる。妾の許し無い時は、気を反らしたり、簡単な誘導程度しか使えないのじゃ。


 次の日には全ての情報が揃い、ノインは原隊復帰。時々カタコトになるのは彼女のプロ意識の無せるところじゃな。


 情報入手後は、ショーちゃんちゃんの解析も進み、術式の書き換えも急ピッチで進む。妾の魔法陣も着々と進み、綻びを大きくするための最大限の仕掛けを施していく。


 そして迎えたシャルセアの襲撃当日。アインとドライツェーンを連れて司令室代わりのテントにこもる。


 クリスメッサーに仕掛けた我が子からの念波をアイン、ドライツェーンと共有する。


 事前に聞いていた通りの大軍勢。


 下位竜3000頭、溶岩蠍3000体、巨竜1体


 通常であればシャルセアの100ちょっとの兵力では壊滅しかない。


 だが、クリスメッサーに侵入した我が子はクリスメッサーの目を通して撃ち落とされた巨竜を妾達に見せてくれる。


 水晶が太陽に照らされ獰猛な刃となりて半数近くの蠍と竜を撃ち落とす。

 

 圧巻なのじゃ。


 皆も全力で確実に敵を減らすが物量の差は歴然。ついに300もの蠍が市街に滑空。思わず切り札を切らんとする妾を制するドライツェーン。市民の犠牲が頭によぎる。


 グライシアもわかっている、今クリスメッサーが対空攻撃をやめれば壊滅。蠍を放っておけば市民に被害。切り札を切りたい。


 ドライツェーンを涙でにじんだ目でギロリと睨む。今その時でないのは分かるが、命が……


 とその時、クリスメッサーの通信に傭兵団「砂漠の疾風」団長のルーの口上が流れる。


 ドライツェーンを見ると優しく妾に


 「よく耐えて下さった。これで勝利への綻びが生まれました。」


 一瞬でもドライツェーンを疑った己を悔いる。


 「すまなかったのじゃ。この詫びはきっちりタイミングを合わせてみせることで取ろうぞ」


 市街戦は傭兵団が絶妙な地雷と圧倒的な特機型魔導鎧の活躍により市民の避難している区画への侵入を防ぐ。感嘆の声が出る。


 そして運命の時が訪れ、ドライツェーンの導きに妾は切り札を切る。


 その時、シャルセアに神風が吹く。


 「皆が信じてくれたからこその勝利だ!誇れ!お主らが掴み取ったのじゃ!」

 

 



 先ずは、日曜日やらかしたお話です。


 間違って水曜日投稿予定の原稿投稿!2話連投。楽しんでいただけたでしょうか?結果的には今日に間に合ったので結果オーライです。


 次は間違えない!


 反省終わりで、今回のヘルガいかがでしたか?


 私的には、1話で終わらせるつもりがどんどん膨らみ3話構成になるとは。

しかも、後編は大ボリュームになりました。でも出来は会心です。


 喜んでいただけるといいなって思います。


 さて、焦らしに焦らした、リヒトヴァルグランの登場です。


 鉄塊の国はこんなノリなんだーという回にしていきたいと思います。


 どうぞお楽しみに





 挿絵(By みてみん)



黒師直属兵影技隊『ドライ』


3番目を意味する隊員


彼女の能力は『変心』(こころがわり)


 生物の意識を意のままにできる力。あまりに強力な力のため、普段はヘルガによって封印され、意識をそらしたり、誘導する程度の力として扱っている。

 


 昼間の彼女はアンネ。

 名を忘れられた漢の神官。

 物憂げな表情が人気



励みになりますので、いいねや、コメントお待ちしております。Xも始めました。


https://x.com/obqQWbt7ty41243/status/1925022796591333709?t=n-sJgQrJ9lrUJnJDyqXiqg&s=19


 更新など呟いておりますのでよろしければ。

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