ヘルガ5
DaysAIで作成したイラストに妄想ストーリーをつけ、物語になりました。
小説を書くのは初めてですので、見苦しい表現もあるかと思いますがご容赦ください。
残酷な描写は、なるべく避けますが、戦闘や戦争を扱っていますので、苦手な方はご遠慮ください。
文中の挿絵の著作はjettsにありますので無断転載はご遠慮ください。
ゲストのイラストも無断転載はお断り致します。
投稿時間
本編 水、日の朝7時投稿です。
大図書館 不定期更新中
鉄塊の国
一本の鉄塊が国を興した。
歴史は綴られる。
『鉄塊の国』時間軸ガイド
一本の鉄塊が国を興した――ヴァルグランの歴史を紐解く!
約132年前:神々の旅開始
「名を忘れられた漢」(神)が祈りの聖女、鉄塊の王、大賢者、メカムスメ、名も無い暗殺者と建国の旅を開始。信玄の戦訓で希望を灯す!
約129年前:ヴァルグラン建国
一本の鉄塊からヴァルグランが誕生。魔導鎧と絆で繁栄へ。
現在:龍獣統一軍との戦い
龍鬼神シュタルクの侵略に立ち向かう!
リヴァール砦防衛戦(ep.1〜6):ルヴェリーとマリーの絆、ヘルガの暗殺で防衛成功。
シャルセア防衛戦(ep.7〜11、17):グライシアの「乾坤一擲」、ルーの神速、シャルフの「射抜かれた道」で民間人被害ゼロの奇跡。
ラウンドベルク攻防戦(ep.12〜19~):シーラの「リヒトヴァルグラン」起動、ヘルガの「隷属」、ゼーエンの諜報で4万の敵に立ち向かう。
このエピソードの位置:第二章中盤!ヘルガの暗躍がラウンドベルク戦の鍵を握る。戦略と絆で4万の敵に挑む布石!
風を切る音が甲高く聞こえ、周りの雲を蹴散らしながら東に向かう一陣の風。
ゼクスと視覚と色々同調をしてラウンドベルクに向かっている様子を見ている。
ゼクスの疲労と焦燥感を感じながらも、常に魔力を提供し、声援を送っている。
ゼクスの『疾風』の奥義は、台風を大きく超える風速。それは、大木すら吹き飛ばす。
その速度は馬で2日かかるところを1時間弱で到達する速さ。
奥義ゆえ消耗が激しく、短時間の使用しか、していないものを、ぶっつけで1時間行使させる。本来ならばやりたくはない。だが、可能性があるなら現実にさせる。ただそれだけじゃ。
同調は、効率が良いとは言えぬが魔力も相手に渡すことができる。妾ができることは魔力を渡し、声援を送り、ゼクスが成し遂げるのを待つ。歯がゆいが、とにかく信じる。
ゼクスに安堵の感情が芽生える。眼下にラウンドベルクの明かりが見える。
ラウンドベルクはヴァルグランの真ん中にある都市。規模で言えば王都の倍以上の都市で、ヴァルグランで一番活気があると言える。
周りは荒野で、岩や丘があり見通しが悪い。
龍獣統一軍は、その立地も解ったうえで4万もの召喚を行おうとしている。見通しの良い草原に囲まれた王都では都合が良くなかったのであろう。
そう考えているうち、ゼクスは3方を岩に囲まれた立地を発見し着地。一緒に巻き上げて持ってきた服や装備を引き寄せ、身を少しずつ実体化し服と装備を装着する。
四つん這いになり、ゼエゼエと息を吐くゼクス。ボタボタ流れ落ちる汗が疲労を物語る。
「ゼクスよ大義であった。視界を確保しつつ休憩せよ。またすぐ働いてもらう、その時動けぬ、とは言わせぬぞ」
ゼクスは頷き、よろよろと岩に近づき背中を岩に預けて体を休める。
やり遂げてくれた。さて次じゃ。
妾が言うまでもなく、ツヴァイは全身が映る、大きな姿見を持ち頷いてくる。
後ろにはゼーエンが同じ姿見の前で集中している。
「ツヴァイよ『瞬移』の力にてゼクスの見るラウンドベルクへ急げ!」
号令をかけ、ツヴァイにも全力で魔力を注ぐ。いつもの、距離ではない。通常なら50mほどの魔法陣と10人ほどの魔術師が一丸となり転移する距離だ。理屈では、移動可能だが現実に行うには代償が必要。
急激な倦怠感。膝をついて身体を楽にしたい。脂汗が滲む。だが、ここで弱き姿を皆に見せられない。凛と立ち平静を装う。
「現着です。ご支援ありがとうございます」
ツヴァイの報告。全てを出し切り、声を出すのも億劫な中礼を尽くす態度。つくづくヴァルグランの教育で個々への敬いが強く刻まれているかを感じる。
「無理をさせた。ゼクスと少しお茶でもしておれ、こっちは楽しくやる」
「承知」
ツヴァイは仰向けに転がる。戦士としては失格だが、今はすこしでもはやい回復を待つ。
今回の要であるゼーエンにパスは繋がった。作戦命令から1時間足らずでここまで来た。2日かかる場所への移動を0にする秘策中の秘策。
「ゼーエン!鏡扉を固定するのじゃ」
号令をかける。
ゼーエンのそばにはべレック、リリー、ユーリ、そして少し引いてオーベル。臨戦態勢で構える。鏡扉が開けば相互で行き来できる。向こうからこちらへも来れる。万が一賊が、来た場合の警戒だ。
ゼーエンが姿見に手をやり魔力を注ぐ。姿見は恐ろしい勢いで魔力を吸い上げていく。
「んっ」
ゼーエンの顔が真っ青を超え白く血の気が引いていく。
いかん。
「アイン、ゼーエンと繋げ。魔力を送る」
妾の叫びにアインが答える。
繋がった。
全力で、魔力を注ぐ。妾もゼクスと、ツヴァイに殆ど魔力を渡しているため限界も近いが、無理を通す。ここで、しくじったらヴァルグランの未来が閉ざされる。
お前様を失って、ヴァルグランまで失うなど妾には耐えられん。
限界を超える。魔力が足りない分は肉体と魂で補う。口から吐き出る血に驚き駆け寄ろうとするゼーエンを制し、鏡扉を指さす。
涙を流しながら、鏡扉に全集中するゼーエン。もうひと踏ん張りじゃ。
やがて、魔力の吸い上げが、緩やかになり仄かな光を放つ姿見。べレックが、飛び込み周囲の警戒にあたる。リリーとユーリは陣設営の道具を持ち簡易的なゼーエンの拠点を作りに行く。
アインは残る、影技隊を伴い手筈通りの偵察任務に入る。
残された、オーベルとゼーエンと妾。
血まみれになった床にペタンと座り込んだ妾をオーベルが優しく抱き起こし、ソファーに寝かしてくれる。
「ヘルガ姉様、なんて無茶を」
涙目のゼーエンが訴えてくる。
「ヴァルグランの未来を開くそれだけじゃ。安心せい、この程度想定内。これから本番じゃ、この程度で騒いでおったら4万の敵に踏みつぶされてしまうのじゃ」
しばし休んだら、次やることはてんこ盛りじゃ。
アインとの同調に意識を寄せ、現状の確認を行なう。ここはもう敵の腹のうち。妾達は4万の軍勢を食い破る小さな虫。
「獅子身中の虫の恐ろしさ身を持って知るが良い。龍獣統一軍とやら」
前回に続き、ヘルガと部下の暗躍です。
描いてるうちに気がつくとヘルガが熱血というか使命感の塊になってきました。元々お節介で、人のために悩むことのできるキャラでしたが、ここまでになるとは。
少し前からうすうすと感じていましたが、私の思い描いていた、ダークでコミカルな渋い脇役から、見事メインヒロインになってしまいました。
ですが群像劇ですので、いつ他のキャラが台頭するか分かりません。皆様も推しキャラがいたら、ビシバシコメント頂きたいです。
私のヘルガ愛を超えてみろっス!
では、サラリとこのお話は中編になったことをお伝えしてエピソード22 ヘルガ6 暗躍後編に続きます。
黒師直属兵影技隊『ドライツェーン』
13番目。最後を意味する隊員
彼の能力は『綻び』(ほころび)
彼の目にはいくつかの綻びが映る。
彼は綻びを拡げて成功への道を切り拓く。彼に出来ぬことは無い。
故に最後
彼が出たとき、相手は終わっている。
昼の彼はヨハン
どこにでもいる、孫を溺愛するおじいちゃん。
黒師直属兵影技隊『エルフ』
11番目を意味する隊員。
彼女の能力は『闇』
濃さ、色、質量を自在に変えられる闇を呼び出す。
視界を塞ぐ、切り裂く、圧殺する。彼女の自由。
昼間の彼女はエルマ。酒場で働いている陽気なウェイトレス。
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