ヘルガ4
DaysAIで作成したイラストに妄想ストーリーをつけ、物語になりました。
小説を書くのは初めてですので、見苦しい表現もあるかと思いますがご容赦ください。
残酷な描写は、なるべく避けますが、戦闘や戦争を扱っていますので、苦手な方はご遠慮ください。
文中の挿絵の著作はjettsにありますので無断転載はご遠慮ください。
ゲストのイラストも無断転載はお断り致します。
投稿時間
本編 水、日の朝7時投稿です。
大図書館 不定期更新中
鉄塊の国
一本の鉄塊が国を興した。
歴史は綴られる。
『鉄塊の国』時間軸ガイド
一本の鉄塊が国を興した――ヴァルグランの歴史を紐解く!
約132年前:神々の旅開始
「名を忘れられた漢」(神)が祈りの聖女、鉄塊の王、大賢者、メカムスメ、名も無い暗殺者と建国の旅を開始。信玄の戦訓で希望を灯す!
約129年前:ヴァルグラン建国
一本の鉄塊からヴァルグランが誕生。魔導鎧と絆で繁栄へ。
現在:龍獣統一軍との戦い
龍鬼神シュタルクの侵略に立ち向かう!
リヴァール砦防衛戦(ep.1〜6):ルヴェリーとマリーの絆、ヘルガの暗殺で防衛成功。
シャルセア防衛戦(ep.7〜11、17):グライシアの「乾坤一擲」、ルーの神速、シャルフの「射抜かれた道」で民間人被害ゼロの奇跡。
ラウンドベルク攻防戦(ep.12〜19~):シーラの「リヒトヴァルグラン」起動、ヘルガの「隷属」、ゼーエンの諜報で4万の敵に立ち向かう。
このエピソードの位置:第二章中盤!ヘルガの暗躍がラウンドベルク戦の鍵を握る。戦略と絆で4万の敵に挑む布石!
お茶会を終えた後、早速、手筈を整えるためアチシは行きつけのパン屋に行く。
アデレーネのパンと書かれたパン屋に入る。美味しそうな、なんとも言えない独特の香りが広がっている。
ゼーエンちゃんの好きそうな、パンを見繕う。店内は広くないが、多種類のパンがあり飽きが来ない。
「あらヘルガちゃん早めのお昼?隊長さんがいないからってサボちゃだめですよ」
金髪美人が声をかけてくる。アメリーさんといって一見平凡なパン屋のお姉さんっス。一見ね。
「今日は休みっスよ。夜は用事入っちゃたっスけど」
アメリーの眉が微かに上がる。
「そっか、私も用事なんだよ。そう言えば、最近あの人たちとは会ってるの?」
ん、伝わってるっスね。
「最近忙しくて連絡取れてないっス」
アチシは困った顔をする。
「そんなら私から連絡をしといてあげようか?」
明るく聞いてくる。
「わぁ~い、お願いするっス」
一連の会話はダーリンが諜報部はこうじゃなきゃいけないんだと力説した方法っス。
ヴァルグラン発足前から行われている符号で、今回は「夜に用事が入った」が緊急招集。
「最近あの人たちとは会ってるの?」は何人呼ぶか?
誰とも連絡とれていないので全員となる。といった具合。
まどろっこしいわ!
いや、つい本音が……ダーリンは譲ってくんなかったから、仕方なく使ってやってるんっスよ。
まぁ、なにはともあれ、緊急招集っス。
アチシはパンの代金を支払い、パン屋を後にする。軽く飲み物を露店で買って、ゼーエンちゃんの屋敷に向かう。
道すがら、覚えのある奇妙な感覚になる。
「緊急招集受け賜りました」
13人分の声というか思念が届く。
『同調』この能力は複数人と感覚などを共有する。今は思いや記憶の分野を共有している。力の強弱や対象は発動者の思い通り。今は強く思ったことだけ共有される。強くすれば記憶などもすべてさらけ出させる事もできる。
「夕刻アジトに集合する。戦闘ありの威力偵察にいく。各自準備を怠るな。妾の手足たる影技隊の力を見せるときぞ。」
「承知!」
全員の同意。
「今回の事を情報共有する。アインいくぞ」
今回に関する記憶を思い浮かべる。
皆から一瞬驚き、戸惑い、絶望の感情が流れてくる。その後希望と使命感に塗り替わる。
よく出来た者たちじゃ
「では後ほどなのじゃ」
感覚が戻る。あの者たちが妾の直属部隊『影技隊』13人からなる、能力者部隊。
同調の能力者『アイン』率いる精鋭である。
お芋のパンを口に頬張りながらゼーエンちゃんの屋敷に急ぐ。
目の端に諜報部の一人が目に入る。手間が省けそうっス。目配せで合図する。
あちらも気づき近づいてくる。
すれ違いざま、手に持った紙を渡す。
そのまま立ち去る。あちらも、自然に路地に消える。
べレック辺りに頼むつもりだったっスが、今回オーベルにも来てもらうっス。
出たとこ勝負になるが敵陣の真っ只中に、こちらも陣を張る。ゼーエンありきの作戦になるので守りは堅くしたいっス。鉄の城「オーベル アイゼン」がいれば任せられっス。
んー、ダーリンの作った諜報システムがまどろっこしいのに、優秀過ぎる。
きぃーーーなんか悔しいっス。国の礎をきっちり作って勝手に消えた薄情者の力に頼り切りなんて。
と、まぁ考えても仕方ない、使えるものは使ってやるっス。アチシをこんな軽薄者にした変態の残したものなど使いつぶしてやるっス。
そうこうする内、ゼーエンちゃんの屋敷につき。大きな声をあげる。
「ゼーエンちゃん!遊びましょうっス!」
扉が開き、べレックが整った所作で私の持つパン袋をリリーに預け、優雅にエスコートしてくれる。
うん、アチシにはダーリンの暑苦しいテンションのが合ってる。嫌いじゃないけど、イケメンで出来すぎるんっスよ。
奥に進み、ゼーエンちゃんの部屋に着くと扉がガチャリと開きゼーエンちゃんが飛び出してくる。避けたらグシャってなるし、受け止めたほうがいいのか?と思っていると、べレックがゼーエンちゃんの腰辺りと肩を抱き、くるくるっと遠心力をつけてぽーいと投げる。
良いのか?執事と思っているとユーリが武動師の技を使って手を使わず、空中で受け止めて椅子にスポンと座らせる。
きょとんとしているゼーエンちゃんに、べレックが
「ヘルガ様もびっくりしてしまいます。エレガントに参りましょう」
ん~強引にもほどがあるが、この執事とメイド凄いっスね。まぁ驚いてばかりじゃ時間なくなるので用事をまとめる。
「夕方、アジトに影技隊を集めたっス。もう決定事項なのだけど、夜からラウンドベルクに行き、相手の策を見破り、可能であれば妨害を行なうっス。」
「水鏡から、ゼーエン、べレック、ユーリ、リリーの4名の作戦参加を要請しま……」
「行きます!」
あちしの「っス」を遮ってまで食い気味のゼーエンちゃんの返事。ハァハァ言ってるけど大丈夫っスか?
「行きます。行かせてください。行くときです!」
「落ち着くっス。慌てんなっス。ゼーエンちゃん頼みの作戦っスから、こちらからウェルカムっすよ」
ゼーエンちゃんを落ち着かせ、本来ならば2日程かかるラウンドベルクに今日の夜つく作戦を話す。
「そんな能力の使い方出来るのですか?」
ゼーエンちゃんがびっくりしている。まぁ無理もない。能力を組み合わせるというのはあまり一般的ではないっス。ダーリンが、コンボと言ってよく組み合わせていたのを思い出して、してみたら出来た、偶然の産物だったりするっス。
その後、いくつか話をして装備を整えるため一時帰宅。
着替えや何日か帰らなくても平気な準備を手早く行なう。
夜の帳が降りようとしている。妾は身を翻し
アジトに向けて宙を舞った。
アジトには、黒フードの男女13人が片ひざを付き、頭を下げている。
その横には、オーベルを含む水鏡の5人が、綺麗にお辞儀をしている。
その前に立ち号令を発する。
「総員傾聴! 我がヴァルグランは、龍獣統一軍という脅威にさらされている。5日後4万の魔獣、竜の脅威がラウンドベルクを蹂躙する。」
皆に緊張が走る。
「それを阻止する足がかりが我々である。いち早く現地入りし、4万の軍勢を呼び出すカラクリを暴く。」
皆が頷く。
「ゼクス!お前は、『疾風』を解放しラウンドベルクへ急げ。アイン、ツヴァイと同調し次なる段階の礎とする。行け!」
妾の号令と同時に、ゼクスの姿が消え彼女のマントや装備が風にあおられ宙に浮く。
『疾風』身を風にする力。一部を風にすれば刃や盾に、全身を変えれば高速移動が可能。台風並みの速さは、馬の最高速度の2倍以上で休みなしに進めること考えると馬の2日分を1時間で移動できる。
ゼクスは窓から飛び立った。
「アイン、ツヴァイ!ゼクスから同調にて連絡きしだいゼクスと視覚共有。ツヴァイの『瞬移』にて大型鏡を搬送。すぐにゼーエンは鏡扉の固定。拠点防衛はオーベルに任せる。べレックは周辺の威力偵察。殲滅はせずオーベルに任せろ。リリー、ユーリはゼーエンの守護と世話、スコーンは4時間に3つまでだ。他はいつもぐらいでいい」
ツヴァイの能力は『瞬移』視覚した所に移動できる力。真骨頂は、同調で視覚を共有したところにも行けるということ。ゼクスがラウンドベルクにつくのが1時間後位。その視覚に映る場所にツヴァイが鏡を持って移動。ゼーエンが鏡の扉を開くとラウンドベルクと王都の直行便の出来上がり。もし相手の手に渡ったら一大事なので、特級戦力で固めこちらだけ戦力が送れるようにする。
これが、コンボ!能力の重ね技。愛する主殿の御知恵なのじゃ。
皆、頷いたあと忙しなく動き出す。
「他の者は雑談と情報交換。作戦開始に備えるのじゃ」
全て言い終え
「寝る間もないが、充分に休める時は休み一人たりとも欠けるでないぞ」
皆の肯定の声が心地よい。
主殿、お主は作り上げた。本当に自分たちの居場所を守る軍隊を………
皆に見えぬところで目から水を流すのを堪えて、未曾有の危機に立ち向かう決意を新たにした。
いかがででしたか?
今回のヘルガは前編。次回は後編となります。
ラウンドベルクの戦いを左右する暗躍。影技隊の個も強いが、隊としてのシナジーをお伝えできればと思います。
読んでくださる皆様に支えられ、先ずは20話に到着です。
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更新など呟いておりますのでよろしければ。
黒師直属兵影技隊『アイン』
1番目を意味する隊長。
彼の能力は『同調』
他人と意識を共有する。
伝達や指示に特化しており、いつも冷静な司令官。
奥の手として相手に13人分の意識を相手に押し付けて脳をショートさせる。
昼の彼は、女の子に間違われる度にブチ切れる学生。エリーアス。
黒師直属兵影技隊『ゼクス』
6番目を意味する隊員
彼女の能力は『疾風』
自らの体を風に変換できる。部分的に変えて武器にしたり、高速移動したり、応用力に飛んでいる。
昼間の彼女はブリギッタ
風来坊
黒師直属兵影技隊『ノイン』
9番目を意味する隊員
彼女の能力は『誤認識』
相手は彼女を友人や同僚にしか感じ得ない。彼女にとって、敵陣は鍵のない金庫のようなもの
昼間の彼女はアメリー。
パン屋の看板娘
明るい笑顔が評判になっている。
黒師直属兵影技隊『ツヴァイ』
2番目を意味する隊員
彼女の能力は『瞬移』(またたき)
目で視認できる場所なら瞬時に移動できる。
アインの同調と組み合わせれば隊員の見ている場所に自由に行き来できる。
アインとは双子の兄弟
昼間の姿は金物屋の住み込みバイトのエラ
まめな更新と、レアな文字列の為かグーグル検索上位独占です。あるワードいれるとムフフもあるよ。ご興味あれば自己責任でご覧ください。裏設定満載ですが………引かれてしまう自信しかない……




