シーラ2
DaysAIで作成したイラストに妄想ストーリーをつけ、物語になりました。
小説を書くのは初めてですので、見苦しい表現もあるかと思いますがご容赦ください。
残酷な描写は、なるべく避けますが、戦闘や戦争を扱っていますので、苦手な方はご遠慮ください。
文中の挿絵の著作はjettsにありますので無断転載はご遠慮ください。
ゲストのイラストも無断転載はお断り致します。
投稿時間
本編 水、日の朝7時投稿です。
大図書館 月、土の朝7時投稿です
鉄塊の国
一本の鉄塊が国を興した。
歴史は綴られる。
気まずい。皆の視線が痛い。
あの後、イーリスの心臓マッサージによりゼーエンの止まった心臓は無事、鼓動を再開した。
ロン………マリアの回復魔術によりすっかり治り、今はお着替え中の待ち時間。
「シーちゃんさぁ、滾る気持ちは解るし、ボクもオコだよ。でもさ、熱くなったら、できることも出来ないじゃん。自分を律すること学ぼう」
ショーちゃんが諭してくれる。
「ホントならヘルガさん辺りの役目だけど、この場じゃボクぐらいしか、言えないだろうから伝えておくよ」
幼く見える女の子から諭される国王。皆にはちゃんと伝えておこう。
「知っている者もいるが、説明しておくとショーちゃんは、建国前から悠久の時を見てきたヴァルグラン知識の神よ」
知識欲の塊であるヴェルカーとイーリスは、大図書館で入り浸っているときショーちゃんと話してて、自然と友達になってたから当然知ってるので驚かない。おなじくロンちゃんも実は魔術の神、なんて呼ばれる存在なのでウンウンと頷いてる。
しかし、他の皆んなは、えーっと悲鳴をあげて頭を下げる。
「あっいいのいいの。そういうのいいから。ヴァルグランで神って言われてるけど、ちょっと長生きで、目で見たことを全て覚えてるだけだから、戦ったら負けちゃうよ」
皆は恐る恐る顔を上げる。
「何とお呼びすればよろしいでしょうか?」
ベルクがおずおずとショーちゃんに聞く。
「気軽に呼び捨てでショーちゃんでいいよ」
イーリスが補足する。
「ヴァルグランの神々は民を守ってそばにいてくれるんだ。敬うことは悪くないけど普通でいいんだよ」
ショーちゃんもウンウンと頷く。
皆が少し落ち着いたところにゼーエンが少し顔色悪そうに帰ってくる。
いの一番に、ゼーエンに頭を下げる。
「謝らないでください。シーラ殿下。殿下と同じ気持ちです。奴らに一発かましましょう」
ゼーエンは微笑みながらもはっきりとした闘志を宿した目で私を見て、力強い言葉を返してくれる。
「皆、お待たせした。ここから先はゼーエンに、判っているかぎりのラウンドベルクの郊外の様子を話してもらう。」
ゼーエンに続きをお願いする。
「それでは、我隊とヘルガ様の行っている現状をお伝えします。」
ゼーエンが、今わかっていること話していく。
「昨日の夜半から、ラウンドベルクの周辺の荒野にヘルガ姉様と直属部隊の影技隊が出向き、威力偵察を行いました。」
早速ヘルガは動いてくれている。前回は虫騒ぎがあり、念の為、要人警護でさいていた影技隊も動員しての威力偵察。
ヴァルグランの部隊は数あれど、精鋭中の精鋭。まさに一騎当千の13名からなる部隊で、全員隠密系の能力者な上、ヘルガ直々のブートキャンプをくぐり抜けた超人たちである。
「偵察結果をショーちゃんさんに調べていただいたところ、ウォルドラッヘという下位の竜人達が古代に栄えた獣王族が使っていた、自然地形に魔力陣というものを刻み転移や召喚を行なう、我々で言う巨大魔法陣を作っているとのことです。」
皆が息を呑む。転移に召喚。規模の大きさが分かる。
「ヘルガの姉さんなら皆殺しにできんじゃね〜の?」
ガインがつぶやく。
「はい、可能です。しかし、ここで本体を叩かないと、また何処かに現れるでしょう?今回、全ての企みが暴かれたのは幸運なのです。」
その通り!お掃除しちゃうぞ!
「!」
皆に緊張が走ったような気がする。
やっべーまたやるとこでしたわ。オホホホ。
感情のコントロールがうまく言ったようで心なしか皆に安堵の表情が浮かんだ気がする。
「それゆえ、魔力陣は作らせます」
ゼーエンが言い切る。危なく話しの腰を折るとこだったのを強引に押し切ってくれた。
「ですが、完成はさせませんよ。ショーちゃんさん詳しく作戦についてお願いします」
「んっ了解。ボクの作戦は魔力陣をすこーし書き換えます作戦。現在、影技隊に詳しい陣をボクのところに送ってもらってます。これを完全解析して、転移、召喚は行われるけどしばらくの間身体を痺れさせて動けなくしまーす」
かる~く言っている。
しかし、恐ろしく難しい事で並の魔術師なら一生をかけて半ばまで到達できるかできないかの案件。我々の魔法陣の書き換えだって難しいのに、古代の全く別系統の術をピンポイントで書き換えると言っているショーちゃん。
さすが、マリアの作りし奇跡。神と呼ばれるだけはある。この神を造ったマリアはもっと凄いんだよな。キノコ狂いの変人だけど………
「全滅させるとかは出来ないのかしら?」
ミオが恐る恐る質問する。
「時間があればできると思うけど、バレないで改変するなら、流石のボクでも長くて5分足止めが限界。血反吐吐いても間に合わせるけどこれ間に合わないとすべておじゃん。何もなしでこの数の敵は無理だよ。だから、これ以上は望まず、できることをするね」
時間はあるようで無い。4日後なのだ。
普通に軍を動かしてもギリギリ配置できるかのレベル。
「5分か」
フューゲがつぶやく。ごもっともだ4万の魔獣、竜を相手に5分程度の時間稼ぎ。だが、フューゲよお前なら気づいてるはず。
「2万弱なら以前の南方異常魔獣討伐戦の様に我々の連携で討伐可能のイメージが湧くのだが……流石に倍では自信がないな」
皆が頷く。皆、自身の戦力を把握しておりそれぞれの役割と殲滅力を解っている。そうだ、彼らなら、巨獣込みだとしても1万5千程度なら全く問題ない。
4体でこれだけの自信があるというのがおかしいが、我が家臣達は強い。
だが今回の4万はその自信を砕くだけの物量なのだ。
「皆のもの心して聞け!」
冷静に、かつ静かに
ヴァルグラン戦訓の一つ
静かなること林のごとく
心を鎮め淡々と事実を告げる。
「リヒトヴァルグランを起動する。私が先陣に立つ。覚えていると思うがと思うが王を護る五大魔導鎧は」
私は、五大魔導鎧を与えた時に家臣皆に伝えた言葉を紡ぐ。
「限界など無い。あるのは勝利のみ」
皆が椅子から降り、片膝をつき頭を下げる。
「出来るな!」
私の押し付けにも似た問いかけ。
「今こそ我らの精進をご覧ください」
異口同音。違う口から全く同じ言葉。
全員の思いは受け取った。
5対40,000
絶望などクソ喰らえ
「我らの勝利は確定だ!」
ダダ漏れず、平静のまま私は勝利宣言を出来たのであった。