シーラ1
DaysAIで作成したイラストに妄想ストーリーをつけ、物語になりました。
小説を書くのは初めてですので、見苦しい表現もあるかと思いますがご容赦ください。
残酷な描写は、なるべく避けますが、戦闘や戦争を扱っていますので、苦手な方はご遠慮ください。
文中の挿絵の著作はjettsにありますので無断転載はご遠慮ください。
第二章開幕に向けて時間軸ガイドと神話に近い部分をまとめました。よろしければご活用下さい。
◆『鉄塊の国』時間軸ガイド:第二章開幕!◆
一本の鉄塊が国を興した――ヴァルグランの歴史を紐解く!
- 約132年前:神々の旅開始
「名を忘れられた漢」(神)が祈りの聖女、鉄塊の王、大賢者、メカムスメ、名も無い暗殺者と建国の旅を始める。信玄の戦訓で希望を灯す!
- 約129年前:ヴァルグラン建国
一本の鉄塊からヴァルグランが誕生。魔導鎧と絆で繁栄へ。
- 現在:龍獣統一軍との戦い
龍鬼神シュタルクの侵略に立ち向かう!
- リヴァール砦防衛戦(ep.1〜6):ルヴェリーとマリーの絆、ヘルガの暗殺。
- シャルセア防衛戦(ep.7〜11、17):グライシアの「乾坤一擲」、ルーの神速。
- ラウンドベルク攻防戦(ep.12〜19~):シーラの「リヒトヴァルグラン」、ヘルガの「隷属」、ゼーエンの諜報で4万の敵に!
このエピソードの位置:第二章開幕! シーラと五大魔導鎧がラウンドベルクを死守!
ゲストのイラストも無断転載はお断り致します。
投稿時間
本編 水、日の朝7時投稿です。
大図書館 月、土の朝7時投稿です
鉄塊の国
一本の鉄塊が国を興した。
歴史は綴られる。
あの会合の後、直ぐに円卓会議を招集した。
五大魔導鎧の装着者を中心に情報、工作などの責任者が集まる。
本来であれば軍団長全員を集めたいところだが、情報の漏出を防ぐ為人数は絞った。
私の左にはゼーエン、ショーちゃん、ロンでは無く、マリア、ヴェルカーが座っている。
向かい側となる、右には五大魔導鎧装着者達が座っている。
「姐様、かなり不穏な空気の中、招集とは、本気で暴れることになりそうだな」
銀髪の横柄な男、椅子にふんぞり返りながら私に語りかける姿はおよそ家臣には見えないが、冒険者時代からの付き合いだ。
今更かしこまられても困るので、ある程度の無礼は公に赦されている。
男の名は『野獣 ガイン』野性味あふれる、いわゆるワイルドイケメン。
近接から中距離まで万能に戦えるリヒトリーゼで戦場を縦横無尽に駆け巡る姿は頼もしい限りだが、私の耳にすら届く夜の浮名は有名人なのだから、少しは自重してくれと頭を抱えてしまう。
一度だけ、私は口説かれたこと無いけどと冗談混じりに話したら「姐様は高嶺すぎてムリっす」とキッパリ言われ、しばらく自分の在り方に自問自答したのはいい思い出だ。
「いい加減話し方を覚えたらどうなの?野蛮人」
冷たい眼差しで、ガインを窘めたのは『氷の瞳 ミオ』氷の奥に熱きマグマを閉じ込めた一見クールビューティ。
その実態は、五大魔導鎧の中でもっとも高い瞬間火力を誇るが、貫く一択しか無いという武器の扱いづらさ、人型ではない癖のある操縦と、使い手を選ぶシュヴァルドラッヘを、手足のように御し、戦場を支配する熱き女戦士。
「良いではないか。言い方は悪いかったが、私も同じ様に思ったぞ」
仲裁に入りつつ、自分の意見もしっかり主張する。
隣のミオと比べるとコイツがでかいのか、ミオが小さすぎるのかよくわからなくなる筋肉ダルマは『笑う岩 ベルク』切り込み専門のリヒトアクストゥの装着者。
こう見えて、頭も冴えコミュニケーション力も高い。
「うんうん。ヘルガ姉ちゃんとこの人達が一昨日辺りから忙しなかったから結構な一大事だよね。ゼーエンちゃんもヴェルカーちゃん、ショーちゃんまでいるからよほどの事態だと思うよ」
よく観察している。ショーちゃん同席の理由もだいたい見当がついてるのだろう。
この子は『機巧のイーリス』からくり使いと名高い発明と研究のプロ。
支援機リヒトファエルで、遠距離、近距離問わず仲間への援護攻撃を行う。いつも適切なサポートを怠らない自他ともに認める天才。
と、突然パンッと、小気味の良い音が聞こえ、皆の視線が集まる。
手を合わせている。鉢巻きを巻いた男。
『堅盾 フューゲ』防御特化型リヒトフェケンの装着者。
武動という東の国の技術を使い手に持たず武装を操る。主に2つの盾を使い敵の攻撃をさばく。
魔導鎧の能力も加わり二つ名の通りもっとも堅き盾となる。
「そろそろ殿下のお話を聞こう」
皆、顔を見合わせ、そうだそうだと私の方を向き、言葉を待つ。
「先ずは急な呼び出しに答えてくれてありがとう。いきなり確信なのだけど、今ヴァルグランは、シュタルク・ドラッヘなる龍鬼人率いる龍獣統一軍に侵略を受けている」
右の5人が息を呑む。
「先日のリヴァール砦の魔物の氾濫は実質開戦の狼煙だった。幸いルヴェリーとヘルガの働きで砦は落ちずにすんだが」
皆の顔がゆがむ、全員ルヴェリーとは知らない仲ではない。身を案じているのだろう。マリアが一緒だと慰めたいが、確実ではない以上無用に伝えるべきではない。
「さらに先日、王都に謎の虫が大量に入り込んだ。ゼーエン、グライシア、ヘルガの働きにより駆除されたが、おととい夜に衝撃の真実が判明した」
皆の視線が集まる。
「ヘルガが捕らえた敵の幹部は、今回の襲撃の連絡役。そして、2日後王都に死の鱗粉を撒き虐殺を行なう実行犯であった。」
皆口々に罵りの言葉を吐き、顔をしかめる。
「幸運なことにヘルガ達のお陰で虐殺は行われず、相手には偽の情報を渡すことが出来た」
一つ咳払いをして重大なことを伝える。
「3日後シャルセアに下位竜3千、溶岩サソリ3千、巨大な竜1頭が襲いかかる。」
ガタンと椅子を倒しベルクが立ち上がる。
「こんな事をしてる場合じゃねえ。すぐに援軍を!」
今すぐにでも飛び出しかねないベルクをミオとガインがなだめて椅子に座らせる。
「皆の気持ちは分かる。見捨てるつもりは毛頭ない。実は、何故かグライシアが丁度襲撃の日に現地に着くの。クリスメッサーと有事の指揮権掌握書を持って」
口笛を吹きガインが「姫さんの野生の勘。ハンパねー」とつぶやく。
「ギリギリだけどヘルガが切り札を持たしたそうだから、こちらは信じてもう一つ4日後に備える」
皆の顔色が悪い。どう考えても全て最悪。なのに、これ以上があると私が言っているのだ。
「奴らの計画は、辺境の村と砦を壊滅せしめ、王都に死を届け、貿易都市を火の海にする」
奴らの所業を話しているうちに頭に血が上ってくる。
「4日後ラウンドベルクは4万の竜と魔獣の群れに蹂躙されヴァルグランは滅亡する」
皆の顔が青ざめる。数だけでない、竜は下位竜でも兵5名以上に匹敵する。絶望の色がこの部屋に充満する。
私は無意識に立ち上がり、拳を振り上げる。
「そんな理不尽。私は許さない。」
大きく振りかぶり拳を円卓に叩きつける。
「そんな運命は叩き潰してやる!!!!!!」
全力の叩きつけ。メキョと音をたて円卓にワタシの拳がめり込む。
そして顔を上げ皆を見る。
……………!
恐怖に顔を歪ませ苦しんでいる家臣たち。
イーリスは首をかきむしり苦悶の表情。ミオは肩を抱きガチガチと歯を鳴らしている。男性陣も息も絶え絶えだ。
「あっ!」
慌てて、感情をコントロールする。
「がはっ!」
皆が息を吹き返す。ぜえぜえと息を整えている。
「あっ!」
イーリスが私の左側を指差し声を上げる。
皆の視線が向く。と同時に男性陣が、目をそらす。
「もしかして?」
恐る恐る左を見る。
足の力が抜けてだらりと開き、かろうじて背もたれに首が引っかかり落ちていないゼーエン。目は白目。口は半開きで泡を吹いている。
「きゃ~~~!メディック!メディック!ゼーエンを助けて〜〜」
私の絶叫!
その横では、フューゲが手を触れず器用にゼーエンを床に寝かせ、ロンちゃんが治癒の魔力回路を構築。イーリスが小型シェルターを展開しゼーエンの服を脱がせ、心臓マッサージを始める。
「やっちまった〜」
「ゼーエン!ほんとうにごめんなさ〜〜い」
私の叫びが室内に轟いた。
第3章開幕です。
新しいキャラも出てきて、なんちゃって群像劇は加速していきます。
え~と、作者は可愛がってる子をいじめる男子学生のようなところがあるようです。反省します。
「機巧のイーリス」(からくりのイーリス)
支援型魔導鎧『リヒトファエル』の装着者。
技術者であり、ヴァルグラン最後の砦、五大魔導鎧の一つリヒトファエルに乗ることを許された一人。
明るい性格で、彼女の周りにはいつも笑顔があふれている。
口癖は「スマイル♪スマイル♪」
伝説の名工『ゴン爺』が残したスマートフォンやノートパソコン等未だに使用法の解らないアーティファクトを解析し続けている。
魔力回路を繋いで限定的ではあるが、画像を送る事や、瞬時に大量の計算を行なう等、技術革命をいくつも起こしている民衆にも名が知れる程の研究者でもある。
最近、鉄塊の国をグーグル先生で調べたら、私の造語のようでほぼトップ独占でした。画像サーチもトップにいました。
大好きなヘルガはいじめてないのか?
答えはあります。
上手く大人向けとか探すとヤヴァいの見つかるかも。
自己責任でよろしく。
ドン引きされる自信と未来しかないから良い子は見ないでね。ダメだよ。絶対!
突飛な名前で良かったけど偶然見られることはないよね。