ヘルガ3
DaysAIで作成したイラストに妄想ストーリーをつけ、物語になりました。
小説を書くのは初めてですので、見苦しい表現もあるかと思いますがご容赦ください。
残酷な描写は、なるべく避けますが、戦闘や戦争を扱っていますので、苦手な方はご遠慮ください。
文中の挿絵の著作はjettsにありますので無断転載はご遠慮ください。
ゲストのイラストも無断転載はお断り致します。
投稿時間
本編 水、日の朝7時投稿です。
大図書館 月、土の朝7時投稿です
鉄塊の国
一本の鉄塊が国を興した。
歴史は綴られる。
もう苦虫はお腹いっぱいっス。
べレックの報告は以下の通り。
シュタルクという龍鬼神が龍獣統一軍と称し肥沃なヴァルグランの領土を侵略することを決めた。
北の山脈からの魔獣の大軍、東の砂漠から下位竜と火サソリ、巨竜による街の制圧。
王都で死の病の蔓延。
そして、ラウンドベルクの南の荒野に大量の竜人を召喚し、宣戦布告の上ラウンドベルクを制圧。
この計画はそれぞれ進んでいる。
「先日の魔獣の氾濫の意味はわかったっスけど、これから起こることがわかったとて………」
どう動くべきか?
「叩き潰す………」
アチシの隣で、ヴァルグラン4代目国王にして初代女王、冒険王『シーラ』の冷え切った声が響く。
あまりの殺気に、ゼーエンが椅子に座ったまま失神してしまいべレックが抱きかかえ別室に移し、何故かびしょびしょになった床をメイドたちが掃除している。
「メイドさん達も耐えてはいるけど、結構つらそうっスから、一旦紅茶でも飲むっス」
震える手でリリーが、シーラに紅茶を勧める。こんな至近距離で、大陸最強と謳われた冒険者が放つ本気の殺気を受ければ良くて失神、下手すれば心臓が止まる。
「みんなごめんなさい」
先程までの空気が一変する。
「先ずは、皆を招集してラウンドベルクで迎え撃つ」
この手の計算は任せたほうがいいっスね。
「シャルセアの防衛はどうするっスか?」
計算では下位竜の襲撃と我らの隊長の到着がほぼ同時くらいになりそう。電波隊長のモコモコしていてフワごろっとした何かって本当に何者っスか?
「グライシアは間に合うのでしょう。しかも、奥の手はあるのでしょ?」
何処まで読んでるのか解らないっスけど言いたいことは何となく解ったっス。
用意周到に待ち受けるのではなく、ギリギリで撃退する。裏の裏をかいて殲滅する。
普通の将と兵なら、捨て駒だ。だがヴァルグランの兵と、この王であれば奇跡は起こり、敵対するものを完膚なきまでに叩き潰す。
「火蠍は予想外であるが任せるっス」
「ラウンドベルクの方も手を貸してもらってもいいかしら?」
まぁそうなるっスよね。久々に皆に会えそうっすね。
「おっけーっス!」
「べレック!ゼーエンは大丈夫?」
いつの間にか戻っていたべレックに問いかけるシーラ。
「ご配慮ありがとうございます。屋敷に戻り湯浴みして頂いております。」
べレックのよどみない返事。
「本当にごめんなさいね。以後気をつけるわ。で、五大魔導鎧の装着者とショーちゃん、ロン…………大賢者に招集をお願いしても良いかしら?」
命令しなれてる人は凄いっスね。適任者であるけど、他人の執事を顎で使うって凄い。
「承知致しました。」
そう言って消えるべレック。仕事早いっスね。
「アチシはラウンドベルクに五大魔導鎧を送ればいいのかな?」
現状、姉御が不在なので大規模な空間跳躍はアチシがしないとっス。
「リヒトフェケンは念の為残す。ないとは思うけど裏の裏の裏なんてかかれたら笑えない」
用心深い。だが、今回は叩き潰すのが目的だから守りの魔導鎧は本来の目的。王都を護るに使うのがベストっスね。
「早速動いてちょうだい。紅茶おいしかったわ。」
そう言って、この場を去る彼女を見送り、スコーンを頬張りつつ、おかわり要求しながら、思案を巡らす。
忙しくなるっスね。
だが、これだけの事をしたシュタルクとやら
臓物を引きずり出す程度では済まさぬぞ