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鬱な人生のやり直し方(仮)  作者: くまのもり
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泣き虫お父さん

目を開けると、星が見えた。

いや、正確には夜空のような天井。

少し目を動かすと、パステルカラーの紫をもっと薄くしたようなカーテンがかかっているのが分かる。

(これって...いわゆる天蓋ってモノじゃないですか!?)

元々、クマのぬいぐるみや可愛い物が好きだった私は天蓋に憧れを持っていた。

でもせいぜい家の中でできるのはシーツやカーテンなどを可愛い色にする程度。

そんな天蓋があり、しかもそこに寝ているのは私!!

(もうこれだけで死ねる、ありがとうございます...)

拝むように手を両手で合わせようと思った時、何か温かいものに当たった。

横を見るともう1人いた。

(.....)

目をぎゅっと閉じる。

開ける。

もう1人いる。

え、兄ってまさかこの子?

いや、双子だとしても先に産まれたら確かに兄だよ?

でも4つ上の姉がいたからだろうか?

なんか違うと思ってしまう私がいる。


「ルナ!!ルナの状態は!!赤子は!!」

「若旦那様落ち着いてくださいな。

若奥様もお子様も無事ですよ」

「そうか...よかった...よかった...」

ドアの向こうから声が聞こえてくる。

1人は焦ったような男性の声。

もう1人は優しくゆったりとした女性の声。

「若奥様、若旦那様のおかえりです」

ノックとともに先程の女性の声がする。

「あらあら、心配性なお父様ね、入ってくださいな」

全く気づかなかったのだが、私が寝ている天蓋の奥に更に人がいたらしい。

お母さん?なのかな。

パッと目につくのは髪の色。

少し暗い緑のようなすごく綺麗な色をしている。

でも顔が幼くて、正直まだ10代と言われてもあんまり違和感を覚えないんですけど...

「ルナ!!!」

ガバッとドアが空いて姿を見せたのは男性。

お父さんかな?

銀色の長い髪をまとめて横に流していて、瞳は青色。

お母さんと比べるとこちらは逆にかなり老けて見える。

正直、母と父と言うより、娘と父の方がしっくりくるな。

しかも結構性格のキツそうなイメージを受ける。

その後入ってきたのは優しい顔をしたおばあちゃん。

あっ、この人もお母さんと同じで髪が緑っぽい。

でも、メイド服を着ているのに違和感はなくて、ベテランメイドって感じがする。

「よく頑張ったな...ルナ...ありがとう...ありがとう」

お母さんの元へ駆け寄ったお父さんは泣いている。

「泣き虫なお父様ね、ほら顔をみてあげてちょうだい」

「あぁ...」

グズグズしながらお父さんが私たちの顔を覗き込む。

「男の子と女の子なのだな」

「ええ、そうよ、男の子の方がお兄ちゃんよ」

「そうか...兄の方はルナによく似ているな」

「ふふ、そうね。

女の子はアルト、あなたによく似ているわ」

「そうだな、なんて可愛いんだろう。

私は幸せ者だな...。」

「私もとっても幸せよ」

2人をみていて、この夫婦は愛し合っているのだな、と思った。

強く望んで私達を産んだのだと。

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