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自分でも何を書いたのかわからないので、各個人想像するなりしていただき、お楽しみいただければと。

作者: カブトボーグ

 枝葉の頃の肉と時。山地にひろがる海老の大軍灰塵。海胆が山手の雲に似て。具に駆しるは霧の慕情か。

 紙魚の残心、流れは盃。鶏冠の叫びは火花を呑む。早五十年。逃げ兎に鬼の国。兎摘みつは白い瘡蓋。

 増殖。粟の艶。倒産には椿の鎌。

 砂糖を掴むは難き。茨に乗るは地に伏して。嫌悪吐いては川蝉羽ばたく。硝酸。

 納豆の最期は沼の花びら。啄む鷺に耳を差し出す。

「首長竜に爪楊枝は不要か」

 おにぎり滑空。

「爪弾くは玉蜀黍が髭」

 井守の毒に身を寄せて、今日は田楽の星が降る。

「螢喰うは黄昏気味か」

 鰔婚約珈琲の守り。割れた衣は永年。

 驚きの真夏。落ちるは斜塔。時計の庭には鋼の芝焼く───


「来週はゴジラの手に上に包まれて、酢が第三者」

 青梅の鈴の音、川石の跳躍。

 漢の世には確かにあった。河童のマカロン、薔薇の毛布千手一歩。漂う香に手を浸したら、黄金弾けて団扇歩いた。

「宮に倒す蝋燭の種か今?」

 鋼に似た梟の肖像。炎に焼かれて炊かれる三葉虫。僕らは葛では羣を打つ。

 羽虫、豚足、流行語大賞。

「駒鳥戻りて氷が水になる。あれは火の玉、草が骨」

 龍の尾に着く金槌返金。代表翻し臨むらくは蜂、仮名文。

"剣の兎は瓜と血"

 星がサボテンと華を繋ぎ、電灯の下で祷りを融かす。粉に裏打つ真実如何。


 交換するのは手の名残。日本酒に心打たれて塩の霧を貪る。砦の土に足を取られて見失ってしまったあの日の自転車。虹色の蜥蜴の包皮と理屈の剣舞は筆山の茶漬に息を整える。公園には毛玉が。蝸牛には鍵盤を。

 頭蓋の窓枠、金額の怒り。手首に浮かんだ表情はいつ見ても大根と蛙。

「街の眠りの赤い実りは」

 提灯揺れて鳩が爆発した。

「装備不要の絡繰侍」

 無機質な珠の音。ズタンブンシン。

 スターバックスの栞は何処へ。

 牛乳の似合う庭の午後。急ぐ影の名不死の山。墨に流れて黒と混ざりて昆布と深呼吸。

 はたはた折鶴灯る弓。

 怨念登って外国の旗。ヘルメットと片手に心が縮む。

 山が嵐がハクビシンが。

「雨がコメントしていきますよ」

 骨が連なって出てきた腸の糸。猿の赤手に茄子の引金。

「罪が泣くと俺が歌う。稲妻を片手で掴めないのか」

 菠薐草に胡麻を和える。水の中の瞳の中華料理。

「ほら。空を裂くものだから」

 見上げたジャックナイフは林檎を取り零す。若さの中に見た欲望の焼魚。

 海は何処へ。

 波は山並か。

 蛤欠けて、硝子は霞を取り戻し。

 悲壮の話はラジオの子守唄。

 算盤回って葡萄が歩く。

「蛇の耳にはビー玉懐炉」

「爪か山田か。湾は黒いぞ」

「虜の皮から産み出た熔岩。吃驚したのか最初のシュリンプ。穀物由来が後を引いて踝眺めてトンネル走るわ。忘れた湖畔の乳幼児。松毬の宿命厭わず」

 花が散るのは如何様か。月が曲がるは明け方か。弓がなければ矢は引けず。鏑の値上がり、樹木の謀り。

 白い月。灰色の手。薬匂えど拳は結われず。喜ぶ桃と、迸る柑橘。甘藷眠るは金管の教室か否や。努々違わずや。恥の狭間に鉢は参る。電車の口上。花火の消し炭。

「遠さに敗けじど、横には鬣」

 発条巻かれて狗の困惑。昼か夜か。それとも冷蔵庫なるものか。


 単発罹る夕陽の午後。闇に眠るは豸の娘。良き日々は、夏に始まり秋に終わる。シャボン玉の鳴く音は好しや。虚空の底から紅が出る。嘆くたい焼きのその顔の中まで白い手が夜露を照らす。

「水爬虫の咲く頃、痘苗は絶えて歯磨き粉が薫りだす」

 スパゲッティ。ナポリタンとスープパスタ。水の味は味噌醤油。軽くなる、鼻の音。

 黄土は爆ぜる。黄金を火種として。お守りの電話帳。散りゆく雪。嗚呼、やんごとなきや。


 光る青虫の食事を呼ばれ、地殻の者は腹を下す。楽園の象の長い心の臓の下着と足の裏の饗宴。

 何本も並ぶ食器用洗剤。話を止めないテレビ。縁のない形の鈴があって、その椰子の実を何かしら七味唐辛子をかけるわけで。木工用ボンドには目が無いから、だから蝸牛と歩いて行けるんだ。鶏の雛の卵の鶏卵。映し身の窶れた小指。電車の線路の音の蛇。一覧から飲んで槍を知る。

 予言に打ち克つのは金目鯛の言葉だ。彼の狐はべり。

「致死量のサボテンはドラッグストアで買えよ!目玉焼き!トマトの皮……」

 蜥蜴の尻尾の美味しさを、隕石は知っているのだろうか。恒星の影にみたらし団子はいる。解釈の不一致は明日から呼ばれる。

「猫の手にはビー玉が似合うッ。スワンのバカが木霊する───!」

 甘酒の味、母の背中。餃子の皮。這い出る銀歯の鈍き光は月夜の白を浮かび上がらせた。黄泉渡る船に柔らかなソファーを。


 金剛の光、葡萄の青。世に渡りに鬼の舟は金星纏いて川を逆巻く。今春は去り、躑躅の季節がまた来る。山茶花との死闘を繰り広げた先は、蟷螂鎌の滴る雫。

 ハンバーガーを御手から溢せば、浮かんで来る札。雷と共にやってくる。忘れた頃にやってくる。

「雪花菜の体操だッ!」

 紅と緑の歯磨き粉。真っ直ぐ落ちてくる乳酸菌飲料。胡桃混じりて栗鼠と化す。表れろ、天元獣器。肩凝りにくる胸の痼を雨水でより凝縮させて。

 キウイ。兄弟の裏切り。槍穂高。

 静かに生きていくことは、それはどこかヤモリの卵巣に似ている。

「毛束花束鱈子の粉一つ」

 狼の遠吠え。白んだ地面。霜の原。山へ登れば霞ヶ海。電気を求めるその心、人を惑わし悪花を飾る。

 硝子のような瞳だと、その昔言われた記憶があった。それは林檎のように摺り下ろされて、気がついた時には女の子の手に握られていた。母と繋ぐその姿。ゾウムシの尻にアブラムシを詰め込んだよう。

 振り下ろされる剣は氷砂糖とよく似ている。だから、きっと角砂糖にだってなれるはず。

 振り子が揺れて、車が外れた。アナグマの力があらぬ方向へと向いて、君と僕とは笑い転げたものだった。

「酒はトマトで啜るのが一番。そうは思わんかね」

 逆光。猫なで声の騎士。頭に一本の翼。右足には蜥蜴の鱗。鼻息が、湿った地面を恋焦がす。

 麻婆豆腐の言葉。そこには菖蒲の亡骸が。続いていく虹の事を、人は桜島とたまに呼ぶ。漁師の涙は世界に焼き芋をもたらす。行き交う人々は綿いっぱいの愛を差し出す。電光掲示板がそれを受け取る。

 森の風。数多の生物の生と死の嗅ぎきれぬ香を纏いて、今日も田螺は夜を歩く。

「友よ。人類に鮪は早すぎたのか」

 垂れる氷。這い出る泥。番組に炎の煌めきを感じる。

「大河よ共に泣いてくれ」


 ドーナツの輪っかを待っていた。そのはずだった。けれども想いは浜の海。星には還れぬ喉の渇き。お気に入りの靴に穴が空く。それは還っていく。それが連理。とめどない、運命の奔流。

「君よ共に泣いてくれ」

 白い鳥はギンヤンマ。


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