第0話 最強への山道
【世界の裂傷】
それは空間に突如穴が開く突発的な自然災害の一種である。ごく最近見られる様になったものだ。いつ起こるか、何故起こるか誰にもわからない。
近づくと吸い込まれ、何処かもわからぬ場所へ飛ばされる。と、されている為研究すらされていない。いや、研究する者は後を絶たないが、研究しようとした者は皆全て【世界の裂傷】に吸い込まれ消えている。
そんな事があると世界中に知られていても、またここに1人世界の裂傷を研究しようとする者が現れる。
その名はレギト・ヴィヴァント
彼の天啓は科学創生。化学想像という別の似た天啓もあるが差別点はわからない。それ程までに似た天啓もある。そしてこれらの想像、創生の突出した分野はその名の通り、いろいろな物質の名称や保存方法、原因、作り方、使い方がわかる。それは自分が知らない物にでも発揮可能である。そしてポーションや魔道具などの生産が普通の者よりも上手く、速くできたりする。更に好奇心が強くなる傾向にある。
この男も科学創生の好奇心で【世界の裂傷】を調べて具体的構成や原因が知りたいのだ。
危ない?人がいなくなっている?そんな事知った事ではない。全ては好奇心の赴くまま。楽しいそうな方へ。心が浮き立つ方へ
現在の時刻は0時。【世界の裂傷】が多発するという山を目指して山道へ、辺りは闇に覆われており光がなければ歩くことさえ困難を極める。
「流石に暗くなってきたし魔法を使いながら行くかぁ。」
【我が求めるのは魔にあらず、小さな導き、小さな加護。その力の片鱗を我に託してくれまいか?】
【微光!】
【微光】
周囲に仄かな光をもたらす。持続時間は10分
初級魔法の周りを軽く照らすだけの魔法なので魔力の使用量も少なく、非常に使い勝手が良い。ダンジョン攻略や洞窟探検などで重宝されている。
生産系の天啓だから魔法や剣術などの攻撃系統がからきし駄目。と言う訳でもない。当然攻撃系統の天啓持ちの成長性と比べれば天と地ほど成長スピードに差があるが努力の方向性が合っている限り成長はする。努力は正当に評価される。
流石に無詠唱の域までは行けないが自分の適正属性と合致していれば上級の更に上、神級の魔法を5分という長い溜めは必要だが放つことはできる。
だがそんな天啓に決められし運命さえ乗り越えその昔、誰よりも強い科学創生の賢者がいたとかいなかったとか...
山を進んで行くたびに傾斜がきつくなる。
山頂に至る時にはすでに傾斜40°位にはなっていただろうか。
山の山頂は空気が薄い。
ちょっと頭がフラフラしてき──────
─────
ステータス
名:レギト・ヴィヴァント
適正魔法:聖魔法、水魔法。
二つ名:探究を追い求めし者
基本能力 筋力:30
魔力:50
素早さ:40
防御:55
体力:25
天啓:科学創生〈クラスチェンジ不可〉
スキル:〈創作意欲〉Lv:6〈創作迅速〉Lv:9
〈武器良造〉Lv:3〈武器急造〉Lv:5
魔法: 初級魔法全て
中級魔法: 炎聖助けるは命
中級魔法: 鼓動する水
上記使用可能
技術:〈攻撃耐性〉〈聖害耐性〉
〈水害耐性〉
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「ッハ!?」
「お、やっと起きたぁ!遅いよ!何分待たせたと思ってるんだよ!」
お、んな?
誰だろう。
俺を介抱してくれているのだから、敵ではない...?
美しい銀髪の女性。だが女の子というにはあまりにも大人っぽく、熟女というにはあまりにも若々しい。
魔女がかぶるような三角の帽子を身につけ魔法衣らしきヒラヒラした赤と黒が基調の服を着ている。
ガシッ!
ガクンガクン
めっちゃ肩を持って揺さぶってくる。
「ねぇ、ねぇ、君!君の天啓は科学創生で間違いないかい?!」
目をみつめて聞いてくる。
美しい新緑色の瞳に思わず心を奪われそうになる。
だが、ここにこのまま滞在すれば面倒くさくなるという一端の科学者としての直感が警鐘を鳴らす。
「いや、違います。人違いですね。ではさようなら。出口は何処ですか?」
別に嘘をつく必要はなかったがここで認めてしまうと面倒くさそうな話に発展しそうだからここであらかじめフラグは折っておく。
これこそ世渡り上手!
...うん。世渡り上手だよな...?
だが何かを確信している女は横に首を振り僕の言ったことを否定してくる。
白銀髪の髪が横に靡きいい匂いがする。
って、俺だいぶキモイ...?
「いや、嘘は良くないよ。僕のこの【写絵の眼】さえあれば君の天啓なんて一発でわかるよ!」
「じゃあ最初から聞くなよ!」
あ、思わず反射神経でツッコんでしまった。
怒ってないかな?大丈夫かな?
なんか怖くなってきた...
え?なんで何も喋らないの?
ねぇやっぱ怒ってる?
「プッ。アハハ。」
可愛らしいちっちゃなお口を開いて笑う。
泣くほど笑っている。
小さな手を目にあて、小さな雫を掬う。その雫は指に触れるなり無くなる。
何故かその光景が非常に美しいものに思えた。
なんだろう、何処かで見たような気もする。子供の時、小さな時にあった気がする。記憶の奥底で見た事がある気がする、記憶の奥底で───
「よかった、君が君であって。」
自分が自分であって...?
この女が何を言いたいのかわからない。
だが心の底から感謝されていることだけはわかる。
自分はこの女に何かしたのだろうか。
いや、自然体でいる事に感謝されたのだから、生きている事、しっかりと成長したことに感謝されたのだろう。こんなに嬉しいことはない。
見知らぬ人から自分が生きている事を無条件で喜ばれる。別に『感謝』という言葉をかけられるのは親からじゃなくても良い。確かに親からかけられる言葉も嬉しい物だろう。だが、人とは承認欲求の権化だ。他人から喜ばれる、褒められる。それだけで人への印象はコロッと変わる物だったりするもんだ。
「君のその藍色の髪も、玉虫色の瞳も。大き育っている体も、全て、全てが君であって嬉しいよ。僕は。」
まるで母親の様に褒めてくれる。
自分には母親がいない。だが欲しいと望むことは何度もあった。母親を望む自分の弱さと人肌への恋しさを求めている自分に苛立ちを感じ、父親へ八つ当たりをして随分と迷惑をかけたものだ。
まぁ、母親の詳細を全く明かさない父親にも非があるような気もするが...
「まぁ、要約すると今僕はすっごく嬉しくて、機嫌がいいんだ。だから君に"修行"をつけてあげるよ。」
うーん、脈絡があるようで無い?で、この人俺の天啓知ってるんだよね?なら戦闘に向かないことなんて分かりきってるはずなのに...?
首を横に傾げる。
「君は良く言えば思慮深い。悪く言えば考えすぎ。そしてそれは決して悪いことではない。でも、修行中はそれをやめてもらおうかな。僕が今から行う事は邪念が入ると効果が半減とはいかないけど少なからず減少はするし。ちょっと効率も落ちる予感がするんだよね。まぁどうしても気になる事があるなら僕に聞いてみな。大抵のことは答えれると思うよ。なんてったって僕は『賢者』なんだから。」
「え、あ、じゃあ...。貴方は本当に、都市伝説の科学創生の賢者様なのですか?」
「うーん...都市伝説の奴かどうかはわからないけど、一応僕の天啓も科学創生だよ。」
シュンッ──
一瞬で最大クラス。神級と思われるポーションが現れる。
まるでポーションがここに空間転移してきたみたいに─
「じゃあ、貴方の名前は?」
「えーとね、二つ名は世界を操りし者。そして、本名はグレーズ・マティア。空間魔法が得意な魔術師さ。」
うへぇ、強そう...本当に科学創生?魔法特化の天啓だったりしない?
よし。そうだ質問だ。質問しまくろう。
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ステータス
名:グレーズ・マティア
適正魔法:空間魔法、水魔法
二つ名:世界を操りし者
英雄の片割れ
魔の王を打ち倒し者
人ならざる力を得た者
基本能力 筋力:9999(カンスト)
魔力:∞
素早さ:9999(カンスト)
防御:9999(カンスト)
体力:9999(カンスト)
天啓:科学創生〈クラスチェンジ可〉
スキル:〈写絵の眼〉Lv:Max〈魔力増強〉Lv:Max
〈魔力生成〉Lv:Max〈魔力圧縮〉Lv:Max
〈分身出現〉Lv:Max〈月下獣化〉Lv:Max
〈身体強化〉Lv:Max〈精神強化〉Lv:Max
〈天候操作〉Lv:Max〈異常無効〉Lv:Max
〈自己修復〉Lv:Max〈魔法強化〉Lv:Max
〈精霊召喚〉Lv:Max〈亡骸召喚〉Lv:1
〈悪魔召喚〉Lv:Max〈英霊召喚〉Lv:Max
〈他人強化〉Lv:Max〈魔法収納〉Lv:Max
〈緻密構成〉Lv:Max〈擬態生成〉Lv:Max
〈残虐非道〉Lv:999〈神擬変換〉Lv:Max
〈模倣月光〉Lv:Max〈想像悲痛〉Lv:1
〈空間強化〉Lv:Max〈世界拡張〉Lv:Max
〈覇気発揮〉Lv:Max〈技巧模倣〉Lv:Max
魔法:|上級魔法全て、中級魔法全て、初級魔法全て
濁流、流すは命
胎動せし雷
其の氷永遠なれ
炎は燃え、血を焦がす
風は登り駆け巡る
聖は魔も祓う
魔は聖にも取り憑く
時は巡り事象は帰還する
空間は開き異界へと
上記使用可能
技術:〈聖魔無効〉〈自然無効〉
〈火害無効〉〈水害無効〉
〈雷害無効〉〈氷害無効〉
〈風害無効〉〈精神対抗〉
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「ふぅ。ひとまず質問はこれで終わりかい?」
俺はあの後グレーズさん?様?師匠?に沢山質問を投げかけた。
時間にしてそうだな...小一時間だろうか。ありとあらゆる質問を投げかけ、ありとあらゆる回答を得た。
「うーん...そうですね。ひとまずは。」
「じゃあ座学から始めよう。魔法知識についてだよ!」
「座学?科学創生の俺でもそれくらい知ってますよ?」
そう。魔法はこの世界の常識だ。
魔法は魔法でも火、水、風、雷、氷、聖、魔の7の属性に分類されており、
火〜氷までは攻撃魔法。聖は前衛援助を味方に付与する援助魔法。主に回復魔法や身体強化系の魔法がかけれる。魔は敵妨害を敵に付与する妨害魔法。主に身体阻害系魔法や魔力回路妨害、罠魔法系の魔法をかけれる。
そして2つ特別な魔法がある。
空間魔法と時空魔法だ。因みに、これらの使い手が言うには空間は縦軸、時空は横軸みたいなものらしい。
空間魔法の主な魔法は、中級魔法:空間転移や上級魔法:空間圧縮のようなものや、上級魔法:別世界隔離みたいな大魔法もある。今回、調査しに来ていた【世界の裂傷】もこれらの魔法ではないかと言われている。
そして時空魔法は、上級魔法:時間停止(時間制限あり)上級魔法:時間帰還(無機物だけ対象)そしてこれにも上級魔法:時間減速(自分だけ対象)なんて大魔法がある。
時空魔法と比べると空間魔法の使い手はとても少ない。1000万人に一人いればいい方であろう。
だが天啓が科学創生の空間魔法が使いなど聞いたことがない。それこそ賢者以外は。
「まぁ、そりゃ魔法についてはある程度知ってるだろうね。だが、今から僕が教えるのは魔法の作り方だ。」
「!?ッ魔法を作るなんてそんな大変なこと僕には無理ですよ!」
魔法を作るなんて聞いたことがない。
何より魔法を1から作るということは魔力リミッターや魔力演算、魔力属性変換、魔力回路の作成などなどを自分の手で作らばければいけない。
こんな事、名のある魔術師でさえ100年以上もの月日が必要になってくる。それほどまでに難しく人間には一生至れないであろう極地とまで言われている。
誰も知らない魔法が一つあるだけでどれほど戦争の有利不利が傾くか...
やっぱりグレーズさん賢者なんだな。
自分があの賢者と一対一で話してるなんて、数時間前の俺は想像してもなかったよ。
ん?体感数時間も経ってるよな?なら喉が渇いたりトイレに行きたくなったり生理的な現象が体に1つつぐらいおきてもいい気がする。
まさか───
「グレーズさん。もしかしてここって時が止まってます?」
「おっ!察しがいいねぇ。そうだよ!ここは僕の空間魔法と時空魔法を組み合わせたものだよ」
やっぱり!
え、?自分で聞いといてなんだけどホント?
目の前には果てしない大地が続いてるよ?
空間魔法って空間の規模が大きければ大きいほど、絶対必要魔素量が増える
んじゃなかったけ?それにプラスで木々まで生えてるよ?美しい草原だよ??装飾までしてるよ???
「あの〜これどんくらいの魔素量が必要です?」
これを一人でやってるとなればそれは、人ではなく人外の域であろう。
「うーん普通の人の50000倍くらいかな?あ、もちろん自分一人で作り上げたよ?流石にこんなちっぽけな魔法に他人の魔素を使うわけにはいかないからね」
ち、っぽけ?あ、あぁ。人外だ。恐ろしいほどの人外だ。いや、賢者とやらに常識を当てはめた自分がいけなかったのか?
こんなもの継続するだけでも魔素量は想像を絶するものだろうに。
「うーん...それじゃあ空間魔法について話したから、まず空間魔法について教えようかな。」
「無理です!無理です!!絶対に魔素量が足りませんって!!!そして僕、空間魔法の適正持ってませんよ!?」
魔法の適正属性。それは魔法を使う上で一番大切な物で無くてはならないものだ。
俺の適正属性は[聖]と[水]だ。適正が2つあるだけでも非常に珍しいらしく、俺以外ではあまり見た事がない。
別に適正が無いから、特定の属性の魔法が使えなくなる。という事はないが、初級魔法、頑張って中級魔法しか使えない。それに使えたとしても魔素の使用量が天啓持ちと比べて2倍。ここら辺は天啓と同じだ。
「君も魔法について知ってるならわかるだろう?本来魔法は適正が無くとも使えると。この僕がいい例さ。」
「いや、そりゃ...そりゃ...」
言葉が出なくなる。
グレーズさんは今でこそ都市伝説で賢者などと言われているが、生まれた時から賢者だったかと言われれば違うのだろう。血の滲むような努力をして、継続してやっとこの魔法の極地のような場所に至ったのであろう。
「あぁ、いや、2つ僕とは違う点があったね。1つ目は君には空間魔法の適性がないこと。2つ目は君には師事してくれる存在が目の前にいるということだ。」
空間魔法...。人には過ぎた力とさえ言われている魔法。空間魔法の作り出す空間は時の進みさえ遅くさせると言われている。グレーズさんはその中でひたすらに修行しまくったのだろう。
それこそ、適性の無い魔法を自由自在に操れる様になるまで。
「じゃあ、そろそろ雑談は終わりにして本物の座学を始めようか。まず手始めに僕の事を師匠と呼ぶように!」
威圧?の様なビリビリとした空気が広がる。
「はいっ。グレーズ師匠!」
「うむ。よろしい!」
師匠と呼ばれるのがとても嬉しかったのだろうか、とてもにこやかな笑みを浮かべる。
「じゃあいっくよー!」
シュンッ
目の前にパッっと机と椅子。そして黒板まで現れる。
今のは創生じゃない!?ここでは無い何処からのワープ!?
「まぁひとまず君には空間転移を教えようかな。」
くうかんてんい。。。?
あの空想上の?空間魔法の中でも上級の魔法を!?
しかも、師匠自分じゃなくて今物を動かしたよね!?それって魔力のコントロールがしにくくて大変なんじゃあ...
一応、魔力で物を動かす事はできる。
雷魔法で磁力を付与。それをひっつかせる。みたいな物の動かし方は確かに確立されている。だが自分の体に、魔力を向けるのとは、ちょっと違うらしく魔法の中でも物を動かすのは高位の魔術師しかできない事だし、空間転移で持ってくるなんてどれだけ難しい事やら。
「いいかい。ここの時は永久に進まないんだ。君がここでいくら修行しようと老化の心配はないし、この空間から出た後、外の時だけ進んでいた。なんて悲劇は起きない。だから焦らずゆっくりとやれば良い。お気に入りの食べ物をゆっくりちょっとずつ食べるように。毎日細かい目標をちょっとずつ超えていけばいつかはできる様になるさ。」
「いつかってそんな無責任な...」
「だから、ここの時は永久に進まない。だから『いつか』『その時』『習得する時』は必ず来る。そして僕もしっかり君に空間転移の極意を教える。これはそんなに無責任?」
俺はグレーズ師匠に事細かく説明されたのに彼女が言った『いつか』という言葉に、この時の俺は期待できなかった。
「あ、そうだ君の名前を教えてよ!ずっと君じゃあ修行中味気ないだろう?」
「あ、そうですね。僕の名前はレギト。レギト・ヴィヴァントです!よろしくお願いしますね!グレーズ師匠!」
師匠の修行は過酷な物だった。
最初のうちから魔法適正のない空間魔法をバンバン打たされて、魔力枯渇。
それが終わったと思えば、ひたすら走らされて体力枯渇。
一通り倒れずにできるようになったと思ったら、今度は魔法の同時展開。
初めは自分の適正魔法である[聖][水]。最終的には全ての属性魔法を展開。
????年後
空間魔法と時空魔法と合成魔法であった空間転移を無事習得。
果たしてここまでどれだけかかったことやら。
「やったね!これで君も空間転移が使えるようになったね!!」
「とても時間かかりましたね。100年経った時ぐらいから年数数えてませんよ。」
「ま、いいんだよ。それだけ君が修行に没頭してたってことだよ。」
久々にゆっくりグレーズ師匠とゆっくり話した気がする。
でも、まだまだ覚えなければならない魔法があるらしく全て覚えるのに何年かかることやら...
でも、コツコツやるしかない。
「じゃあ次は────────────────」
????年後上級、中級、初級魔法全習得。
「次に────────」
????年後魔法作成習得。
────────────────
ステータス
名:レギト・ヴィヴァント
適正魔法:水魔法、聖魔法
二つ名:世界の強豪
生まれ変わりし者
最強の弟子
基本能力 筋力:9999(カンスト)
魔力:∞
素早さ:9999(カンスト)
防御:9999(カンスト)
体力∞
天啓:科学創生〈クラスチェンジ可〉
スキル:〈対象分析〉Lv:Max〈智捨拾力〉Lv:Max
〈頂点模倣〉Lv:Max〈情報模倣〉Lv:Max
〈身体強化〉Lv:Max〈瞬筋倍加 〉Lv:Max
〈瞬早倍加〉Lv:Max〈瞬坊倍加〉Lv:Max
〈頂点超越〉Lv:Max〈属性倍力〉Lv:Max
〈魔法強化〉Lv:Max〈人智超越〉Lv:Max
〈打強蹴強〉Lv:Max〈水面浮上〉Lv:Max
〈指導博学〉Lv:Max〈人徳魅了〉Lv:Max
〈強力覇気〉Lv:Max〈人者盗賊〉Lv:Max
〈作成強化〉Lv:Max〈創生強化〉Lv:Max
〈戦況把握〉Lv:Max〈上空視察〉Lv:Max
〈飛行自力〉Lv:Max〈創作早急〉Lv:Max
〈武器神造〉Lv:Max〈神羅召喚〉Lv:Max
魔法:上級魔法全て、中級魔法全て、初級魔法全て
万物は己に帰還する
生は聖 死は魔
水は顔を変える
上記使用可能
技術:〈全属耐性〉〈攻撃耐性〉
〈精神耐性〉〈魔法抗体〉
────────────────
長い時が経った。
姿形は微塵も変化していないが、ステータス、精神面は大幅に成長しており、元の世界では敵うものなど一握りもいないだろう。
「あんまり、技術面が増えませんね?」
通常時のステータス。魔法。スキルは修行前とは比べ物にはならないレベルで増加しているが、技術面だけは一つしか増えていない。3つから4つに増えただけ。
一応〈全族耐性〉には全属性への耐性。という効果があるがそれ、諸々考えてみても+9。多少は増加したがスキル面や上級、中級全ての魔法を覚え神級魔法を3つも作っている魔法一覧などと比べるとやや見劣りする。
「まぁ、しょうがないんじゃない?本来技術は命と命の取り合いでしか入手できない物だし...なんなら命の取り合いもしていないのに技術面で9個も成長している君に僕は驚きだよ。」
グレーズ師匠の言うとうりである。本来、技術とは命の取り合いの上自分で判断し、自分で身を守る上で発現する、言わば
レギトは天啓が科学創世故に今まで戦闘に関することなどあまり勉強した事がない。
それこそ、元の空間では技術やスキルは1つ持っているだけでも人類からしたら強い方なのだ。
「じゃあ、最終の修行!この【空間の裂傷】を作ってもらうよ!」
今この人サラッと流したけどここ【空間の裂傷】なんだ。へぇ〜。自分いつの間にか求める場所に辿り着いてたんだ...
感慨も何もないな...もっと苦労してみつけたかったんだけどな...
ちょっと凹む。
もとの世界の科学創生たちが騒いでた事柄だったから、もっとすごいのかと...
「え?待ってください...この中に吸い込まれた人たちってどこ行ったんですか?」
そう、どこかに強制的に転移させられた人達のことだ。
もしかして...殺した!?
師匠に関してそんな非人道な行為はしないと思いたいけど...
【空間の裂傷】という未知の塊を前にあらぬ思考が張り巡らされ、いつもでは絶対に考えないような事を考えてしまう。
「あぁ。彼らのことね。いっぱい人が来たけど皆才能がないから別の遠い街に捨ててきちゃった!」
「捨ててきた...。まぁしょうがないのかな。」
捨ててきた。うん。もういいや。
考えるのが面倒になってきた。いいか、今自分が死んでないなら...
人なんか皆大体、自分の命最優先。そんなもん。
人命なんて二の次。
まぁ、さてさて。【空間裂傷】の作成ね。
まず、空間魔法を展開し、一つの世界を創る。次にその空間に時空魔法をかけ、その空間の時の流れを止める。
そして、空間の中にありったけの魔力を注ぎ込み、デコレーションしたら、はい完成。
「おぉーすごいじゃないか!バッチリだ!」
案外簡単だった...
もうちょっと難しいかと思っていた...
「さぁ、君はもう修行も終わったことだし僕の望みを叶えてもらおうかな。」
「師匠の望み...?」
確かに師匠は何故僕に修行をつけてくれたんだろう。
やはり何か思惑があるのだろうか。
「学校に通ってもらう事と、魔王の討伐だよ。」
いや。温度差ッ!
戦闘と日常生活の両立ッ!
「えーと。まず魔王討伐とは?」
最初の疑問。
急な魔王討伐。
確かに最近魔物増えてるなーみたいな事は思ったが、まさか魔物の親玉の討伐を頼まれるとは考えもしなかった。
勝てるのかな?強いのかな?
「そうだね。まず、魔王は僕が約1000年かな?ぐらい前に倒した人型の魔物なんだけど、アイツ定期的に復活するんだよね。残念なことに。」
へぇ〜魔王って復活するんだぁ。話が漠然としすぎてるなぁ。
まず俺に討伐できるの?そんな簡単に倒していい者なの?勇者とかが苦戦して倒す者なんじゃないの?
「まぁそんな雑魚の事はほっといて学校の事だよ!学校!僕は知っての通り常識がないからさぁ...」
そうだね。常識ないね。魔王を雑魚って言うぐらいだしね。
こんな馬鹿げた特大魔法を常時展開できるぐらいだしね。
(もう俺もできるけど...)
ま、まぁ師匠には常識がない。それは共通の認識だ。
「だから、その常識を補って欲しくて。。。まぁこっちがメインクエストだね。」
ほら常識が無い。
魔王討伐をほっといて、学校に行く事をメインクエストって言うぐらいだしね...
「まぁ、名残惜しいけど行っておいで......。」
師匠が顔をクシャッと破顔させ名残惜しそうに別れの言葉を告げる。
「し、師匠は一緒に行けないんですか......?」
師匠には何かワケがありそうな気もするが、自分が誘うことで返答の結果が変化することを期待する。
「すまないね...思慮深い君なら気づいているかもしれないが、僕のこの仮初の体は精神体。この【空間の裂傷】の中でのみ見える言わば幻覚みたいな物。外に出てしまえば僕の精神は仮初の体もろとも一瞬で消滅さ。」
しょうがない。なんて割り切れる物でもないが、しょうがない...と言うしかない。思うしかない...
人に情を抱くのは必然だとしたら、別れが来るのも必然の事柄なのかもしれない...
「わ、っかりました...」
必然の事柄。
必ず起こりうること...
「まぁ、そんな落ち込むなって、この僕はいつでもこの裂傷の中にいるからさ!君が呼んでくれればいつでも君の前に裂傷を展開しようじゃないか!」
そうだ、永遠の別れではない。
また会えるのだ。自分がそう願えば。
「だから、行っておいで。僕の一番弟子...」
師匠がすごく名残惜しそうな顔をするが、俺はそれに気づかないふりをする。
元気に出発するために。最後に泣き顔なんか見せないために。
「じゃあ、行ってきますね師匠!」
最大限の元気と勇気を振り搾り、ありったけの声量で返答する。
どれだけの声が出たかはわからないが、自分の声が震えていたのは確かだ。
涙は...見せない。
笑って別れる。
「じゃあこれで本当にお別れだ。ちゃんと僕のお願い守ってくれよ?」
最後にジョークのような、俺を笑わせるためのような、感じを投げかけてくれる。
「じゃあね。」
目の前に【空間の裂傷】の出口みたいな物が浮かび上がる。
それは、青白く不安定に輝き、アシンメトリーの美しさを醸し出している。
それは人の身には生み出せぬ美しさ。不安定な偶然から生み出させる美しい光。
「はい。じゃあまた今度!」
また会いたいから。これで終わりにはしたく無いから
一歩。また一歩。歩き進め、光に吸い込まれる。
次会う時、僕はどうなっているだろうか。
初めましての方は初めまして!下手な小説家です。
この小説まだ次のプロットすら考えていないので、次話投稿は未定です。(2週間以内に出せればいいな)
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PS.ケダモノの方は一時休載します。また書きたくなったら投稿するから気長に待ってくれるとありがたいです。