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第六帖 万世一継~人世の理の創造は艱難な~ 参

 戦場にて誘拐されてから早何日。

 気がつけば、職場の転覆に手を貸すテロリスト集団の一味に数えられ、外出の自由も無く、ひたすら耐え忍ぶ日々だった。

「シャバだっ!!!!」

 ようやく降りた外出許可。

 行く先が指定されたお使い仕事ではあるのだけれど、それでも、姫子にとっては、根の国の淀んだ空気ではなく、久方ぶりの新鮮な酸素である。

 アニメ見てゲームやってネット漁って実家に連絡してコンビニ行ってピザ食ってコーラで流し込んでマクド貪る!

 くらいは制覇したかったが、これでも一応、神宮から指名手配の身でもある。

 自覚は無いのだけれど、犯罪者一味に加えられてしまったのだから仕方がない。

「あれ? 別にあたし、大人しく従う義理はないのでは?」

 一瞬我に返りそうになったが、考えてみればあの時、野乃華とダイダラボッチと一緒に、晴と佳紅矢に撃ち殺されていたかも知れないので、根の国に逃げる以外の選択肢は最初から無かった。

「というか、運良く御先祖様を取り込めたから良かったものの、飲み込まれていたら、のののんを殺してたのか、あたし?」

 その肉体の奥底に封じられ続けていた星神、天津甕星あまつみかぼし。天津神に誅された天津神。報復の怨念を晴らすためだけに魂を接ぎ継ぎ、そのオチが結局、

「すでに、仇敵は宇宙の彼方に去っていた、とは」

 御先祖様の無念は、察するに余りある。

 あるけれども、そんな暗い情念を千年以上も維持した粘着力には、ちょっと引く。誰か途中で諭さなかったのかよ、歴代の神代たち。

「おまけに、相手がのののんじゃあなぁ」

 前触れも無く戦死した後、肉体を捨てて人形に乗り換えた挙げ句、一夜にして神様にクラスチェンジしてしまったものの、のののんが魂の姉妹である絆は揺るがない。

「考えてみれば、姉妹が神宮に反旗を翻したのであれば、理由も聞かずに助太刀する義理が、あたしにはある!」

 あるのだけれども、目覚めにいきなり目的地を告げられて、適当に空中に放り落とすのは、魂の姉妹に対する扱いとしてはどうなのか?

「のののんは、私のことを不死身だと勘違いしている節があるな」

 と言っている本人が、先の戦場で魂の姉妹を思いっきり楯にしてボコボコに弾丸を叩き込ませた事を棚に上げている。

 共に、人格外道という共通項で堅く契りあった二人。

「けど、のののんが不老不死を手に入れたとなると、私だけ老いて先に逝ってしまうことになるのか……むむ、設定強度で負けてる?」

 何より、新しい神が爆誕し、何かとんでもないことを始めた瞬間に立ち会ってしまったのだ。可能であれば、そのオチまで見届けたいと思うのが人情というモノ。というより、途中で脱落なんかしてしまったら、死んでも死にきれない。

「正義の味方か、社会の敵か……くぅっ、浪漫だね!」

 萌えと浪漫のためなら命を賭ける覚悟が、神代姫子には常備されている。

 が。

「真冬の山登りに白衣一丁は、流石に無茶だったのでは?」

 一体あの神は、人間を何だと思っているのか。

 既に晩秋から初冬。四国と言えども山岳地帯は、樹枝が霧氷で白く覆い尽くされた、極白の氷点下の世界だ。見渡す限りが白と黒で彩られた水墨画の景色は、見ているだけなら絶景だが、吐く息すらも凍り付く寒さとセットとなれば、冬山フルアーマー装備でもなければ凍死する。

「あ、神寄すれば、多少は暖かくなるか」

 神狩に開眼してしまった姫子にとって神寄とは、己の内なる狂気の神を喚び起こす事と同意であり、本来であればその行為は、人間としての魂を貪り尽くされて狂刃と化すに等しい。

 であるのだが、既に姫子は星神と語り合い、意気投合し、ぶっちゃけマブダチになってしまっている。

 そんなことを実家に報告すれば、家族全員が驚き仰け反り頭を抱える事必至なのだが、当の姫子だけは、自分が何をやらかしたのか、トンと無頓着なのである。

 地上最強の生物を目指して修行を積んだ結果、千年の妄執さえも力尽くで解決してしまう化け物が錬成されたなど、誰が予想できようか。

 が、天は二物を与えず。

 神代姫子に野心あらば、唯一天津神に対抗できる最終兵器として、月見里野乃華佐久夜比咩命《つきみのさとのののはながさくやびめのみこと》と対峙して天と地の一大決戦イベントを巻き起こすことも出来たのだが、当の本人が目先の娯楽を最優先して大局的な判断は考慮しない、という哲学のために、周到な伏線と綿密な下準備を経て、絵的に最高なシチュエーションでかつての親友と雌雄を決する、という大河ドラマを自ら演出する能力が絶望的に欠けていた。

 月見里野乃華佐久夜比咩命の、唯一の親友にして最強のライバルである神代姫子を、脳筋戦闘狂の漫画オタクに設定した神がもし存在するのなら、あらゆるお約束を腕力で解決してしまうお手軽さは、創作の神への冒涜以外、何ものでもない。

 が、現実はそういう配役になった。

 あとは姫子というバカが、その場の思いつきで月見里野乃華佐久夜比咩命を背中から襲いでもしない限り、新しい神による新秩序の構築は揺るがないのである。

 が。

「そーは、問屋が、卸さない!」

 その小さな暴力は、全力回転で大鎚を振り回しながら降ってきた。

 完全な不意打ち。姫子の態勢はノーガード。霧氷の白の中に神寄の白き神力を潜ませて、逆鉾さかほこ慧凛えりんはずっと待機していたのだ!

 夜明けから!

「ぐ! がっ! なぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 クリティカルヒット。

 常人ならば頭蓋骨陥没を通り越して首から上が吹っ飛ぶ衝撃が、姫子を捉えた。

 そのまま受け身も取れずに、ほぼ直立姿勢で地面を数回バウンド、登ってきた岩がちの登山道を転がり落ちていったのでは、流石の御瑞姫でも致命傷を免れまい。

「かくしてやっぱり正義は勝つ、完!」

 誇らしげにポーズを取るも、逆鉾慧凛は半信半疑である。

 深夜に直電、着替える間もなく拉致されて、来るかどうか分からない月見里野乃華佐久夜比咩命を、別命あるまでひたすら待て、という曖昧にも程がある命令だったのである。

 まさか来るとは思わなかった。

 命令放棄して帰ろうと考えたのは、百回でも足りない。

「なぁ、慧凛」

「なによ、トラジマ?」

 ひたすら息を潜めて寒空の下、凍える身体をいつでも動けるようにさすり続けたストレスを全開で一直線に理想通りにクリーンヒットさせた慧凛は、それでも一仕事を終えた充実感に浸っていた。むしろ毛皮にくるまれた使い魔なんて、何もしないでヌクヌクと……

「ターゲットは月見里野乃華佐久夜比咩命だったのでは? あと、殺してしまったら、捕虜にして隠れ家を吐かせることも出来んぞ」

「あ……」

 高揚感は一瞬にして氷点下まで凍てついた。

「え、でも、そんな、まさか……死んだ?」

「あれで生きてたら人間じゃないだろ」

 姫子がかっ飛んでいった方角を恐る恐る見つめるも、対象は遙かに下。登山道を外れて樹氷を折り散らしながら林の中へ消えていったので、生死の確認はここからでは不可能。

「え、確認しなきゃ、駄目?」

 最悪の想像は、見なければ確定しない。

「帰ってどうやって報告するつもりなんだ?」

 追い返されるのが目に見えている。

「わ、わわわわわわ、私は別に、殺すつもりだったわけじゃ!」

 神寄時間が長すぎたために手加減が効かなかっただけなのだが、プロにあるまじき凡ミスであろう。同情に値するとすれば、石鎚山いしづちやまが逆鉾慧凛への神力供給の基地局であったが故に相性抜群で、基本性能に攻撃力増加のバフが盛られていて、普段の五割増しの出力が加算されていたことであるが、それを指摘しなかったトラジマが悪い。

 故に、相応のお仕置きが来る。

「なんっ!?」

 凍てついて透き通った淡く高い青空を、一本の柱が貫いた。

 赤黒く、野太く、鈍い輝きを放つ、禍々しい神力の奔流。

 かの戦場で、数多の国津神を屠り去った、神狩の噴光。

「スイッチ入っちゃったっ?!」

 後悔する間も無く、本物が来た。

「なんでっ!?」

 柱の屹立地点は100メートル以上眼下。なのに既に眼前に悪魔が居る。姫子の右腕が、赤黒い神力の霞に覆われて、猛スピードで振るわれる!

「ひぐっ!」

 とは言え逆鉾慧凛も御瑞姫である。神寄も完了している。ならば無名の神のような無様な虐殺にはなり得ない。反射的に急所は防御し、インパクトの瞬間に衝撃を相殺するくらいの芸当は無意識に実行する。

「て言うか! 姫子は! 根の国で! 死んだんじゃなかったの!?」

 それでも、逆鉾慧凛は吹き飛ばされていた。

 が、だからこそ、思考の余裕が生まれる。

 あの日、消息不明となった姫子が、なぜ四国は石鎚山に現れたのか。

 厳冬の、一般登山客は絶対に訪れない登山道に、なぜこのタイミングで。

 答えは一つしか無い。

 神代姫子は、月見里野乃華佐久夜比咩命に加担したのだ。

 軽く200メートルは吹き飛ばされた慧凛は、その確信を胸に、なんとか体勢を立て直して着地完了すると、

「って、あれ? よく見たら慧凛ちゃんじゃん」

 必殺の勢いで右腕をぶん回した姫子が、キョトンと正気を取り戻していた。

「危ない危ない。殺しちゃうところだったよ」

「普通だったら死んでるからね、今の一撃!」

「出会い頭に即死打撃を食らわしてくれたのはそっちが先じゃん。いやぁ、神寄してなかったら死んでたよ、あれ」

「ていうか! なんで姫子がここに来んのよ!」

「そりゃ、のののんに頼まれたからだが」

「つまり、私たちを裏切ったんだね!」

「言っとくけど、先に戦場でどさくさ紛れに私を処理しようとしたのは、姉御だかんね? 私にはその窮地を救って貰った恩を返す義務があるのだ。というか、何をもって裏切りと言うのん?」

「つ、つきみにょっ!」

「っぷっ」

「つきみのさとにょっ!」

「っぷぷぷっ!」

「あーもー! その、のののんがとんでもない宣言してくれちゃったお陰で、こっちまで寒空の下に駆り出されて、みんな大迷惑してんじゃないの!!」

「えー、ほんとにー? だって民間人空爆しようとした戦闘機を沈黙させて人命助けて、世界中から感謝されてんだよ、あの神。今のところ、誰にも被害与えてないっしょ? そもそも何をそんなに、神宮は迷惑被ってるっての?」

「ぐぬぬ」

 実際、逆鉾慧凛は何も知らされていない。北海道と九州への神力の供給が断たれ、今正に、目の前の女が四国への供給ラインを断ちに来たなどと、想像すらしていないのだ。

 大体、今さら天津神が不在だと言われたところで、何が変わるって言うのだろう。

 そんなの、彼女が産まれたときから、一度も会ったことがないのだ。

 慧凛にとってカミと言えば、トラジマと、敵対する国津神以外は眼中に無い。

 この石鎚山に鎮まっている鎮めの星と、その制御神である女神の事すらも、何も知らされていないのだ。

 が、それを言うなら姫子の無知も等しい。

 何より、姫子は鎮めの星がどこにあるのか、聞かされていない。

 そもそも、それがどういうモノなのかも、見たことがない。

 ただ外出許可が下りた、とはしゃいで来てみたは良いが、何をどうするべきなのか、全くもってサッパリなのである。

 行けば分かると言われた、だから来た。そしたらいきなり殴られたので、殴り返した。それが姫子の今日の全てで、

「あ? れ?」

 いきなり、目の前の小学生の神寄が解けた。

「え? なんで? どゆこと?」

「くっ! こっちの御瑞姫は陽動か!」

 トラジマが事態を把握したものの、姫子には何の自覚もない。

 逆鉾慧凛が姫子に釘付けにされている隙に、阿蘇山から跳んできた月見里野乃華佐久夜比咩命は、難なく鎮めの星に接触、その接続を神宮から切り離したのである。

「あれ? ひょっとして、のののんが何かやらかした?」

「だ・か・ら! 裏切り者だって言ってんじゃないの! あたしの神寄、どうしてくれちゃってんのよ!」

「いやぁ、そんなこと言われてもなぁ。と言うかのののん、そういう計画だったんだぁ」

 神宮をぶっ壊す、と言われてはいたものの、今になって初めて、その内容を理解した神代姫子の元に、

『こっちは無事に終わったから。大丈夫? 相手殺しちゃってない?』

 魂の姉妹からのミッションコンプリートの報せが届く。

「え? ひょっとして、お使い終了? 実家帰っても良い?」

『今帰られると相当面倒なことになるから、絶対に許さない。これから回収に行くから』

「えぇぇ。せっかくだからもうちょっと、慧凛ちゃんと殴り愛したかったのにぃ」

『次の機会を用意してあげるから、とりあえず黙って帰れ!』

 これにて、北海道、九州、四国を神宮から解放と相成った。

「けれど、まだ半分以上が残っていますけど」

 そう、解放したのは、10山の内の4つ。本州が丸々残っているとはいえ、

「実質、半分! だよ」

 勝算はある。

 これまで、鎮めの星を更新した4山は、氷璃霞ひりか氏、那由多なゆたさん、鈴瞳さん、慧凛ちゃんの4柱だ。つまり、姫子の担当地域は、こちらの手の内、という事になる。

「おまけに、こっちは4姫。向こうは2姫が脱落して、空海あけみさん、安倍姉妹、佳紅矢ちゃん、野乃華の5姫。戦力的には拮抗状態まで寄せ返したし、神力の貯蔵的には圧倒的有利ですらある」

「けれど、こっちの狙いはバレちゃいましたし、向こうだって残りの山の防御は厚くするわけですよね。ここから先は、ペースが落ちてしまうのでは?」

 氷璃霞氏の指摘は一々もっともなのだけれど、だからこそ、

「裏をかくしかないわね」

「まーた、悪い顔してるね、のののん」

 お楽しみを途中でぶった切ったので、いまだにご機嫌斜めな姫子さんだ。ま、慧凛ちゃんを通して実家には生存報告が行ったはずだから、懸念が一つ解消された、ということで手を打ってくれい。

「それにしても、四国って火山がないのに、どうして鎮めの星が必要だったんすかね?」

「それでも、1000万年以上前は火山だったみたいだし。

 弘法大師や役小角との関わりも深いし、古代ユダヤ民族の聖櫃アークが隠されているって説もあるくらいなんだから、やっぱり霊脈としては優秀な土地なんじゃないの?」

 まぁ、鎮めの星の女神様は、加速する過疎化で信仰心の目減りが激しい上に、お遍路でも老人しか来ないから寂しい、とは嘆いていたが。

「それに、火山だけじゃ無く、その地域の国津神の意見の集約も役目なわけだし」

「そもそも、四国の国津神って、こっちの要請に応えてくれたんです?」

「今のところ問題が起こっていないのなら、大丈夫なんじゃないの?」

 猿田彦大神に任せっきりにしていたけれど、いったん進捗状況を共有しておいた方が良いだろうか?

 とは言え、鎮めの星自体が機能しているのなら、一応の重しは乗っているわけだし。

「それだと、国津神を支配から解放する、という約束と異なってくるのでは?」

「そもそも、鎮めの星と御瑞姫の役割が、地元の国津神の意見を集約する、だったのだから、神宮による国津神への圧政自体が、明治以降の間違いだったのでは?」

「それは……直接聞いてみないとなんとも……」

 まぁ、万が一人間社会に危害を加えようものなら、全力で叩き潰す覚悟はあるのだけれどね。

「そう言えば、のののん。山火事の鎮火は上手くいったん?」

 姫子は内政よりも広報活動の方が気になるようだ。

「一応、燃えている範囲はなんとか出来たよ。そこからの再建までは責任持てないけれど。

 あとは、アフリカのバッタの大量発生だっけ? あっちは、大群の追跡が出来ていないから、一朝一夕には片付かないかもなぁ」

「無差別爆撃の妨害には行かないん?」

「そっちも、本気でやるんなら基地を潰した方が早いんだろうけどね。ちょっと様子見。あんまり派手にやらかすなら本気で介入するけど、その場合、専従になっちゃうしなぁ」

 能力は無限であっても、意識と身体が一つしか無いのであれば、一度に出来る事は限られてしまう。本気で世直しに手を染めるのなら、組織化しなければ効果がない。けどそれには、どうしたって人手と資金が必要になる。

「宗教法人立ち上げて、信者から活動資金を托鉢するか」

「神様なんだから、法神なんじゃない?」

「そもそも、本物の神様が目の前に居るのって、宗教になるんですかね?」

 要するに、私が仲介する天津神の神力を、自在に操れる巫女が大量に必要になるんだよな。戦乙女を拉致って戦闘員として現地派遣してもいいけれど、ただでさえ巫女不足を嘆いている現状なんだから、一般人でも即戦力に持って行けるような、そんな技術革新が必要なんだよね。

 難民キャンプ行って、子供達を調教でもするべきか。それでも、準備にべらぼうに時間がかかるよなぁ。そもそも外国人に神力の概念が伝わるのかどうか。

「で、裏をかくって、具体的に何をどうするつもりなんです?」

 氷璃霞氏の指摘で現実に立ち戻る。

 まぁ、今は一つ一つ潰していくしか無いのでな。

「神宮に、乗り込んでくる!」

「? 交渉しても無駄だから、実力行使に出たんじゃなかったでしたっけ?」

「だから今現在、神宮という起点に降りている神力を、先に乗っ取って来ちゃうんだよ。空海さんの警戒が残りの山に向いている今なら、本拠地は逆に、お留守でしょ?」

 全員一致で、「それはどうだろう?」と微妙な反応をされた。

 ちょっと待て。私の発想の信頼値、低すぎっ?

「のののんの読みって、大体毎回、斜め下に外れるからな」

「そもそも鎮めの星を引っこ抜いて神宮の支配を終わらせる、が初っぱなから破綻しましたしね」

「地道、ですよ。人間、地道が一番です。佐久夜様は人間じゃないですけど」

「みんな、神様に対して冷たすぎっ!?」

「いや、魂の姉妹としては、言うべきことはキッパリと」

「そもそも新米神なんですから、赤子同然かと」

「人間と神様の共存って、一方的に支配される、とは違うわけですし」

 う、ま、まぁ、コミュニケーションが円滑に出来ている組織は良い組織だ。なぜか私を追求するタイミングでしか発動していない気がするけれど。

 あれ、私、いじめられてる?

「そもそも、いきなり根元の供給を断ってしまって、全国規模の暴動を誘発したりしたら、責任とれませんよ?」

 まぁ、氷璃霞氏の危惧には一理ある。

「けれど、相手が罠を仕掛けているのを承知で乗り込んでいくのも、バカの一つ覚えじゃない」

「バカはバカでも、地上最強のバカですから、力で粉砕できるんじゃないですか?」

 思考が徐々に姫子に毒されていってないかしら、この娘。

「いっそ、私たちが陽動で姉御の罠に乗ってあげて、その隙に本拠地に突入、ではどうよ」

 うむ。むしろ姫子の方がまともな事を言っているようにすら感じられる。

「ただでさえ少ない戦力を、分散するんです?」

「こっちには無限の神力があるし!」

「くどいくらい強調しておきますけど、私や那由多さんに、姫子さんクラスの破壊力を求めないで下さいよね」

 そうなんだよなぁ。「波」を操る氷璃霞氏にしても、概念を変転させる那由多さんにしても、多勢を圧倒するのは得意だけれど、一対一で爆発力を発揮するタイプじゃないんだよね。もちろん、組織としてはそういう戦力も必要なわけだけれど、少数精鋭で一点突破、という状況に投入するには役者不足ではある。

「こっちには、無限の神力があるし!」

「だーかーらー、単姫突入には限度があるって話ですよ。ちゃんと脳味噌詰まってます?」

 まぁ、このままだと結論出ないな。

 どっちにしろ、動かないことにはどん詰まりなので、

「二正面作戦で行く!」

 宣言する。

「私は単独で伊勢を落としてくるから、三人は白山はくさんから落として」

「白山だと、誰がいるんですかねぇ?」

 それは行ってみないと分からないから、

「いきなり空海さんじゃないことだけは祈っててあげるわ」

「神ならせめて叶えて下さいよっ!?」

「というか、何で白山? 南から攻めるのなら、次は中国地方じゃないの?」

 今日は姫子が珍しく論理的だ。が、故に、

「女の勘!」

「のののんの勘とか一番胡散くせぇ」

 とは言え、白山は日本海流通網の要だ。北陸地方の最高峰であり、海上からも白く積雪した山頂が見られることから、天然の灯台として海上輸送の道標となり、事実日本海航路は、江戸時代まで日本全国の食を支える大動脈だった。有史以降も江戸時代まで噴火の記録があり、現代でも噴煙や地震活動が続いている活火山。その重要性は、富士山にも匹敵する山だ。

 そして日本三大霊山の一つとして、古く奈良時代から信仰を集めて修験道が成立し、日本全国に白山神社が分布している。そして、その祭神は白山比咩しらやまびめ大神。記紀神話とは無縁の地主神であり、そういう意味でも興味深い。全国へ信仰網を広げていながら、明治時代の修験道廃止でかつての繁栄も見る影も無い、天津神信仰とは無縁の一大宗教。

「あの、でも……」

 こういう時、那由多さんの控えめな提案が、最も破壊力が高い。

「佐久夜様がこなかったら、私たちだけじゃ、鎮めの星を見つけても意味ないですよ?」

「大丈夫だいじょぶ。神宮の工作が上手く行ったら、相手の神力は無くなるんだから」

「……上手く行かなかったら?」

「……姫子に任せてトンズラ、かな?」

「おい!」

 まぁ、私の巡らす策なんて、いつもその程度のもんだよ、うん。

 

  


 なにごとの おはしますかは 知らねども かたじけなさに 涙こぼるる


 伊勢神宮参拝の際に必ず耳にする、西行法師が詠った有名な歌だ。

 今の私には、その「なにごと」が、天照大御神でないことだけは、ハッキリと分かる。

 神宮が、今の伊勢で整備された時代には既に、天津神は外宇宙へと旅立っていたのだから。

 それでもこの地に、「なにごと」かが居ることだけは、確かだ。

 それは、天照大御神の代わりに祀られた国津神かも知れないし、逆に、天照大御神の御稜威みいつによって封印された、古の天津神であるのかも知れない。現に内宮の入口には猿田彦神社が祀られているし、伊勢は本来、猿田彦が治めていた地で、猿田彦は、天と地の間で赤々と輝く、太陽神そのものだったのだから。

 そもそも、天照大御神が太陽神であるのなら、その威光が照らすべきは「地」であって、天を照らすのは筋違いだ。

 では、「天を照らす」神とは一体、誰を指すのか。

 今、私の目の前で、その解が揺れている。

『まさか、このタイミングで乗り込んでくるとはな』

 五十鈴川の川上に鎮座する伊勢神宮内宮、皇大神宮。その正殿の最秘奥、心御柱しんのみはしらが奉建されるその古殿地に、私は来た。

 二十年の一度の式年遷宮。正殿、宝殿、鳥居ほか、別宮や神宝にいたる全てを造り替える、生まれ変わりの最重要神事。その秘中の秘が、心御柱だ。

 それは白石と清石が敷き詰められた中にポツンと残された、粗末な覆屋の中に鎮座していると云われている。正殿完成後には床下に隠され、その正殿すら四重の垣に囲まれ、参拝者は決して目にすることの出来ない、御神体にも等しき信仰の枢要。

 その名から、何かしらの「柱」であることは想像が出来ても、それが何を意味する「柱」なのかは、語られることのない謎の存在。

 それは、諏訪信仰を代表とする古代の巨木信仰の名残かもしれず、また縄文の世を風靡した、男根信仰、石柱信仰の裔なのかも知れない。

 けれどそれも、今の私になら、理解る。

 鎮めの星。その中枢。すべての神力の受信装置であり、全国への発信基盤。高天原から神力を引き出し、各霊山を統べる鎮めの星へ配分し、荒ぶる火山を制し、国津神を従えて来た源。

 それが、眼下の覆屋に収まっている、心御柱だ。

 天津神の魂の欠片を核とし、それをもって天空から神力を引き落とし続けてきた、神宮による全国統治の源。今も、神である視点には、高天原から降り注ぎ続ける、神力の奔流の輝きが映っている。その輝きが、地に落ちた水滴のように、放物線状に跳ねて地方に拡散していく様子も。だけどそれも、核である天津神の欠片がある限りだ。意思を求められず、ただ神力を呼ぶだけの機械として囚われたカミの心情はいかばかりか。

 事の発端が、天皇の身に封印された天照大御神の魂だったとして、そこに継ぎ足し注ぎ足し他の天津神の残滓を投入し、そうして「天津神の不在」を誤魔化し続けてギリギリ紡いできた千年の統治。

 その最高意思決定責任者が、私の眼下に、居る。

『まさか、本当に存在していたんですね』

 そは、実体を伴わない、信仰によってのみ編まれた、魂の結晶。

 年の頃は十に満たない子供の姿をしているが、その実、千数百年を継承し続けて神へと昇華した、九十九神つくもがみ

 天武天皇御代に提案され、未婚の皇女のみに受け継がれた、伊勢神宮の神事の最高責任者であり、その組織の名を体現した、あらゆる巫女の頂点に君臨する、女王。

 斎宮いつきのみや

 歴史上では、南北朝時代の混乱によって財政が悪化し、継続が困難となって斎宮制度は廃止され、かつての建物も遺跡としか残っていない。

 けれど、天津神の神力を利用した巫女による国土平定は続けられていた。

 ならば、その巫女王とも呼ぶべき存在も、誰かが継がなければならない。

 組織の長に必要なのが、決断力であり、力の管理であり、なにより戦乙女と御瑞姫に必要なのが神力の供給であるのならば、極端に言えば、肉体の有無は問題ではない。

 そして、永年のお勤めにより、歴代の斎宮の意思は次代へと魂の形で受け継がれ、結晶化し、いつしか独自の人格すら有するまでに凝縮されたのが、今、眼下に現れた子供の形をしたカミだ。

 半信半疑ではあったけれど、こうして目の当たりにしたのでは、納得するしかない。

 神宮、戦乙女、そして御瑞姫という組織は、国土平定の為、機械的に事務的に運営される次元まで洗練されたが故に、前例を踏襲し、例外には対処できず、そして組織の根幹たる神力の供給方法を変更することが出来ない。

 それが、永年の斎宮の活動を根底からひっくり返す事になるからだ。このカミは恐らく、高天原から神力を引き出す機能にのみ特化して、神宮に縛り付けられている。むしろ千年を超す時間の摩耗によって、神力を降ろす以外の機能を、失ってしまったのかも知れない。

 眼前にある斎宮は、高天原で見た天女たちと同じだからだ。

 顔も肉体も失ってしまい、かろうじて子供の形を模した円柱と成り果ててしまった、黄金色に輝く魂だけの、自律機関としての斎宮。名ばかりの最高責任者。例えるなら、老衰で寝たきりの、人工呼吸器によってかろうじて生命活動を維持しているだけの名誉会長のような。

『あなたは、これを見せたかったの?』

 そして、内宮に先回りして、この現実を知らしめてくれたのが、私の隣に居る、サルタヒコだった。

『最終的には、この事実に辿り着くと確信していた。が、それはまだ、先の予定だった』

『……確かに、最高意思決定者が半自動の機械人形に成り果てていたら、どれだけ帰ってきた御瑞姫が天津神の不在を主張しても、聞き入れてくれなかったでしょうね。

 けれど、たとえトップが単機能に特化した機械だったとしても、実際に組織を運営しているのは人間のはずでしょ? どうしてその人たちは、こんなギリギリに追い詰められるまで、方針の見直しに着手しなかったの?』

『それは、組織の末端で、日常的にカミを駆除してきたお前の方が、よく分かるのではないのか?』

 その指摘には、ちょと、たじろいでしまった。

 私だってこの十年、何も深く考えることなく、目の前の妖怪や悪霊をただただ毎日、排除し続けることに、何の疑問も抱いていなかったからだ。

 いや、正確には、岩根草木、あらゆるものにカミが宿りながらも信仰を受けず、同時に人にあだなすカミガミとも連携していない実情には、ずっと引っかかりを感じていた。

 けれども、人に徒なすカミが国津神。それ以外の無害なカミは土着神、と割り切ってしまってからは、目の前の作業そのものを疑うまでの熱意は抱かなかった。

 私ですらそうなのだ。望、叶、珠恵を始めとする戦乙女たちは、日々噴出する魑魅魍魎の被害を駆除し続けるだけで手一杯だろう。そんな彼女たちにとっては、武器である神力の供給が途絶えないことだけが関心事で、神宮としては、兵站の維持だけは譲れない最重要事項だった。

 ましてや私のように、高天原と往復してまで現状改変をする余裕なんてなかったんだろう。

 そうか、だから。

野宮ののみや殿は、神宮ではなく、サルタヒコに私を委ねたのね』

『この現状は、組織の中から改めるには、煮詰まりすぎていた。外から無理矢理、ぶち壊すしか、方法が無い』

『けれど、これは、余りにも』

 哀れだ。人の魂をどれだけ集めて強度を増しても、千年の摩耗には適うべくもなく。戦乙女たちの信仰によって、ここまで辛うじて維持できてきたと言っても、今のこの姿を目の当たりにすれば、これは「生きている」とは言えない。ただ、「生かされてきた」だけだ。

『しかしそれでも人間は、社会の現状維持を最優先とした。ましてや、神宮にカミガミの制御を丸投げしてきた近代では、その裏側の事情までは汲み取ってくれないだろう』

 そう、神宮はあくまで社会の裏側の組織だ。表の人間社会を順調に回すため、人知れず治安を脅かす神を狩る。故に、決して表社会に迷惑を掛けないことが最低条件で、巫女のなり手が少なかろうが、神力の供給能力にガタが来ていようが、表の政体には「関係がない」。神宮という組織がどれだけ窮状を訴えたところで、それが世論を喚起しない以上、内々で解決するしか無いのだ。故に、空海さんや叶が、近代的な戦略を研究し、合理的科学的な戦術を構築して、国津神の侵攻に対峙しようと努力してきたんだ。

 けれどもう、身内の改革でなんとかなる次元は、過ぎてしまった。

 大元の神力の供給が途絶えれば、今の巫女に戦う術は、ない。

 いや、厳密には、自らの魂を駆動することで神力に匹敵する力を発揮することも出来るのかも知れないけれど、そもそも退治する妖怪に対して肉体能力で劣っている巫女が、自らの力だけでその役割を全うするのは、非現実的だ。

 それなのに。

『あなたは、どうして……』

 サルタヒコは、そんな神宮を建て直すために、私をこの事実に導いた。

 滅ぶ運命の神宮を放っておけば、来年にも自動的に、国津神の勝利は確定しただろうに、それを知りながらあえて、私に神宮の建て直しをさせた。

 あまりにも、行動が矛盾している。

 つい先日に、10万の国津神を動員して地上への侵攻を企てたばかりで、それが私を根の国に連れて行くための芝居だったとしても、その前に何度も、国津神を率いて神宮に戦争を挑んできたのが、目の前のカミだ。

 それがどうして、仇敵の窮状を救うという行動に繋がるのか。

『カミは、民の信仰が糧だ。誰にも思い出されなくなれば、その個を維持できなくなる。我々の願いは、単純明快だ。

 この土地で生きていきたいから、信仰を絶やすな。

 それだけで、我らは生き続けられ……その見返りが、国土の平穏の維持だ』

『どうして、国津神の生存が、国土の平穏に繋がる、と?』

『火山神である大国主命と素戔嗚尊を慰め続けているのは、我々国津神なのだぞ』

 ?

 いや、なるほどなるほど、そういうカラクリなのか。

 確かに、天津神の神力を利用することで、鎮めの星は火山神の首根っこを押さえつけている。けれど、その憤懣を分散させ、大爆発を回避しているのは、火山神に仕えている国津神が担当している、という事なのか。

 いやけど、その動機が忘れられたくないからって、

『好きな子に悪戯しちゃう小学生男子じゃあるまいに』

『さて、神宮の監視網を誤魔化し続けるのにも限界がある。どうするのかは、月見里野乃華佐久夜比咩命、貴女が決めてくれ』

 と、そうだ。

 私がここに無抵抗で侵入できたのは、ひとえにサルタヒコによるステルス迷彩が効いているからに過ぎない。それも長くは保たない。雑談に費やしている場合じゃないのだ。

 現状、選択肢は四つ。

 1。この場で斎宮を破壊して全てをご破算にする。

 2。斎宮を活かしたまま高天原との神力のラインを繋ぎ直して、全国へ新たな神力を供給する。

 3。斎宮を抜きにして、私を核に新たな神力の供給網を構築する。

 4。神宮そのものを供給ラインから排除して、新しい供給網を設定する。

 けれど私は、今目の前にある斎宮に、同情を禁じ得ない。

 これ以上、カミの尊厳を損なうような、機能としての役割を続けさせるべきじゃない。

 そしてそれは、今現在も高天原に残り続けている、天女たちにも通じる憐憫だ。

 人の魂に、千年の摩耗は永すぎる。

 斎宮はもう、休まれてもいいはずだ。

 だから私は、語りかける。

『ここにも居るんでしょ、伊佐利いさり! あなたの出番よ。ここに、軌道エレベーターを築くわ!』

『は?』

 サルタヒコが間抜けな声を上げる。が、諸々の事情を考えれば、伊佐利とサルタヒコはグルだ。でなければ、天津神の娘であると伊佐利が承知していた理由が説明できない。あれも最初から、この計画に加担していた。それも神樹の本当の役割を知った上で、だ。

『む、バレてしまっては仕方が無い。良いのか、ここで』

神樹みきとの調整は済ませてあるんでしょ? 月は……出ているわね。やっちゃってちょうだい』

 神出鬼没とはこの事だが、相手はカミなのだから細かい事は考えない。天女帰還作戦を神樹と練っていたときから、伊佐利には地上側の門としての役割を準備させていたのだ。

『ちょっと待て。それは今、優先すべき事なのか?』

『そりゃそうでしょう』

 私は、五つ目の選択肢を選んだ。

 5。心御柱と神樹を一直線に結んで神力の供給と天女の帰還路とし、神樹に神力の制御神としての役割を兼務させる。

 その上で、神力の供給の最終決定権を私が握り、神宮の生殺与奪権を掌握する。

『それでは、全国の国津神はどうする? 現在の御瑞姫組織は、今の形で存続させるのか?』

『人に仇なす国津神は、今まで通り御瑞姫が狩るでしょうよ。その上で、私の軍門に下るのなら、国津神にも神力を供給しましょう。その差配は、各霊山の女神に一任するわ』

『かつての、十姫調伏体勢を復興させると?』

『その上で』

 サルタヒコを見据える。

天神てんしんの最期の一柱として、この星の共同統治を、提言するわ、地祇ちぎの長』

 極太の閃光が天から一直線に、覆屋に鎮まる心御柱目がけて降り注いだ。

 周囲一帯が見えない光に満たされ、現行の神力網を利用して、しかし新しい神網が同時に構築されていく。

 今この瞬間、千年を超える天津神の拘束は、消滅した。

 そして、見上げた空、遙かな高みから、既に人の姿を失った、数多の魂が還ってくる。

 天上から降り注ぐ光る滝の中を、生きる喜びに飛び跳ねる魚のように、円柱になるまでその身を磨り減らした天女たちが、思い思いの方法で、下降していた。

 それぞれが、それぞれの生まれた地、思い出の場所、そのよすがを求めて、遠くは大陸の果てを目指して、高天原から降り注いできた。

 その、全天を埋め尽くすほどの黄金の魂の煌めきを見上げ、腹をくくる。

 流れは、決した。

 もう、時代は逆流できない。

 私の神力は、ここ伊勢を拠点とし、天女を核として、遠からず地球に満ちていく。

 それがあまねくカミに行き届いた瞬間こそ、私が全地球のカミを掌握するのだ。

 月見里野乃華佐久夜比咩命、これより、この星の、守護者となろうぞ!


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