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第二話 ▶FUTURE ONE。誕生!新たなマジプロ、クラッシュ・プロミネンス!◀

皆がマジプロを憎む未来。




第二話 ▶FUTURE ONE。誕生!新たなマジプロ、クラッシュ・プロミネンス!◀




「ねえ、ママ。どうして町の外に出ちゃいけないの?」


そう問いかけるたび、愛子の母は苦しそうな顔をした。でも幼い愛子は同じ質問を繰り返した。何でも知りたい、5歳の愛子に、母は何も教えてあげることができなかった。


「教えて。どうして外に出ちゃだめなの?」

「それはね…。」


いつか、愛子が聞いたとき、すっかり酔った母は悲しそうに言った。


「あるマジプロの、所為なんだ…。」


それから何年が経っても、愛子はその意味を知らず、ただ『マジプロ』と言う人を憎むしかなかった。


そして愛子はもう中学校2年生になって…。


「ダキさん!町の外に出てはいけませんと何度言ったのかしら?」

「あはは、ばれちゃった…。」


先生は愛子を捕まって教室に戻った。昼休み、愛子はまた学校の後ろ、森を抜け出そうとしていた。


「出来さん、また捕まえたの?」

「うん…。あとすこしだったのに!」


愛子は残念がいっぱい残った顔つきをしていた。普通の町、普段の毎日。だけど、その中隠れているただ一つの秘密。町の外のことは大人しか知らないし、大人しか出られない。その秘密が知りたい人魚姫さんは、結局水面の上を目指すのであった。


「ああ、今日もだめだった。明日はどんな方へ抜け出したらいいんだ。」


呟いていた愛子は浮図大人達が集まっている姿を見た。倒れている女と、怒っているブランジェさんが、ベーカリの前で何と怒声をあげていた。どうしたんだろう。愛子はゆっくり足を止めた。もし、大人達だけの話をしているのではないか。そうなら絶対聞かないと。そう決めた愛子は忍者のように人たちに近づいた。


「やっと捕まえた、この泥棒!」

「今日だけではない。何度も何度も人の物を盗んで!」

「こんなこ、町から追い出してしまえばいい!」

「やめてください!」

(お母さん?)


愛子は驚いて、心から大声を出した。あっちから、びっこを酷くひいて、お母さんが来ていた。


「ちょうどよかった。出来さん、この子をー。」

「町の外に追い出してしまうなんて、その子が可哀想でもありませんか?」

「おい、お前がそんなこといったら、な…。」

「いいえ、私だから言われる。おねがい、そのこを放してください。」

「それはいけない。」

(この声ってもしかして、やまとお爺さん?)


愛子は顔をあげて声の元を見た。いつ来たか、そこには歴史の中で一番若い長老(なんだか言葉になりませんが)が杖を突いていた。彼は謹厳に女を見下ろしていた。


「この町から、出ていけ。この瞬間からお前はこの町の一員ではない。これが罰だ。」

「でも長老!」

「静かに!」


長老が杖をうち下ろすと皆静かになった。でも、愛子の母だけは、泣きそうな顔をしていた。


「出来、お前、まだ苦しんでいるのか。」

「…。」

「あの日のことは全部外の町のマジプロ達の所為だ。この町のだれの所為でもない。」

「またマジプロって言った…。」


自分知れず呟いてしまった愛子はすぐ皆の視線を受けた。大人達は慌てて口を結んだりした。愛子の母は驚いて愛子の元へ。長老はじっと愛子を見て、鋭い声で戒めた。


「愛子、お前も注意しろ。これ以上大人達のことに関わるな!」

「え…?いや、あの、私…!」

「帰ろう。出来、お前も付いてこい!」


長老は話も聞かずに戻ってしまった。すべての人がそれぞれの勤め先へもとって、残ったのは愛子と女、そして、女の元へ走ってきた男の子だった。


「お姉ちゃん、どうしよう…。」

「大丈夫。マジプロ達がきっと、守ってくれる…。」

「マジプロ?守る?」


愛子が瞬きをすると、そばの女、ゆなはため息をしては立ち上がった。


「…真実を知る勇気があるなら、今日の夜、私達と一緒に町を出よう。」

「え、いいの?出たらすぐ捕らわれちゃうだし!」

「罪深い人が町をでる夜には、誰もかもそとにでないのよ。」

「でも、それでは私のお母さんも…。」

「それはあんたの事情。」

「うう…。」

「町と町の境界まではいいでしょう。そこで見る本当の世界を、彼方は受け入れるかしら。」


わからないことばっかり言って、ゆなは自分の家に戻った。家とも言えない小さな部屋だった。そこで身を守れる最少の荷物だけ持って、ゆなは幼い弟と共に家を出た。


約束の時間が近づいた。愛子はなぜか戸惑う心に慌てていた。なぜか行っては行かない、そうと誰かテレパシーを使ってるようだった。


(でも、やっぱり知りたい!)


愛子は既に服を着替えて部屋のドアの前へ立っていた。息を深く吸い込んだ愛子は母のいるキチンに向った。


「ねえ、お母さん、私ちょっと走ってくる。」

「今、こんな時間に?大丈夫かしら。」

「大丈夫!最近ふとったし、何かしないと!」


愛子の母は心配そうな顔をした。まるで、愛子がいまから何をするか、どこへいくか、全部お見通しのように。しばらく悩んだ母は小さくため息をついて、こくりと頷いた。


「…わかったわ。では、気をつけて。」

「うん、わかった。じゃ、行ってきまーす!」


出るとした愛子は浮図、母を振り向いた。そしてなぜか伝わなくては行けない気がする言葉を、口にしてみた。


「お母さん、大好き!」

「お母さんも愛子が大好きだわ。」


愛子が走り出した後、母は空を見て小さく祈った。


「神様、どうかあの子を守って…。」


ゆなと会った愛子はともに町の外に続く道を歩いた。順番通り置かれた石がきれいに道を成し、周りには髪の毛のように豊かな芝生が果てしなく続いた。


「何だ、やっぱり村の外もおなじじゃん。」

「本番はこれからよ。気をつきなさい。」


その時だった。ゆなが持っていた懐中電灯が突然消した。無気味な空気に愛子は無理に唇を引っ張って笑った。


「か、風の所為でしょう?」

「風で消される電気はないわ。」

「そ、それじゃ…。」

「くるわ!」


あの遠くから急に影が愛子達を襲い掛かった。ゆなは弟の手を握り、反対側に走り始めた。ぼんやりと立っていた愛子は自分に影が迫ってくるのを防ぐこともできなかった。


「き、きゃああ!」

「どけ!」


その瞬間、帽子を深くかぶった男が影の前を立ちはだかった。影を向かって手を広げた男は集まったエネルギーを一度に放出し、影を消滅させた。


「はあ、だから大人達が来るなって言ったんだ。どうしてお前は無茶をして…。」

「か、か…。」

「か?」

「かっこいい!」


愛子が目をキラキラ輝くことをみて、男は呆れたか、ため息をついた。


「って普通泣かないのかよ、こんな何処では?!」

「でもかっこいいだもん!彼方がマジプロ?皆を守るの?」

「…おい、マジプロは、『皆』を守る者ではない。」

「え?」


わからない言葉がまた増えてきた。それを心に抱いて、愛子は空を裂くような悲鳴が聞こえてくる場所に再び首を回した。


「とにかく帰ろうぜ。さあ、俺の手をー。」

「帰らない。」

「はあ?」

「ゆなさん、あぶないんだもん。」

「おまえ、まじしらないのかよ。」

「何を?」

「あいつはな、一人で死にたくなくてお前を連れてきたのさ。それが町への復讐だとおもって。」

「そ、そんな!うそだよ!ゆなは私が知りたい真実を教えてくれるって…!」

「俺の言うことはいつも本当さ。だって。」


男が帽子を取った。日本人らしくない赤色の髪の毛が明かに見えた。


「俺は神だからな。」

「神…様?」

「あ、マジプロが見たいと言ったが。見せてやる。あの裏切り者達をな。」

「裏切る?誰を?」

「直接聞いて御覧?お前の母に。」

「お母さんに?どうして?まさかお母さんもマジ…?」

「飛んでいくからちゃんと捕まってろ。」

「ううっ!」


神様は愛子をお姫様だっこをして、瞬く間にゆなとその弟のいる場所にたどり着いた。愛子は少し離れた場所で、見ることが出来た。草のない不毛の地、砂だけ続く地平線。涙のように青く溶けてる月と、その明りのしたで戦う戦士達を。そしてでっかい影の上に乗っている一人の男を。


「決めるよ!」

「そうにはさせない!デッカゲ!」

「デッカァー!」

「きゃああ!」

「よわい、よわい、よわい!」


一人ずつ、マジプロが倒されていく。それを神はただ、見つめている。その戦場のなか、ゆなと弟は身をぶるぶる振るえている。


「次はお前らだ。立派なデッカゲになって貰う。」

「お、お姉ちゃん…。」

「うっ…!」


もぞもぞいやな気配がゆなとその弟の足を取る。カゲは言う。金がない。お母さん、お父さん、どうしてなくなったの。皆嫌い、憎い。全部なくなれ…。


「このままでは…。」

「ね、ねえちゃん?!」


食いしばったゆなは自分の弟を反対側へ投げた。やっと影から抜け出した小さな男の子は影に飲み込まれる姉ちゃんを見て泣いちゃう。


「飲み下せ、デッカゲ!いでよ、カブッタカゲ!」

「カブッタカゲ!」


その姿を見ていた愛子は口をふさぐ。でも、なぜか神様は何の驚きもないようだ。


「うそ!ゆなさん、影になっちゃった?」

「ああ、完全に食べられちゃったな、あれ。」

「ちょ、『あれ』なんて!」

「あれはあれさ。影になった人間はもう救われない。」

「そんな!どうかしてくれよ、神様!」


神様が目をそらした。ショックを受けた愛子はぼうっと倒れたマジプロと、影になったゆなと、その弟を見る。


「あはは!カブッタカゲ!お前の弟を倒せ!」

「家族なんかいらない!荷物になる!大嫌い!パンが食べたいと言った彼方のせいで私泥棒になっちゃった!」

「お、お姉ちゃん!」


男の子は体を震えながら後じさりをした。愛子が神様を何度呼んでも答えてくれなかった。それを見捨てることができなかった愛子はつい、走り出してる自分に着付けてしまう。


「お、おい!愛子!」


神様が愛子を掴もうとしたが、愛子から出たすごい力がそれを邪魔した。驚いた神様は自分の手のひらを見た。


「この力、まさか…!」


愛子はカブッタカゲの前を防いだ。そして、大きな声で叫んだ。


「ゆなさん、思い出して!弟との大切な日々を!」

「え…。」

「親がなくなって、きっと、一人で大変だったでしょう。全部諦めて逃げ出したくなる日もあったんでしょう。でも今まで倒れずに生きてきたのは、全部家族がいてくれたからじゃない!」

「家族…。」

「おい、なにしてるカブッタカゲ!あの子までぶっ倒せ!」

「うおおおおお!」


愛子はカブッタカゲが苦しむ姿を見た。どうすればわからず、悪になった自分の姿を呪う。その心を救ってあげたい。闇から光へ、出してあげたい。


「物盗みはきっと許されない!でも、弟を思うその気持はキラキラしてると思う!その輝きを私、守りたい!」


その瞬間、神様のオーラが手のひらに集まって、丸くなって、変身アイテムに姿をかわり、愛子の元に。神様は勝手に動く変身アイテムを呆然たる面持ちで見るだけ。そのかわり、カードよみと変身カードを持った愛子は迷わず光を纏った。


「マジプロ!時空超越!影の跡を壊せ、クラッシュ・プロミネンス!」

「新しいマジプロだと?」


マジプロになった愛子はピンク色のコスチュームを着ていた。クラッシュは後ろの壁を押さえてカブッタカゲにダッシュした。そのため、カブッタカゲの上にいた男が倒れた。


「くっ!行け!カブッタカゲ!あいつをぶっ倒せ!」

「そうにはさせない!」


クラッシュはカブッタカゲの拳を一手で止めた。そしてカブッタカゲを持ち上げて、くるくる回して、空の上に投げ出した。


「はぁぁっ!」


舞い上がったクラッシュはブッタカゲを拳で打った。影の中央が深く掘れた。その姿を見ていた神様は何度も、すごい、と呟いた。


「すごい、さすがストロークの…。」


その時、倒れていた外のマジプロ達が立ち上がった。彼女らは手をつないで、せいいっぱい、必殺技を使った。


「マジプロ!キング・オブ・ザ・ワイルド!」


突然現れたライオンがブッタカゲを向って飛びかかった。影を食いちぎるとするライオンをみて、クラッシュは慌ててその前を阻んだ。


「だめ!」


ライオンがクラッシュの前で止った。力を全部使ったマジプロ達が座り込んだ。その瞬間、ライオンが消えた。


「どうして止めるの?」

「彼方も私達と同じマジプロでしょう?」

「ブッタカゲは元々ゆなさんよ!絶対傷付けさせない!」

「じゃ、どうする。」

「神様?」

「彼方がどうしてここに!」


マジプロ達は神様をみて歯ぎしりをした。


「関係ないだろう。それより、お前あれをどうするつもりだ。最強のマジプロだったキュアストロークさえもあれはどうすることもできなかったぜ。」

「でも、私は、ゆなさんを助けたい!その気持は、絶対無駄なんかじゃない!」


その気持に反応したのか、クラッシュからピンクのオーラが発散された。そして希望を乗せて、拳を握って、クラッシュは大きな声で叫んだ。


「マジプロ!クラッシュ・ザ・シャドウ!」


クラッシュが拳を飛ばした。その瞬間、影がきえ、その中からゆなの手が見えてきた。クラッシュはゆなの手を引っ張った。


「!」


マジプロ達も驚いたが、誰よりも神様が衝撃を受けた顔をしてゆなとクラッシュを見た。


「ゆなさん!」

「愛子…。」

「良かった、本当に良かった…!」

「私…。彼方を利用したのに…。」

「無事だから、許してあげる。」

「あなたって、本当…。」

「そこまでだ。」

「だれ?」


クラッシュが顔をあげた。そこには先カブッタカゲを作り出した男がいた。


「デリュージョン様のためにお前たちスマイリーマジプロと新たなマジプロを排除する。神よ、道をあけろ。」

「止めておけ。」

「神よ、お前、なぜ『あの方』に反逆を?」

「スマイリー達は構わない。でも、この子は『あの町』の子だ。手をだしたらどうなるかわかってるはず。」

「くぅっ!」


幹部は悔しそうな顔して、後ろへ退った。そして、いずれ自分の気配を消し去った。


「ちょっと、先なんだよ、スマイリ─マジプロ達を見捨て…。うわっ!」


神様は突然クラッシュをお姫様だっこして、空へ舞い上がった。驚いたクラッシュは神様の首に手を回した。


「驚いたぁ…。何よ、急に!飛びたいなら一言でも言ってー。」

「ーかも知れない…。」

「え?」


クラッシュが目をばちばちさせた。今度は神様が目をキラキラして、何かを祈るように、クラッシュに話をかけた。


「お前なら救えるかも知れない!女帝・デリュージョンを!」

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