一話 追放
これは地球とはまた違った場所での話
「おい、そこ邪魔だ。俺は冒険者ランク2のカカ様だぞ。」
「今のもしかして俺に行ったの?俺の冒険者ランク4だけど…」
(冒険者ランクは1〜10)
俺の名前はユウ
冒険者として活動している。家は公爵家で中々の広さをしているが、俺が欲しいのは金や名誉ではない。世界一の力だ。俺は少し頭のネジが外れた人間なのかも知れない。
「ウーン、とりあえず……死ね」
ブシュという音を出して目の前の男は死んだ。首からスッパリきられて。
「「ギャーー」」街の住民達は慣れてないのか?モンスターの死体とたいして変わらないと思うけどな。そう思いながら家に帰った。
「また、問題を起こしたのか?」
「え?殴りかかって来たから殺しただけですよ?父上も殴りかかって来ようとした奴がいたら殺しますよね?」
「………お前に話すことがある。」
何だ深刻な顔して…「何ですか?」
「お前はこの家から追放する。お前はこれから最果ての森グランド・グリンへ行け。馬車も用意してあるからな。」
「はい。そこで暮せばいいのですね。一つ質問ですが、人はいますか?」
「100年前、洞窟に大魔道士アンラウスが行っている。という話を聞いたことがある。何でも修行に行くとか言ってな。」
そんな昔なら死んでるのかな…それにしても世界で一番危ないと言われているグリンの森に行かせるとは。
「そこで20年間修行してこい。その曲がった精神を叩き直すためにな。」
結局、俺が邪魔だから死んでこいと言ってるようなもんだけどね……
「分かりました。必ずや20年後戻って来ます。」
「もの分かりだけは、良いようだな。楽しみにしている。」
〜出発の日〜
「では行って来ます。」何人かの家政婦やメイドと父上、兄上が手を振っていた。真顔で。
「父上、ユウを殺しましたね。あの森に行かせるとは中々ひどいことをしますね。」
「あいつは少し人とは違うからな貴族たるもの民に慈悲を与えねばならんのに、これで普通の人になって欲しいものだ。まぁ死ぬがな。」
この森での暮らしが世界最強への第一歩となることをまだこの時は誰も知らない。