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幸凶至片  作者: 忍原富臣
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エラーリスト その4

 今、俺はアメリカのド田舎から日本という国にやってきたところだ。世界でも時々耳にする樹海と呼ばれる所に居るんだ。夜中の一時か二時くらいかな。時差ボケがあるおかげか全然眠たくないから丁度良かった。まあ、俺がこんな気味の悪い所で何をするのかって知りたいよな。知りたくないやつはそもそも俺の配信を見ないだろうから、そんな奴は居ないっていう感じで進めていこうか。批判は好きじゃないんだ。アンチはお帰りくださいってことだ。あと、良い子はおねんねの時間だから、学校、宿題、習い事が終わってからこの動画配信を見てくれよ。って言っても、生放送後のこの動画があげられるかどうかはわかんねえけどな。


 じゃあ本題に行こうか。「生まれる世界を間違えた」なんて甘い考えだと思うか?


 生きている世界が違うとか、もっと別の生き方ならとか、ゲームの世界ならとか、非現実的な妄想を張り巡らせては、自分はこんな程度で終わる奴じゃないなんて思って生きていないかい?


 もし、別次元のもう一人の自分に乗り移る事が出来れば、その順序を覚えていれば、いくら次の世界が今より貧しかろうが死にかけていようが、すぐに切り替えて別の世界線に移動すれば、いつかはマシな世界にたどり着けるんじゃねえかって思ったんだ。


 何言ってるのか分からないってやつが多いだろうから、簡単に説明してやるよ。ようはパラレルワールドの別世界線へ移動しようぜって話だ。


 じゃ、まず用意するものから紹介しよう。睡眠薬、どれでもいい、強力なものでもその辺で売ってそうな効き目の無さそうな安いやつでも。大事なのはそこじゃない。とりあえず眠れるかってことだな。強力なものを用意して一生お休み、なんて嫌だろ? おっと、話が逸れるから戻すぜ。


 乾燥させたハーブとユリの花、薔薇の刺、麻薬のいずれか。おっと、ちゃんと合法のものだと思うから安心してくれ。そこらへん歩いてるサングラスをしたおっさんに金を渡せばいつか貰えるよ、多分ね。まあ、あんまりおすすめはしないけどな。ちゃんと俺は正式に貰ったぜ。サングラスしたおっさんからな。おっさんじゃねえから安心してくれよ。


 まあ、そしてここからが重要だ。目を開いていても閉じていても見えない真暗闇の空間、他人との距離は出来る限り離れること。この空間の中、さっき言ったものを夜中の子の刻から寅の刻の間にすり鉢で粉上になるまで擦り合わせて飲み込む、そして寝る。そう、簡単だろ?


 お好みで蜂蜜何てものをいれるやつも居るとか居ないとか。まあ、甘い世界に行きたい奴はそっちの方がいいかもしれないが、今回は通常通りにいかせてもらう。甘ったれた考えは好きじゃないからな。こうしている俺の事を甘ったれた糞野郎だって批判する奴も居るだろうが、そんな奴らともグッバイだ。また会いたくはないが、また会おうって言葉だけは言っておくぜ。


 見てくれている皆、暗闇だから何も見えないだろうが、今、俺の目の前にはさっきの混ぜ合わせた粉とそれを飲むために持ってきた水がある。真っ暗なせいで俺も手探り状態だがな。動物の声が時々聞こえてくるのが薄気味悪いぜ。


 映像を見せてくれないと声だけじゃ分からないって言うだろうが、そこは我慢してくれよ。俺も見せてやりたいが本当の暗闇じゃないとダメってことだからな。基本を大事にってやつだ。


 じゃあ、すっとぼけのお気楽政治家や楽して生きている奴、他人を傷つける行為をする者たち、サヨナラだ。次の世界でそういう奴らが居ないことを祈るよ。まあ、実際にこの後どうなるかは分からねえが、今までありがとう。サンキュー――

――Errorcode001:消失

――New……Error……code……003:抜魂

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