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第6話 私が手に入れたもの

ランという友達を得たことをメルリルに手紙で伝えた。

いつか会いたい、ということだった。

すぐだと、「王妹と友人のあたし」に気後れを感じてランが退くかもしれない。

もっと仲良くなった後ならいいかもね。

オーレス学校の入学までに、仲が深まった。

周囲の人間の濃さすら、ランを変えない。

それが、あたしが()かれる理由なのかも知れない。

ランの趣味を楽しむために、四歳まで使っていた箒を物置から引っ張り出した。

転移のできる使い魔を手に入れてから乗っていなかったので、修理が必要だった。

兄たちが選んだ箒で、ランによるとなかなかマニアックなモデルらしい。

箒一本なのに、どの部分をいじるか・部品の調達・資金をどう稼ぐかなど話はつきない。

しまい込んでいた古い箒が、ランという新しい光に照らされて、貴重な子供時代の逸品(いっぴん)のように感じられた。

これこそ、あたしが友達に求めるものだ。

お返しに、カルア農園での新製品の開発にランを引き込んだ。

高級食材ゆえに、形の悪いもの、キズのあるものは流通させることが出来ない。

あたしは、それらを使ってなにか新しい商品を作りたかったのだ。

甘い匂いを生かして、石鹸(せっけん)を作ったり、香りつきロウソクを作ったり。

兄たちも手伝って、ワイワイガヤガヤ。

あたしが楽しんだように、ランも楽しんでいた。

成功より、失敗が多かったし、製品につながるようなものはまだだけど、いつか出来るだろう。

あたしはランの特訓により、また箒に乗れるようになった。

残念なことに、ランは食堂のバイト中に客の箒に触りまくったせいでおじさんから箒禁止令が出ている。

二年になって箒通学が認められるまで、ツーリングはお預けになったけど、色々調べるのがおもしろい。

どこへ行こうか?

あたしたちの望むまま、どこにでも行ってやる。

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