表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/26

第4話 トドメ

凶器のような言葉が、ランとミミコの幼馴染の(きずな)を引きちぎっていくのが見えるようだった。

いつもなら、決して言葉にされないだろう、鬱憤(うっぷん)・不満の(みにく)い言葉の嵐。

その激しさに、ランはただ立ち尽くしていた。

「あんた達!人に言えないようないやらしい事してるんでしょう。兄弟でスルなんて、あんた達は畜生(ちくしょう)だ。

人間じゃない!!」

あたしがこの機会を逃がすはずもなく、ミミコが悪意に酔って言ってはならない一言をいった後、トドメを刺してやった。

「サンサさんの気持ちは理解できないけど、ランちゃんがそんな子じゃないってことぐらい友達(・・)なら分かるわよ!

ミミコ、どっか行っちゃいなさい!汚いのはランちゃんじゃない、あなた(・・・)よ!」

ランを抱きしめて、ミミコを嫌悪の目で見てやった。

ミミコはさすがに言い過ぎた自分に気づいたらしく、口元を押さえていた。

いまさら後悔しても、口から出てしまった言葉は戻らない。

いつわりの友情の死。

その最高の瞬間。

あたしは震えるランをミミコからかばって、叫んだ。

「私達の前から消えて!」

一生ね。

走り去るミミコの後姿を見送った。

バイバイ、ミミコ。

あと、邪魔(じゃま)なのは、サンサだ。ランを曲げてしまう危険性をもつ男。

気持ちを知られた今、兄には戻らないだろう。

これは、遠ざけている間にサンサに勝てる男を見繕(みつくろ)うしかない。

あんな男でも、ランは兄だと思っているのだから、ミミコのようにはできないし。

サンサに勝つ男・・・難しい問題だけど、挑戦(ちょうせん)は大好き。

きっと、見つけてやる。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ