表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/26

第3話 撃つ

ねらいが決まったら、後は()つのみ。

二人一組の所に混ざり、三人一組が自然になってきたところで、ミミコがサンサに疑惑を持つように仕向けた。

少しずつ雨が石を穿(うが)つように、ミミコの心が疑惑に囚われていくのがわかった。

もう、何を見ても疑わしく、(けが)らわしいと感じているらしい。汚れてもいないのに、よく手を洗うようになった。

コップのふちまでたまった疑惑。表面張力ひょうめんちょうりょくギリギリで、あふれるその時を待っていた。

もちろんあたしは最初のうちに手を退いて、ミミコ自身でサンサの気持ちに気づいた形になるようにした。

もう、いつ引き金が引かれてもおかしくなかった。

だからあたしは、その時にランの味方ができるように側にいた。

きっかけは、なんでもないことだった。

サンサがミミコに会ったとき、ランはどうしたと聞いたらしい。

瀬戸際にいたミミコが爆発。サンサに積年の想いを告白して、自分を選ぶように詰め寄ったという。

もちろんサンサは断った。

断るのはランのせいかと、汚い、と(なじ)るミミコに、サンサが「過去も未来も、ランだけを愛している」と言ったらしい。

泣きながら、あたしと遊んでいたランのところに怒鳴り込んできた。

汚いだの、私を裏で笑っていたんだろうだの、混乱する心のままに、ミミコがランを責め立てた。

あたしは、ミミコに最初で最後になるだろう感謝をした。

あんたはランのこころを裏切った。

自分の勝手な想像を、ランより信じた。

ありがとう。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ