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第18話 不自然な友人

あたしは甘かった。

ダンとトワイスが戻ってくるなら、徒歩か商隊を乗り継いでだと思っていた。

実際は、友人の転移で贅沢な観光をしつつオーレスに接近中だということが、付き合いのある業者から分かった。

ミッツ商会に確認したけど、金目のものはみんな差し押さえたという。

なら、何が目的で「友人」とやらはあの二人に贅沢(ぜいたく)させているんだろう。

再審によって、農園の権利は兄弟とミッツ商会が半分ずつ持っていることになったから、二人においしいところなどないのに。

ただ、敵が来るのを待つ訳にも行かず、情報収集した。

自由になる元手が足りず、表のものしか拾えなかった。

友人は、江南ケット。46歳。妻と子供が二人。職業は、いまいち運営の下手な大地主。

二人と知り合ったのは、とある音楽会。顔見知りくらいの間柄。

それぐらいの仲で、上流で一番ホットな嫌われ者にサービスするなんて、おかしい。

さきに金を使わせて、あたしたちが断れないよう先手を打ったって感じがする。

金の無心より、ひどい交渉になりそうだ。

ケットが何を求めているのかさえ手探りで、言質を与えないよう言葉を選びながら行くしかない。

今頃、何にも考えずに友人のもてなしを楽しんでいるのかと思うと・・・吐き気がする。

あの二人から産まれたなんて、記録からも記憶からも消してしまいたい。



今後の対策を練るために、家族会議を開いた。

兄たちも、ケットについては噂ぐらいに信憑性の不確かな情報しか知らなかった。

噂が真実なら、ケットには性格も性根も容姿も声も悪い未婚の娘が二人いる。

兄たちを婿(むこ)として買う気かも知れない。

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