表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/26

第14話 絶縁宣言

カルア農園をあたしのものにすると決めた。

両親が、譲ってくれるのを待つなんて・・・あたしのガラじゃない。

現在の所有者は両親だけど、元々は祖父母のものだった。

相続のとき、農園の権利の半分を両親が持ち、残りは孫たちで分けた。

祖父母は、完全に家族経営で行くつもりだったと思うけど、両親はあたしを王都の学校にやるのに裏金が要ったから、権利の20パーセントを売った。まず、これを買い戻すのだ。70パーセントあれば、支配権を完全に奪える。

あたしがオーレスに戻っても、王都の華やかな暮らしに毒された両親は「農園の営業をしている」という理由で、王都をふらふらしている。付き合いの幅、流行を追う衣装類から考えても、農園からの利益だけでやっている訳がない。

きっと、すこしずつ権利を手放しているはずだ。

誰がそれらを持っているのか?

ある日突然家を乗っ取られて、身ひとつで放り出されるのはゴメンだ。

兄たちのツテ、あたしのツテを頼りに、農園の権利がどうなっているか調べた。

結果は、恐ろしいものだった。

両親はすっかり資産を使い果たし、農園の権利を二重に売っていた。

詐欺(さぎ)だ。

幸い、両親の持っている分だけだったとはいえ、上手いこと運ばれて賠償(ばいしょう)のために全部を奪われかねない。

奪うつもりだったのに、このままでは奪われてしまいそうだ。

あたしたちは個人的な物を、ありったけ売り払って現金を用意した。全部買い戻して書類を書き換えれば、両親の好きにはできなくなる。それが、救いだ。

ランとツーリングするための箒ですら、金に替えさせる両親が憎い。


あたしたちは、農園を家族だと思っている。家族を売った二人は、もう家族じゃない。

二重売りの罪を明らかにするかどうかは切り札に取って置くとしても、何か痛い目にあってもらわなくては。

一応、兄たちに、何か(・・)するつもりだと言った。あんなアホでも、愛しているかもって思ったから。

兄たちは、私を支持してくれた。もう、縁切りだから好きにしなさいだって。

おっとりした兄たちも今回の事で、堪忍袋の緒が切れたらしい。


了解はとった。さて、どうしようか。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ