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王女様は嘘がお好き  作者: 瀬峰りあ
2.その想いに触れたから
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幕間.夢路を辿ってあなたにあいに

 厚い雲に覆われた空の下、例年より少し早くやってきた秋が引き連れてきた冷たい風が身体に染みる。凍てつくような──とまではいかないもののいつもの制服に一枚余計に上着を羽織りたくなるような天気だ。

 ステンターにある神殿直属の学校。貴族や各地域の優秀な子息たちが通うこの学校に入学したばかりの私は、隣で教科書をまとめる金髪の少年が立ち去るのを見送る。ステンター国第二王子であり私の主でもあるシュワルツは、校内で私に関わられることを酷く嫌う。彼のお目付け役という名目で入学したこの学校だが、いかんせん本人から「校内で俺に話しかけるな」と命じられたせいで、学内で彼と接することはほとんど皆無だ。


 彼が居なくなるのを待っていたせいか、ほとんどのクラスメイトが席を立った教室。廊下に出ようとした私につい先程まで授業をしていた老師が一組のプリントを手渡してきた。

「クォーツくん、今日も出席しなかったみたいでの。儂が探してもいいんだが老体にはちと重労働でなぁ……。もし出来ればお前さん、届けてやってはくれんかね?」

「離れの寄宿舎の屋根裏でしたよね? 分かりました、預かります」

 ミーナ・クォーツ。私やシュワルツのクラスメイトであり平民出身の十五歳。校内でもトップを争う成績の私とシュワルツを差し置き、不動の学年一位をマークする鬼才の少女だ。

 成績優秀な彼女だがその素行には問題が多く、授業に出席するのが稀どころか見かけることさえ滅多にない──出席したとしても授業開始から突っ伏して寝ているため顔を見たものは片手で数えるほど──といういわば珍獣のような扱いを受けている。そんな彼女が根城としている寄宿舎の屋根裏の入り口には怪しげな薬品や機械油などが所狭しと並べられており、「屋根裏の眠り姫」や「マッドサイエンティスト」の名を欲しいままにした彼女の存在をより一層秘密めいたものとしていた。


 音をたてて軋む階段を慎重に上り、床に積み上げられた薬品棚にぶつからないよう足を進める。壁に備え付けられている梯子を登れば頭一つがようやく入るほど小さな入り口に行き当たった。

 腕に力を込め梯子を登りきった先には想像していた以上に広大な空間が広がっており、その床──構造的には天井──には板が見えないほど沢山のものが並べられている。

 もはや足の踏み場もないその屋根裏部屋の奥、蝋燭に照らされた机に向かう小さな人影が目に写った。

「クォーツさん」

 なんとか近付いて声をかけるものの返事はない。一心不乱に顕微鏡を覗き込む彼女には、私の声は聞こえていないようだ。

「クォーツさん。ミーナ・クォーツさん」

「……んん?」

 肩を叩いたことでようやく気が付いたのか、彼女はぱっと振り向く。つけていたゴーグルを外し、煤まみれになっていた顔を肘で擦って私を見上げた。


「えーと、誰、かな……?」

「クラスメイトのルシフェル・リヒテンシュテルンです。先生から頼まれたプリントを届けに」

 栗色の目を瞬かせ、プリントを受け取った彼女は顔を綻ばせた。軽くまとめられた髪から飛び出した後れ毛が実験用の送風機になびいている。鼻を刺すようなつんとした薬品臭の中、柔らかな石鹸のような香りが一瞬、鼻腔を掠めた。

 礼を口にしようとしたのか、僅かに口を開けたクォーツさんだがそれよりも先にぐぅ~っという情けない音が屋根裏部屋に響いた。目の前の彼女は顔を真っ赤にして腹部を押さえている。

「お腹空いてるんですか?先程昼食は済んだでしょうに」

「あ、えっとね?実は、食べてなくて。……軽く三日前くらいから」

 恥ずかしいなあ、と頭を掻く彼女に私は軽い目眩を覚えた。三日前から食事を摂っていない、と……?

「……とりあえず、これでも食べてください」

 バッグから常備している軽食——今日はクッキーだった——を取り出し彼女の手に乗せようとする。表情を明るくした彼女だが、一瞬にしてその眉は悲しげに下げられた。

 そう。彼女の手は何かの研究途中だったせいか煤まみれで、とてもではないが食事を採れるような状態ではなかったのだ。

「あっ、あの、気持ちだけもらうね?」

 体の前で両手を交差させ、先程の表情を誤魔化すように高速で手を振るクォーツさん。バタバタと忙しいその動きに私は軽食のクッキーの入っていた袋を開け中身を一つ、指先で掴み上げた。

「ほら、口開けて下さい」

 ずい、とそれを差し出せば、目を丸くしたクォーツさんは目の前のクッキーと私を交互に見て困惑の表情を浮かべた。


「あの、ルシフェルくん?」

「お腹空いたんじゃないんですか。口、開けて下さい。その手では掴めないでしょう」

「でも、食べさせてもらうのは申し訳な……うぅ」

 彼女の言葉に被せるように腹の虫が自己主張を強める。顔を真っ赤に染めた彼女を前にむくむくと沸いた嗜虐心から、私は指先で挟んだクッキーを彼女の唇に近付けた。

「食べるまで、このまま動きませんからね」

「!?」

 暫く固まったクォーツさんだったが、空腹には耐えられなかったのか差し出したクッキーを啄んだ。それを押し込むように力を入れると、指先が彼女の唇に微かに触れる。その感触に不意に理性が戻ってきたのか、私はぱっと手を離した。挙動不審な動きをする私に相対するクォーツさんは、もぐもぐとクッキーを咀嚼すると「美味しい!」と無邪気に口にした。


「あのっ! ルシフェルくん!」

「……なんです?」

「とっても美味しかった、ありがとう」

 ふわりと微笑んだ彼女の笑顔に「可愛い」という印象を覚えた自分に驚いた。煤まみれの顔の、どこが可愛いというのだろう。


「えーと、あの」

「……なんです、一体」

「出来れば、もう一枚食べたいなー、なんて思ったり、しなかったり……?」

 上目使いで私を窺う少女の姿に、照れ隠しなのか先程よりも少し乱雑にクッキーを掴んで差し出した。……このとき沸いた感情が理解できるのは、まだまだ先の話だ。



「……みー、……アルフレッド?」

「おおルシフェル、おはよーさん。随分と幸せそうな顔して寝てたが夢でも見てたのか?」

 すっきりとした目覚めとは言い難い。ステンターから馬をとばして数日、アルフレッドと交代で火の番をしながら野宿していたルシフェルは、未だぼんやりとした夢の中から抜け出せずにいた。

「夢にミーナが、出てきまして。学生時代の」

 意識を覚醒すべく節々の痛む体の間接を回してみる。燻った炎を絶やさないよう千切った枝を投げ入れていたアルフレッドが面白そうに眉をあげた。

「そりゃあれだ、ミーナさんがルシフェルのことを思ってくれてるんだろ」

「……は? 逆でしょう。夢を見たのは私です、それをいうなら私がミーナのことを思っていたからでは?」

「お前たまにこっぱずかしいことを素面で言うよなぁ……」

 しょっぱい顔をしたアルフレッドは足を組み直し大きく伸びをした。


「あー、東のほうの島国の風習か何かだったか?夢に好きな人が出てくるのはその人が自分を想ってくれてるから~、とかなんとか」

「貴方も大概ロマンチストですよね。夢なんて所詮、深層心理のあらわれに過ぎないというのに」

「そーさな。ま、でもそう考えて悪い気はしねぇだろ?」

 ニッと笑ったアルフレッドに、ルシフェルは視線をそらして頭を掻いた。


「代わりますよアルフレッド。貴方の夢にも誰か、出てきてくれればいいですけどね」

「すーぐそういうことを言う」

 アルフレッドは唇を尖らせて、そうしてごろりと地面に横になった。居心地が悪いのか数度体をもぞもぞと動かし、視線だけでルシフェルを見やる。

 オセルスまで、たった二人の強行軍だ。自分と異なり文官の彼にとって厳しい道程だということは想像に難くない。ましてや、魔物の襲撃から身を守るために寝ずの番をしなくてはならないのだから、尚更だ。

 少しからかいすぎたかと思ったが案外、彼の表情は優しげに緩んでいた。ぱちぱち、と火のはぜる音が眠りにおちかけた意識の中で微かに聞こえる。ごちそーさん、とアルフレッドは内心苦笑しながら目を閉じた。



***



「えーと、ちょっと早く来すぎたかな……?」

 待ち合わせ場所の噴水を、建物の影に隠れてそっと窺う。手元の腕時計──は忘れたけど、目を凝らして時計台を見るとまだ約束の時間まで半刻もあった。

「こ、ここは出ていくべき? それとも時間まで待つ……? でもルシフェルくんもう待ってるし……うぅ」

 仕立てのいいカジュアルなスーツを身にまとったルシフェルくんは、制服を来ていても大人っぽく見えるのに、普段の数倍カッコよく見える。──しかもあれは、絶対に美形じゃないと着こなせない色とデザインだ。服に詳しくない私から見ても絶対にそう。

 その証拠に行き交う人達は、皆ルシフェルくんを見ている。ルシフェルくんの幼馴染のシュワルツ王子も美形だから二人のことを学園の皆が憧れているのに、どっちも全く気付いていない。今だって、人の視線を全く気にもせずただただ優雅に立っている。その姿勢すらも綺麗で羨ましい。


 ──私、ミーナ・クォーツは何があったかそんなルシフェルくんとお付き合いさせて頂いている。

 初めてちゃんと話したのは屋根裏の研究部屋。その時から優しい人だなとは思ってたけど、まさかこんなことになるだなんて私は予想してなかった。「私が貴女のことが好きだと言ったらどうします?」って告白されたときも全然気が付かなくて、「嬉しい、かなあ」なんて笑顔で答えたら溜め息までつかれたのに。

 研究のことしか頭になくて、料理も裁縫も苦手だし容姿が取り立てて可愛い訳でもない。こんな私を好きだなんて、ルシフェルくんの言ったことは冗談なんじゃないかっていつも思ってる。それか、最初は気になっていたけどこんな私になんて冷めてしまってるんじゃないかとも。



 やっぱり待たせておくのは申し訳ないから、私はパタパタと建物の影から出てルシフェルくんへと駆け寄った。私の姿に気付くと、ルシフェルくんは小さく溜め息をついてこっちに向き直った。

「ごめんねルシフェルくん! 待った? 待ったよね?」

「……待ったも何も、貴女さっきから隠れてこちらを見ていたでしょう」

「うぇ!? なんで知って……うぅ、気付いてたのなら声かけてくれればよかったのに……」

「挙動不審な動きを見ているのはなかなか楽しかったですから」

 そう言って心底可笑しそうに笑う。なんだか怒るに怒れなくてむすっとして口をつぐんでいると、そんな私を置いてルシフェルくんは歩き出してしまう。私は慌ててそのあとに続いた。



「えーと、コオホネ、カラスビシャク、トウキ……あとはトリカブトと……」

「トリカブト? それはまた随分と物騒なものを」

「確かに毒草だけど、量を間違えなければ麻酔として使えるから。加工の仕方が独特だから、買い出しに来なきゃいけないんだけどね」

 店の中を我が物顔で闊歩し次々とお目当ての材料を手に取っていく私のすぐ隣で、ルシフェルくんは物珍しそうに店内を眺めている。

「それにしても、折角の誕生日なのに私の買い出しなんかに付き合わせてよかったの……?」

 ルシフェルくんは特に行きたいところはなかったみたいで、ふらふらと街を歩いていたときに私が思い出したこの店に足を運んでいた。しかし、向かった場所は研究の材料を取り扱っている薬草店。普通のデートって、一緒に遊んだり甘いもの食べたりとかするんじゃなかったっけ……?

「ここにいるときの貴女は楽しそうですから。私は見ているだけで十分満足ですよ」

 さらっとそんなことを口にするルシフェルくんは恐ろしい。私、もし男の子に生まれていたとしてもこんなこと絶対言えないもの。……しかも、微塵も照れていないし。

「それで、次はどこへ?」

「……あっ、あのっ! 甘いものとか食べにいきませんか!」

「甘いもの?」

「折角街に来たのに私の買い出しだけじゃ申し訳ないし……デートっぽいことって言ったらこれくらいしか思い付かなくて……」


 言いながらもだんだん自信がなくなってきてごにょごにょと言葉尻を濁す。視線を逸らして固まっていると、ルシフェルくんはまた溜め息をついた。

「私の作るものより美味しい自信はおありですか?」

「へ……!? いや、わからないけど……」

「大抵の物は人並み以上に作れる自信はありますから。まあ、貴女がどうしてもというのなら行ってもいいですけれど」

「……う、ルシフェルくんの作った料理より美味しいところなんて知りません……」

 ルシフェルくんの料理は美味しい。一人で研究部屋に籠っていたころは食事なんて全く気にしていなかったけど、ルシフェルくんと会うようになって、その度に美味しいものを作ってもらって(餌付けとも言う)、私は食事が楽しみになった。

「それでしたら、買い出しを続けましょう」

 甘いもの作戦を諦めた私の目の前で、ルシフェルくんは満足そうに笑って店の外へ出ていってしまう。さっき買った材料の入った袋を店員さんから受け取ろうとしたら、「お連れの方がお持ちになられましたよ」なんて言われて。くるっと振り返ってみると、ルシフェルくんは袋を軽く掲げて見せた。



 薬草店を出てから数店舗馴染みの店を周り、特注で頼んでいた実験道具を取りに行っているうちに太陽はとっくに沈んで辺りは暗くなってしまった。

 いつの間にか荷物は全部ルシフェルくんが持ってしまっていて、手持ち無沙汰な私はショルダーバッグの蓋を開けたり閉めたりしている。

「ルシフェルくん、そろそろ帰らないと。時間が」

 私のように平民上がりの生徒は寮に住んでいるけれど、ルシフェルくんたちみたいな貴族の生徒は家から通学している。校内で身分の差はないとはいうけれど、実際問題住む場所からして違うのだ。

「寮まで送りますよ。こんな荷物、一人では持てないでしょう?」

「だっ、大丈夫だよ……! これくらいちゃんと持てるから!」

「私が送りたいんです。今日は誕生日なんですから、それくらい聞いてくれてもいいでしょう?」

「でも……誘ってくれたのに、私の用事に付き合わせてばっかりだったし」

 折角の誕生日なのに、プレゼントもあげられてない。下を向いてそう呟くと、ルシフェルくんはふっと笑った。何事かと思って顔をあげる。


「頂きましたよ? プレゼントなら」

「え……? だって私、何にも」

「今日一日、貴女の時間を頂きました。一日中側にいられる機会なんて、滅多にありませんでしたから」

 十分すぎるくらいですよ、とルシフェルくんは笑う。 私は恥ずかしいのと照れくさいのと、なにがなんだかよくわからなくなって、そのまま数歩踏み出してルシフェルくんにぎゅっと抱きつく。ルシフェルくんは一瞬固まって、そのあとぎこちない手つきで私の頭を撫でた。

「……私もルシフェルくんと一緒にいれて嬉しかった、です」

「私もです。……好きですよ、ミーナ」

 吐息のかかりそうな距離でそんなことを言われて。驚いて身体を離そうとしたけど腰を押さえられていて動けない。

「……わっ、私も、って言った方がいいの?」

「貴女にお任せしますよ?」

 そう言ってルシフェルくんは目を細める。

 真っ赤になった顔を見られたくなくて、ルシフェルくんの身体に顔を押し付けた。


 ルシフェルくんの言葉が頭の中をぐるぐる駆け巡る。

 大好きだって、面と向かって言ってくれるだなんて思ってなかった。

 名前だって、普段は頼んでも絶対呼んでくれないくせに。

 ──私はちゃんと好きでいてもらえてるんだなあって改めてわかって、一気に安心して視界が潤んでいく。


 ああ、もう! これじゃあプレゼントをもらったのは私のほうだよ。


「お誕生日おめでとう!私も、だっ、大好きです……!」


 回した腕に力を込める。もう不安なんて、これっぽっちも残っていなかった。



 ふ、と視界が明るくなった。爽やかな鳥の鳴き声にミーナが慌てて体を起こせば、けたたましい音をたてて机に積んでおいた実験器具が雪崩れていく。

 床に逆さまに落ちた鍋の底にミーナの顔が写る。頬にはくっきりと線がついていて、ミーナは自分がいつの間にか研究室の机で寝落ちしていたことに今更ながら気が付いた。

 時計を確認すればまだジュリを起こすのには早すぎる時間だ。いつから寝てしまったいたのだろう、と首を傾げて昨日の記憶を辿る。しかし思い起こせるのは夢の内容ばかりで、誰も見ていないというのにミーナはぽぽぽ、と染まった頬を隠すようにほっぺたに手をあてた。


 夢に見たのは夫であるルシフェルと付き合い始めてすぐの出来事だった。当時ミーナは自分とルシフェルとの身分差に悩んでいた。

 ルシフェルはあのシュワルツ王子の乳兄弟ということからもわかるが所謂高貴な──正確に言えば公爵家──家柄だ。ステンター王家の流れを汲むリヒテンシュテルン家は、現宰相とエディリーンの実家でもあるヴィスケリ家やアルフレッド団長の実家であるランバート家のように第一線で働いている訳ではないけれど、世が世なら王位に就いていたっておかしいことは何らないほどの血筋だ。

 あの日、ルシフェルからの好意を受け止めながらも今一歩信じきれないでいたミーナの不安を彼は綺麗さっぱり拭い去ってくれた。その後いざリヒテンシュテルン家へ向かったときも彼の実家はミーナを手放しに歓迎し、「こんな偏屈でいいのなら」「今日にでもお嫁に来てくれていいのよ」と。無論それは勉学一筋だったルシフェルに訪れた春を喜んだこととともに、ミーナ自身が学生時代から頭角をあらわすほど優秀であり、ルシフェルと関係を持つことで得る地位に欠片の興味もなかったことも理由ではあるのだが。


「うぅ、まずはこれ、片付けなくちゃかなあ……」

 先日、アルミラに迫られ思い出話をしたからこんな夢を見たのだろうか。味気のない、栄養分を補給するだけのゼリーを吸い込みながらミーナはルシフェルの作ってくれた温かい料理を思う。随分と舌が肥えてしまったなあなんてことを考えて、ミーナは知らぬ間にまた頬をゆるめた。

「ルシフェル、無理してないといいんだけど」

 窓から覗く夏めいた高い雲を見上げながら、ミーナは王子を追いかけ隣国へ向かった愛しい人の無事を祈ったのだった。


いつも王女様は嘘がお好きをお読み頂きありがとうございます。

これにて第二部を完結とさせて頂きます。


第三部につきましては、私用のため2月11日以降の更新となりますことを了承頂ければと思います。

掲載開始日時が固まりましたら、後書きへの追記及び活動報告にてご連絡させて頂きます。今後ともよろしくお願いいたします。


追記 2020.2.11

更新の再開は2/17からとさせて頂きます。よろしくお願いいたします。

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