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Somebody  作者: 星野☆明美
6/6

Nobody else but you.

「どうしてここにいるの?」

目覚めると、みずきが聞いた。

点滴でアルコールが抜けた状態だから、多分みずきの頭ははっきりしている。

「ここにいたいから」

「答えになってない」

「・・・もう一回、俺とやり直さない?」

「やり直すって何を?」

「人生を」

みずきは癇癪を起こしそうになって、急にガクンと力を落とし、わあわあ泣き出した。

子どもみたいに大声あげて、手放し状態だった。

俺がみずきを抱き締めると、最初抵抗して、ひるんで、怯えて、俺の胸に顔を押し当てて泣きじゃくった。

「みずきちゃん~どうしたよ?昔みたいに俺のことバカバカ言わんのか?」

「なんでいまさら私に構うのよ?」

「なんでかなぁ」

「バカ」

「昔はさぁ、何だって新鮮で興奮できただろ?またあんな人生にしようよ」

「もう無理だもん」

「無理じゃないよ。生きてる限り何度だってやり直せる。俺と生きよう」

「ほんとに本物?」

「いてててつねるな」

看護師さんたちがいつのまにか気をきかせて退出してくれていた。

「あの時のこと覚えてる?あれは・・・」

いろんな想い出話しをした。

確かに時間は刻々と過ぎて行くけれど、忘れさえしなければ過去へ飛べる。

すぐに依存症から抜け出すことはむずかしいだろう。それでも、確かに過去「僕」はみずきを好きだったし、現在「俺」はここでみずきとこうしてる。

諦めなければ、未来も手に入れられるだろう。

「どうしたの?大人のおとこの人みたいになっちゃって」

「なっちゃったのかもな」

ははは、と俺は笑った。


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