プロローグ
ウォッチな妖怪ゲームにはまり妖怪を題材に何か書きたいな、なんて思ったにわか妖怪ファンの作者が思いつきで書いた。
軽めに読める物を目指したのに、なぜかシリアスに仕上がってしまった作品。
たまには変わった読み物を……。
なんて思っている方、大募集です。
テンプレ作家なので、似たような物語があるかもしれませんが、そこはスルーでお願いします。
年内完結を目指しているので、エタる予定はありません! ガンガン更新していく勢いで書きます!(多分)
「撃て! 撃て! これ以上奴らを近付け……がはぁ!」
武装した男が強大な爪で引き裂かれ、雪野に真っ赤な花を咲かせ、
「し、指令……!!」
助けに向かおうとした隊員も、巨大な何かの足に踏みつぶされた。
昼と夜の境目、『逢魔が時』に奴らは現れた。
むせ返るような血と炎と火薬の匂い。
広大な銀世界に、絶望と怨嗟の悲鳴が響き渡る。
その全てのみ込むように、血の色をした太陽が沈んでいく。
すでに部隊の半数以上が動かない骸となっている。
それでも隊員たちは戦い続けた。
愛する家族のため?
愛しい恋人のため?
もちろん、自分が死なないためでもあるだろう。
「クソが! 死ね! 死ねよ!」
半狂乱の隊員が大ムカデを仕留め、顔を濡らす体液にも怯まず銃を撃ち続けた。
が、
「ぐっ⁉ ぐへぇぇぇぇぇ!」
いきなり喉を掻きむしり、地面を転がり苦しみだす。
どうやら大ムカデの体液に毒が含まれていたのだろう。
「え! 衛生兵!」
走り出す仲間が近寄り叫ぶが、
「がはっ!」
どこからか飛んできた妖気の塊に胸を撃ち抜かれた。
「きひっ! きしし…………!!」
死肉を喰らうためなのか?
隊員の亡骸に近付く蛇骨婆の体が、誰かが投げたハンドグレネードで四散した。
雪野を歪≪いびつ≫に染めるのは、もう、何の血なのか分からない。
そう。
ここは人間と妖怪が血で血を洗う世界なのだから…………。