忘れ物
「あ…」
「先輩?どうかしたんですか?」
「財布がない」
「え、どこかで落としたんですか?」
「かもしれないわ。
あー…カードとかの手続き面倒だな」
「探します?」
「私は少し探してみるから、百々は先に行っていいわよ」
「手伝いますよ!」
「ありがとう。でも、お昼食べる時間無くなっちゃうかもしれないから、いいわよ」
「平気ですよ!少し探してダメなら奢りますから、一緒に食べましょう!」
「でも悪いわ」
「なら、今度何か奢ってください」
TRR...TRハイ、ハイイマスヨ
「分かった。百々はこの辺を少し探してくれ。
私は、ちょっとトイレとか見てくるから」
「はい!」
「あ、先輩。なんかお客さんが来てるみたいっすよ」
「ん?私にか?」
「なんでも、忘れ物を届けに来たとか」
「そうか、ついでに行ってくるよ」
-受付
「おや?青年」
「あー、姉さん。仕事中に悪い」
「構わないよ。それで?何あったの?」
「財布忘れてただろ?
俺、講義昼過ぎからだから届けに来たんだよ。後、ほら弁当」
「あぁ…財布、家に忘れてたのか。
しかし弁当とはどうしたのさ」
「玄関に置いてあったよ。
弁当は、昼飯作るついでにな。俺も来るの遅れたし、飯買う時間も無いかなと思って」
「助かった。ありがとう青年」
「うい。んじゃ、俺は大学行くわ」
「あぁ、気をつけて行くんだよ」
-物陰
「誰だれ」
「百々もしらねーの?うーん、先輩の彼氏さんじゃね?」
「あ、まさかあの噂の…」
「あれマジだったのか」
「高さんに聞いてみよう!」
「だな!」