先輩な姉さん
職場にて
「先輩、資料できました」
「ここ数字間違えてる。気をつけなさい」
「あ、すみません」
「作り直しておいてね。
高さん、先方との商談はどうなりましたか」
「渋ってるねぇ」
「なんとかいけそうですか?」
「もう少し掛かると思うけど、なんとか説得してくるよ」
「わかりました、部長にもそう伝えておきます。
…すみません、先に昼休憩もらいますね」
-
「先輩、凄いけど怖いなぁ」
「ははは、根はいい子だと思うんだけどねぇ。あのピリピリした空気が近寄りがたい感じはあるよね」
「結構ノリが良かったりもしますしね。
そういえば、先輩の彼氏さんってどんな人なんでしょうか」
「あれ?あの子、彼氏さん居るの?」
「高さん聞いたことありません?先輩の噂」
「噂?」
「なんでも、同棲している男性がいるとか」
「あぁ…なんか、フジ君が飲みの時に疲れた顔でそんな事言ってたかも」
「藤君、噂とか好きですからねぇ…」
「そのせいで、よく怒られてる気もするけどね」
休憩室にて
「ふぅ…ん?通知?珍しい、青年じゃないか。
………そうか、青年は友人と楽しくカフェタイムか。羨ましいな。
むっ…羨ましいけど、なんか悔しさもあるぞ。…このコップ、ドットルのか…青年の大学からだと駅前か。
青年よ。私には無いのかな?
'私は、そこの甘いカフェオレが好きだな'
これは催促じゃない。コメントなんて来ないであろう青年のコメント欄に色を添えただけ」
「あれ?先輩何してるんすか?」
「フジか。休憩か?」
「そっすよ。書類が一段落したんで。んなことより、先輩もツブヤキとかするんすね」
「知り合いが始めたと言ってきてね。その時に始めてみたんだ」
「へぇ…随分とその知り合いさんにお熱っすね」
「は?」
「いや、先輩がわざわざ登録までするなんて、お熱の証拠なのでは?」
「そんな訳無いだろう」
「でも、俺がしたとか言っても始めないっすよね?」
「当然だ」
「うーん、この」
「さて、私はもう戻る。フジもサボりすぎるなよ」
「ある程度は見逃してくれるんスね」
「…目に余らない程度なら、息抜きは必要だ」
「あ、先輩、通知来てますよ」
「え?」
「嘘です。そんな慌てて携帯見なくても…」
「……さて、百々(もも)に話す事があったな…。
休憩から戻ってきた時、楽しみにしておけフジ。」
「ちょ、ちょっとした冗談じゃないですか!」
「知らんな」
「人の彼女を引き合いに出すって卑怯っすよ!」
「引き合い?何の話だ?
私は、個人的に百々に話があるだけだ」
「ま、まって!先輩!まってぇ!無視して行かないで―」
「せいぜい、ゆっくり休憩するといい!」
百々(もも)
女性 後輩
藤の彼女
高さん
おじさん 同じ部署
藤
男性 後輩
百々の彼氏
今後出てくるかは…うーん。