初対面
ついにこの日が来てしまった。皇太子と対面の日。周りは慌ただしく動いている。私は動けないでいる。何故なら豪華なドレスを着せられコルセットはきつく締め上げらている。動けるはずがない。
「まぁ、とても美しいですわ。巫子様。巫子様にぴったりのドレスですわ」
濃いブルーのドレスでこの色はこの国の象徴らしい。
「もうすぐで皇太子様がお着きになります。運命の瞬間ですわね!」
おとぎ話のようにはいかないだろう。一目惚れなんてそうそうない。不安と緊張が全身で感じられる。
「ひどい顔ですね。大丈夫ですか」
「フェリクスさん…」
「ここでヘマをしないで下さいね。陛下の威光に関わりますから。」
また無理をおっしゃる。焼き付けばのマナーや言葉使いで乗り切れるだろか。相手は皇太子様だよ。
「皇太子様のことが気になりますか。ご心配なく例え皇太子様が貴方を気に入らなくても貴方は巫子、無体にはしないでしょう。」
だからしっかりしなさい。と言われた。本当にこの人は私に嫌味を言いたいのか励ましたいのかわからない。けど敵じゃないんだね。そう思っておこう。
「もし皇太子様に嫌われたら慰めてくれますか」
フェリクスさんはびっくりしてた。
「この国の皇妃としてみっちり教育してあげますよ。」
そう言って行ってしまった。
「皇太子様がお着きになりました。」
重たいドア開かれ皆一斉に皇太子に敬意を表してる。
「此度の地方への慰問ご苦労であったエリク」
「いえ、これが私の仕事です。でそちらの女性は?」
「うむ、異世界から召喚した巫子でお前の嫁だ。」
「えっ、」
やっぱそうなるよね。逃げたい…
皇太子様ビックリして固まってるよ。どうする私ここで私は嫌ですと言うべきか。でも言ったらフェリクスさんが何するかわからない。ここで何かやらかしたら私はどうなるだろうか。誰かこの沈黙を破ってくれ!
「彼女と2人で話がしたいです。」
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