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聖印の導き  作者: hiro
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力を持つ者

三人は研究所の入口に着いた。


研究所は図書館のような見た目でとても広かった。

壁には本棚がずらりと並び、多くの魔術師たちが本を手に歩き回っている。

机の上にはよくわからない実験器具が並んでいたり、壺から湯気が出ていたりと見たことない光景ばかりだった。


シュエルは入口から一番近くにいた魔術師に声を掛けた。

「すみません。私たち魔術師を探していて」

「えっ?そういうことなら所長に話してみて。一番上の部屋にいるから」

魔術師はそう答えると忙しそうにどこかへ行ってしまった。


「いそがしそうだねー」

「なかなか美人なねーちゃんだったな」

「もうっ!所長に会いにいきますよ」


特に入場を規制されているわけでもなく簡単に中に入れた。

奥の階段を上りそのまま一番上の階へ向かった。


「ここかしら」

三人は大きなのドアの前に立っている。


シュエルがドアをノックしようとしたところ

「開いてるよ」

と中から声がした。


三人は驚いて顔を見合わせた。

リューイがドアを開けて中に入る。


とても汚い部屋だった。机や床には本や資料が山積みで食べ物や飲み物をちらほら。

埃っぽい感じもするし、たばこの煙で部屋全体が白く霧がかっていた。


「いらっしゃい」

机に座る煙草を口にくわえた女性が声を掛ける。

髪は銀色で短く、大きな赤い目と白い肌。

あまり健康的には見えないがすこし重量感を感じる体系に服装はスーツのようだった。


シュエルが話し始める。

「はじめまして、私たちセーラの神殿から来ました。私はシュエル。こっちはリューイとリンです」

「ご丁寧に。あたしはナルスタシア。ここの所長だよ」

「よかった。私たち魔術師で仲間になってくれる人を探しています。心当たりはありませんか?」


話している間ナルスタシアは値踏みするような視線で三人を見ている。

「ちょっと不気味かもー」

その鋭い視線にリンはおびえている。


「なぁ俺からも頼むよ。俺たちセーラ様を助けるんだ」

ナルスタシアはそう言うリューイの腕輪に注目している。


ナルスタシアはリューイに近づきフーと煙草の煙をリューイに吹きかける。

咳き込むリューイ

「なにすんだよ!」

「あんた、その腕輪どうした?」

「これか!?これは拾ったんだよ!よくわからないけどこれで俺は強くなれるんだ!」

煙を手で払いながら答えるリューイ。


すこし考え込むナルスタシア。


「わかった。チェルンに話をしてみな。力になってくれるかも知れない」

「ありがとうございます!」

「あいつは今、西棟のあたりで研究しているはず」

「助かったぜ!おばさん!」

「おばっ!おねーさんだよ!!」

とてつもない怒りを感じる笑顔のナルスタシア。


シュエルが謝りながらリューイを引っ張って部屋を出ていった。

「西棟へ行きますよ!」


西棟に着いた三人は周りの人にチェルンの場所を聞きすぐに見つけるとこができた。


「あなたがチェルンさんですか?」

「ふぇへ?」

本だらけの机に突っ伏していた女性が気の抜けた返事をした。

ウエーブのかかった長い赤毛の髪と大きな眼鏡が特徴的な女性だ。

十四、五歳くらいだろうか。


「あなたたち誰ですか?なんで私の名前を?」

女性はずれた眼鏡を直しながらたずねた。


「ナルなんとかからお前なら仲間になってくれるかもって言われたんだ!」

リューイが元気よく答えた。

「ナル………ナルスタシア様!?なんで私が?ってあなたのその腕輪!?」

チェルンはリューイの腕輪を指さして言った。

「これか?ナルなんとかもこれについて聞いていたな。お前これがなにか知ってるのか?」

「知ってるも何もそれはセーラ様の力の腕輪。つけた者がセーラ様の力を授かる聖印の一つ」

チェルンはリューイに歩み寄りリューイの腕輪を手に取る

「よく知ってますね」


「これを見て」


「「「あっ!」」」

三人が同時に声を上げた。

それもそのはず。

リューイと同じ紋様が施された指輪をチェルンがしていた。


そこから三人はここに来ることになった経緯をはじめから説明した。


「そう。帝国のやつらが。けどなんであいつらがこれを探しているのかしら」

チェルンは腕組みしながら話す。

「そりゃ力が欲しいんでしょー」

「けどこれは誰でも使えるものじゃないの。すでに外せなくなっているでしょ。元々決まっているみたい」

「俺は選ばれたのか」

「偶然じゃないのー?」

「偶然も運命の中よ。実際にその力が使えたんでしょう?ちょっと不安定みたいだけど」

「そうなんだよ。好きな時に使えないし、困ったもんだぜ」

「使うべき時が来たらってやつよ。あなたへの負荷も相当なもののはずよ」

「そんな感じしなかったけどなあ。ちょっと腹が減ったくらいだったぜ」

「力を使っている時あなたは成長した姿になっているはずよ。それは心と体両方にかなりの負担がかかるの」

「成長した姿?あれがリューイの大人の姿ってこと?」

「そうよ」


「「へー」」


リンとシュエルはリューイの変身した姿を思い出し少し顔を赤くした。


「リューイー、あんなにかっこよくなるんだなー」

リンはよくやったとリューイの肩を叩いている。


「なんだよ!当然だろ!?」

リューイは胸を張っている。


三人はリューイの成長した姿に関して騒いでいる。


「わかったわ!わたしあなたたちについて行きます!」

チェルンが大きな声を出した。


「本当ですか!?」

シュエルが喜ぶ。


「ええ。この出会いは聖印の導きによるものよ」


「導きー」


「その腕輪についても調べさせてほしいしね。私の指輪はまだ力を発揮していないから助かるわ」

鞄に荷物を詰めながら話すチェルン。


「仕方ないなあ。痛いのとか変なのは無しだぞ」


「えっ!?大丈夫よ…そんなことしないから」

メガネが怪しく光るチェルン。鞄に怪しい実験器具を色々詰めている。


それをリューイが見つけて騒いでいる。


「セーラ様の力を持っているのがこの二人で大丈夫なのかしら」

シュエルとリンは頭を抱えていた。

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