砂漠
翌朝
「リューイ。起きてる?ごはん行くよ!」
シュエルはリューイの泊まっている部屋をノックする。
「ちょっと待ってくれ!」
部屋の中でドタバタ音がしている。
「よし!オッケイ!」
リューイは勢いよくドアを開ける。
「もうそんな急がなくても……!?なんて恰好してんの!!」
シュエルがリューイの頬を思い切り叩く。
「な、なん、で?」
吹っ飛んで壁に激突し気絶するリューイ。
よく見てみるとリューイはなにもを穿いていなかった。
「……ではお先に」
「先行っているねー」
後ろで見ていたチェルンとリンは先に食堂へ向かった。
食堂で四人が揃って食事している。
「もう!本当最低!!」
シュエルはまだ怒っている。
「いててて」
リューイは頬が腫れており食べにくそうに食事している。
「ゴホン、んじゃあ今日は山を越える予定だけど一日かかるの。だから食事を終えたらすぐに出発よ」
チェルンは切り替えて今日についての話を進める。
「山登りか!楽しみだぜ!」
「ギルドの方で道を整備したりしているみたいだし、特に険しい道ではないはずよ」
「ギルドって色々しているんですね」
そんな話をしながら食事を終えた四人は早々に出発することにした。
「では!スンダラ山へ!」
「「「しゅっぱーつ!」」」
スンダラ山の道は整備されており、坂道ということ以外は平地の道とほとんど変わらなかった。
また、早朝は空気も澄んでおり、若干の肌寒さも歩き進める四人にとってはとても気持ちがよかった。
「こりゃガンガン進めるな!」
「別に急ぐ必要はないわよ。普通のペースで安全に確実に進みましょう」
チェルンがリューイに声を掛ける。
「おう!」
早朝に出発したのはリューイたちだけではなく、ほかにも商人の馬車やほかの旅人もそれなりにいた。
昼前には峠を越え、軽く昼食をすまし下り始める。
しばらく歩き続ける四人。
「なんか、ちょっと暑くないか?」
「そうね、なんかちょっと暑いかも」
「ドザール砂漠に近づいてきているわね」
「あつー」
そんなこんなで山を越え、森を抜けるころには暑さは本格的になっていた。
「こ、これがドザール砂漠か、あっちいな」
「砂漠だからね」
「今から砂漠を進むんですか?」
「少し進むとオアシスがあって、宿もあるからそこで一泊するわよ」
四人は砂漠へと歩を進める。
四人が歩き出すと日が暮れ始めた。
前方に何か灯りが見えてくる。
「灯りが見えてきたわ」
「あれがオアシスですね」
オアシスに着くころには、完全に夜になっていた。
オアシスを中心に宿や日用品を取り扱う店などが立ち並ぶ。
旅人のために最低限だけ整えられた宿場だ。
「砂漠って夜は寒いんだな」
「そうなのよ。あっ、宿があったわ。行きましょう」
四人はさっそく宿へ向かった。
「えっ!?一部屋しか空いてない!?」
チェルンが大きな声を出した。
「………。リューイ。仕方がないから同じ部屋だけど……」
シュエルはリューイに視線をやる。
「わかってるって、俺は気にしないぜ!」
「こっちが気にするの!!」
シュエルが大きくため息をつく。
「前みたいなことは絶対しないでよ」
「おう。もう大丈夫だ。任せとけ」
なぜか自信満々のリューイ。
四人は受付を済ませて部屋へ行く。
「飯に行こうぜ!」
荷物を置きながらリューイが言う。
「そうね。先に夕食にしましょうか。ねえシュエル?」
「そうですね」
四人は食堂へ向かった。
食堂に着きチェルンが適当に注文する。
しばらくすると料理が運ばれてくる。
「見たことない料理ばっかりだ!」
初めての食材と味付けにリューイは大はしゃぎ。
「ちょっと!もう少し落ち着いて食べてよ」
シュエルは注意する。
「初めての味ー」
四人は食事をしていると、隣のテーブルの男たちから話が聞こえてくる
「ドザールもゲニ兄弟が治めるようになってから、だいぶ良くなったよな」
「好き勝手していた王族どもを片っ端から追い出したからな」
「今や完全に国民のための国って感じだぜ」
「まぁ心配事もあるけどな」
「なんだよ」
「ゲニ兄弟の弟のゲニスだよ」
「ああ、ゲニスか。あんまりいい評判聞かないよな」
「頭脳明晰で冷静に国を治める兄ゲニア」
「対照的に暴力的で残虐な弟ゲニスね」
「ゲニスがいたから王国を潰せたんだろうけどなあ」
「ゲニアがいるうちは大丈夫だろう」
「けど、なにかあった時にはどうなるか」
「ゲニ兄弟だってー」
リンが果物を頬張りながら言う。
「すごい兄弟だな!」
「まぁ国の雰囲気は良さそうね」
「少し楽しみになってきました」
四人はそれぞれの思いにふけりながら食事を終えた
「こっからは来ちゃだめだからね」
部屋に戻るなりシュエルが床を指差しながら言う。
「わかってるって」
リューイは面倒くさそうに答える。
「ちょっくら水浴びしてくるぜ」
「本当にわかったのかしら」
不安げなシュエル。
それぞれ体を綺麗にし寝ることにした。
「さあ、寝るわよ。おやすみリューイ」
「おう」
「本当に大丈夫かな」
「おやすみー」
四人は疲れもありすぐに寝ることができた。




