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悪女の針仕事〜そのほころび、見逃しません!〜  作者: 陰陽@4作品商業化(コミカライズ・書籍・有料連載)


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第40話 執着するフィリップ王子

「ミリアム・フォン・ローゼンハイデン公爵令嬢は、僕の婚約者なので、フィリップ殿下の婚約者選定のティーパーティーに参加することは叶いません。このことは王妃さまもご存知のことです。」


「な……!?俺を差し置いて、他の国の王族と婚約だと!?普通は国内の貴族や王族と婚姻を考えるもんだろ!」

 と大声を上げた。


 もちろんそれが普通だが、大国の王族と縁を結ぶことは、アンバスター王国の国益にもつながるのだ。


 アンバスター王国では、他の国に嫁がせられる王女がいないので、公爵令嬢が嫁いでくれるのであれば、むしろ万々歳なわけだ。


 だがミリアムが婚約しないことで、国内の地盤をかためられなくなったフィリップ王子としては、アイリーンが現れなければ確実に国外に婿に出されることになる。


 そうならないよう、前世で何度も、ローゼンハイデン公爵家との婚姻をゴリ押ししてきたくらいなのだから。


 しかし、そこはやはり王妃。わが息子が国外に出される可能性よりも、大国ルーパート王国との婚姻を選んだのだ。だから王妃さまがこの場を設けたというのに。


 そこについては、まだビーイング侯爵令嬢もいることだし、なんならあちらはかなり乗り気である。ローゼンハイデン公爵家ほどでなくとも、後ろ盾としては悪くはない。


 ミリアムとランディーの婚約が決まれば、恐らくアイリーンが現れるまでの婚約者は、ビーイング侯爵令嬢になるだろうな、とミリアムは思っていた。


「フィリップ殿下、ランディー殿下に対して失礼ですわ。おやめ下さいませ。」

「お前!この俺よりも、こいつのほうがいいって言うのか!?」


 ランディーを指さしてしまうフィリップ。ミリアムは頭を抑えて、はあ……とため息をついた。


「国益の絡むことです。私の両親が決めることですわ。」

「そ……そうか、そうだよな。俺よりこいつがいいってわけじゃないんだな。」


 なによ、何が言いたいの。ミリアムはフィリップの意図が読めずにいた。

「ミリぽむ、あの子、ミリぽむのことが好きなんじゃないッピか?」


 そこにアリアドネが声をかけてくる。

「そんなわけないでしょ。何度やり直しても、あいつは浮気をしたのよ。最初からずっと仲も悪かったわ。」


「でもそれは、悪い子だと思われてたミリぽむだッピ?」

「え?どういうこと?」


「誰だって大勢の人から悪い子だって言われてる人とは、あんまり近付きたくないッピ!今はミリぽむがいい子だと思われてるから、イメージが違うんじゃないッピか?」


「だとしてもお断りよ。私の悪い噂を勝手に信じて、初対面から嫌っていた人よ?どうやって好きになれって言うのよ。」


「そうネー。私もやめておいた方がいいと思うワ。」

「僕も同感です。」


「なんだよ、なにボソボソ言ってんだ!?俺のことを無視するな!」

 アリアドネが見えないフィリップ王子は、ミリアムがランディー王子と内緒話をしているように見えて、癇癪をおこした。


 そこへ、フィリップ王子を探していた従者がようやく追いついてくる。

「フィリップ殿下!勝手にお側をはなれないで下さい!探しましたよ?」


「うるさい!今それどこじゃない!俺の花嫁をこいつが奪おうとしてるんだ!」

 背後から持ち上げられそうになり、ジタバタと足を空中で動かすフィリップ王子。


「花嫁……ですか?」

 そう言われて、ミリアムをちらりと見る、メガネをかけた目の細い従者。


 子ども同士のやり取りで、ライバルに嫉妬したと思ったのだろう。有無を言わせずフィリップ王子を抱え上げる。


「花嫁選定のティーパーティーまでお待ちくださいませ。その時にご令嬢がいらして下さったら、お声をおかけください。」


「それじゃ遅いんだって!おい、離せよ!」

「あちらは王妃殿下が大切なお客さまをお迎えしておりますので、今は近付いてはなりません。わたくしと参りましょう、殿下。」


 ジタバタしながらも、大人の力には叶わない。フィリップ王子はあっという間に、ミリアムたちの視界から消え去ったのであった。


「……とりあえず、戻りましょうか。王妃殿下がお待ちでいらっしゃいます。」

「そうですね。喉が乾いたわ……。」


 相変わらずわがままなフィリップ王子にすっかり疲れたミリアムは、お茶会に戻ると、用意されたお茶菓子やケーキをぺろりとたいらげて、ストレスを解消したのだった。


 ミリアムと王妃さまと別れたランディー王子は、パイドラーと共に、帰宅の為の馬車に乗っていた。


「──よかったノ?あの子に()()()()()を言わなクテ。あなたが聖女に選ばなければ、あの子はとっくに死んでいたノヨ?」

 パイドラーは首をかしげながら尋ねた。


「本当も何も、今の記憶が、彼女にとっての本当の記憶だからね。なにもむざむざ、辛い記憶を思い出す必要はないさ。」

 ランディー王子はそう言って目をふせる。



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