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来訪者

みゆきさんがお仕事に行ったあと、掃除を1時間程して今は料理の本を読んでいる。

みゆきさん和食とか洋食とか色々出してくれたけど、逆に好みがわからないな。

直接聞いてみよう。

それにしても僕が知らなかっただけでこんなにも料理の種類があるだなんて。

どれから見たらいいか全然わからない。

何を基準にして選ぼうかな。

パラパラと本をめくっているとき


ピンホーーン


と部屋に響いた。

おかしいなみゆきさんまだお仕事行ってるはず。

誰だろう、、

覗きに行ってもし鍵を開けられたらすぐに鉢合わせてしまう。

怖さに震えながらみゆきさんのクローゼットに逃げ込む。

しかし、、


ピンホーーン、ピンホーーン、ピンホーーン


鳴り止まない。おかしい。明らかに異常な回数だ。

昔、借金取りが来た時もこんな感じで鳴らされていたのを思い出した。

僕はあの時と一緒で部屋で怯えることしかできないんだな。

けれど今は待たないと。我慢だ。

3分程だろうか。

ようやく鳴り止んだと思ったらガコンっと何かがポストに入れられる音が。

足音も遠ざかっていき、一安心したがいったいなにを投函された怖い。

慎重に玄関に近付いて、ポストを確認しようとしたとき、

激しい音と共に手がポストに差し込まれてきた。


声を出しちゃいけない!


直感がそういっている。

大人の手なのでそう奥には入ってきていないが、右に左に動いてなにもないのを確認して、手を引っ込めた。

僕は恐怖のあまりその場から動く事が出来きなかった。

明らかに異常だった。僕はずっと恐怖というものに晒されて敏感になっていたからこそわかる。

あれは絶対に関わってはいけない。


息を殺したまま郵便物に目をやる。

そこにはノートを乱雑に破き、殴るような字でこう書かれていた。


俺は全て知っている


どういうことだ。僕とみゆきさんの関係を?

どうして?昨日外出したから?

それとも家に来た時から?

わからない。何もわからない。ただひたすらに恐怖を感じるしかなかった。


足音を一切立てないようにリビングに避難し、念のためカーテンなど全て閉めた。

非常時用にみゆきさんの番号が書かれたメモがある。ほんとうにマズイと思った時は寝室に携帯を置いてあるから、そこから電話するように言われていた。

携帯の付け方などわからない。触ってもまったくだ。

どうしよう。なんとかしてこの事態をみゆきさんに伝えないと。

しかし、使ったことのないスマホを操作することは出来なかった。



一方その頃。

みゆきのスマホに一件の通知が、、

まだお昼中だったが、急いで席を立ちお手洗いにいった。

そして、通知をタップし確認する。

そこにはゆうくんが間近に写っており、片方の手には緊急用の私の番号が書かれたメモが

ゆうくんが警察に電話など出来ないように、実は嘘を付いておりあれはスマホではなく通信用の監視カメラだ。動いたらすぐに私に通知が来るようにしていてゆうくんが何か変なことしようたしたら躾けるためだ。

けれどこれは間違いない。何かあったんだ。

ゆうくんの青ざめた顔を見てもわかる。


「ちょっとごめん!!!二人とも!!」

「なに!?どうしたのみゆき?」

「今おばあちゃんが危篤だって!連絡入って!今すぐ行かなきゃ!!!」

「はっ!?ほんとに!?もう早く行きなさい!私から言っとくから!」

「ほんとにありがとありさ!」


私は店を出て家に向かった。

ゆうくんがあんなに焦っているなんてよっぽどの事がない限りありえない。

実際に見たわけではないがゆうくんも相当な虐待をされていたはず、、

慣れとは言いたくないがある程度は大丈夫なはずなのに、、

も、もしかして!!

アイツが来たのかもしれない。

心当たりがあった。

半年程前。

私はストーカー被害に悩まされおり、

警察に連絡して最近はなんとか収まっていたのだが、、、


「アイツまた懲りずに」


きっとまだ近くにいる。

警戒しながらスタンガンを片手に自分の部屋に駆け込んだ。


「ゆうくん!!!」

「みゆきさん!!!」


既に涙でぐしゃぐしゃなゆうくんを思いっきり抱き締める。


「ごめんね!ゆうくん」

「い、いえ、、、」


「さっきなんですけど、、」

「うん」


ゆうくんから一通り聞いた。

そして郵便物を見て確信が持てた。

ストーカー野郎に違いない。コイツなら顔もわかる。

しかし警察に行くのはゆうくんを引き渡しに行くようなもの。

それにストーカー被害から殺された女性はほとんどが警察に通報済の上で殺されている。

警察では駄目だ、、、


「ゆうくんごめんね。ちょっと電話してくるから待てる?」

「はい」


寝室に移動してスマホを手に取る。

私がこの世で最も嫌いで、最低で、殺してやりたいやつの電話番号。

私の番号からだけ掛かるように設定されている。

電話する手が震える。

恐怖ではなく怒りでだ。

最低のクズ野郎に恩を売ることになるが仕方がない。

だとしても!!

私のゆうくんを守るため!

私はなんだってしてみせる!


決意を固め最も嫌いなやつに電話を掛けた。




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