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縋る思いで

僕の視界は完全に塞がれていた。

なにか黒いようなものを巻かれた。

そこからは何もわからない。

まだ残っている耳に自然と意識が集まっていく。

部屋の隅からみゆきさんが何かを漁っている音がする。

いつ来るかわからないお仕置きが恐怖をかきたて、耳を更に澄ませばみゆきさんが一歩、二歩と近付いてくる音がする。

ぴたっと手が顔に触れただけで僕は体を震わせてしまった。


「ゆうくんったらまだなにもしてないのに。

ほらっ口を開けて」

「はい、、」


みゆきさんが何か丸いものを僕の口に入れる。

後ろに回ってぎゅ!ぎゅっ!とベルトを締め完全に口が動かなくなる。


「ゆうくん痛くないかな?」

「は、、ひ、、」


喋れない。辛うじてボールの真ん中に穴が空いているのでそこから呼吸は出来るが、喋ること唾液を止めることができない。

情けないヒューヒューという音だけが漏れていく。


「まあ、そうなるよね。可愛い」

「うー」

「なにゆうくん私はそっちにいないよ?」


みゆきさんの声のする方向を向いた瞬間、

空気を切り裂く音が。すぐに僕の体に激しい痛みが走った。


「んー!!」

「ゆうくん痛い?」


呼吸し辛い上に、今の痛みで一気に空気を吐いてしまったため、上手く返答することが出来ない。


「ゆうくん、、私聞いてるよね?」


再び激しい痛みが。

なんとか言葉を返すが背中が焼けるように痛い。

音が堪らなく怖い。空気を切り裂く音が痛みより先に来る。音を聞くだけで体が硬直する。

ただし何処から来るかもわからないので意味なく終わってしまう。


「ゆうくん姿勢を正して」

「は、、ひ、、」


背中の痛みを堪えながらなんとか姿勢を正す。

けれどただムチで打たれる範囲が広がっただけのような気がした。

そして次の音に備えていると、


カシャカシャカシャ


先ほどのムチの音とは違い少し間抜けな音がするが、僕は正体がわかった瞬間体を震わした。


「ゆうくんよだれ垂らして可愛いー」

「んー!!んー!」


その後も手を緩めること一切なく撮られていく。

感じた事ない羞恥心に僕は抵抗することも出来ずにシャッター音を聞くだけだった。


「ゆうくん昼間の写真の裏にこれ挟もうか」

「んっ!んん!!」


お昼のライオンとの写真と一緒に挟むなんて。

みゆきさんと初めて外に出て、幸せな写真にこの僕の間抜けな姿を混ぜるなんて。

見えてないがきっと僕の姿は他の人が見るに耐えない姿なのはわかる。


「ゆうくん嫌なのかなー?」

「んん、、、」


否定出来ない。。

だってこれが僕の本来の姿なのだから。


「ゆうくんちょっと動かないでね」


みゆきさんは何か取り出し、先ほど着替えたパジャマのTシャツを切っていく。

そして上半身裸になった僕は叩かれた場所が冷たい空気に触れ痛みを感じた。


「記念にこっちも」


後ろからまたシャッター音がする。

僕は口のボールから大量のよだれが流れて行く。

喜びに体が震えて押し出したのだ。

こんなにも痛いのに。

こんなにも怖いのに。

それら全てがみゆきさんの愛情として僕を抱き締める。

体が拘束されているから興奮しているのでなく

痛めつけられているからでもなく、

そこにみゆきさんの愛情を感じ心を包まれ、ここに居ていいよというメッセージに僕は初めての快楽を得ている。


「ゆうくんなんて顔、、、」

「ん、、、」

「背中撮ってて前に来たらゆうくん笑ってるんだもん」

「んんっ!」


みゆきさんは息遣いが聞こえる位置まで来て僕の事を表す最上級の言葉を送ってくれた。


「ゆうくん変態さんだね♪」

「ん、、、」


目隠しされていて

口を塞がれていて

拘束されているのに

僕は産まれてから最大の自由を感じていた。







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