穏やかな休日2
「よし!ゆうくんもこれで準備万端だね!」
「はい!」
みゆきさんに拾ってもらった日以来の外だ。
緊張するし、警察に捕まってしまわないか心配だ。
「どう?似合ってる?」
「はい!とっても可愛いです!」
みゆきさんは動きやすさを重視したみたいだけど可愛すぎる。
Gパンに上は少しフリルの付いた白いブラウス
みゆきさんの髪がブラウスに少し掛かっているのが絶妙にいい。
キャップもオシャレに被ってて大人のお姉さんって感じがする。
「よし!じゃあ外での私との約束言えるかな?」
「はい!お姉さんから離れないです!」
「うん!大丈夫そう。じゃあしゅっぱーつ」
みさきさんが玄関の扉を開けると久しぶりに外の世界を見た気がした。
実際はそんなに経ってないけれど。
もう見ることも興味も無くなっていたから。
でもあれ?不思議だな?
すっごく世界が綺麗に見える。とてもクリアに鮮明にだ。
同じ世界なのに。こんなにも見え方が違うなんて残酷すぎる。
「みゆきさん、、、」
「ゆうくん、、、?怖いの?」
うなづく。外に出ることでみゆきさんを失ってしまいそうで。
「安心して。手繋ごっか」
「はい」
なるべく接触はしないようにしていたけどみゆきさんが見かねて手を差し出してくれた。
震える手で掴むと心の底から安心した。
みゆきさんの手はきっと僕の心まで撫でてくれている。
「ゆうくん電車初めてー?」
「はい、、凄く揺れますね」
動物園の最寄り駅まで電車で移動してそこからタクシー使うことにしたらしい。
「ゆうくんは好きな動物いるの?」
「ら、ライオンとか、」
「おっ!今日は見れるから良かったねー!」
こんな他愛もない話をしてたらすぐに最寄り駅に付いた。そこからタクシーで15分ほど。
「二人は姉弟かな?」
「はい!今日は弟がどうしても行きたいって言うので」
「ハッハッハッ!それはよかったね!」
「ほんとに嬉しいです!」
僕とみゆきさんは何か合った時の為に姉弟だという設定にしている。
だからこうしてタクシー運転手さんとの会話もなんとかスルーできている。
「はーい。到着!二人共楽しんで来てね〜」
「はーい」
お会計を済ませてタクシーから出る。
動物園の入り口にはたくさんの動物さんの絵や看板があってとても可愛い。
「ゆうくんはライオンさん先に見る〜?」
「はい!生で見てみたいです!」
パンフレットの案内図ではライオンの檻はちょうど施設の真ん中にあった。
歩きながら色んな動物を見て驚く。
「みゆきさん!すごい大きいですね!」
「うふふふ、そうねー」
すると目の前にひときわ大きな檻があった。
きっとここがライオンだろう。
「みゆきさんライオン大きい!」
「ゆうくん、、さっきから大きいしか言ってないような、、、」
こんな近くで百獣の王を見れるなんて動物園はなんて凄いんだ。
見惚れているとライオンが僕の近くまでやってきて、お尻を向ける。
「あ、ゆうくん!」
みゆきさんに引っ張られ何が何かわからないでいるとさっきまで僕がいた場所にライオンがおしっこしていた。
「あ、危なかったね」
「みゆきさんありがとうございます、、、」
動物園に来てすぐにおしっこ浴びるのは流石に嫌だったのでみゆきさんに助けられてよかった。
「あ、ゆうくん!今ライオンの赤ちゃんと写真撮れるって!」
「え!?そんなこと出来るんですか?」
「うん!よかったら撮っていこ!」
「はい!もちろん!」
係員さんにお願いすると檻の横の建物に案内された。
そこは写真が映えるように綺麗な場所で外からは考えられないくらいだ。
「はーい。じゃあライオンの赤ちゃん連れてきますね〜」
係員さんが奥の部屋に入っていって戻ってくると、脇を抱えられた小さな子供のライオンが。
「可愛いー!猫みたい!」
「ほんとですね!」
みゆきさんの言う通り猫だ。
けれどまだ生後少ししか経ってないの考えるとやっぱり凄い。
「じゃあライオンさんはどっちが持つ?」
「あ、この子が持ちたいって」
みゆきさんが言うと係員さんは僕の所にきて、ライオンを抱っこしていいよと。
恐る恐る抱っこしてみると僕のことをつぶらな瞳で見つめてくるのが堪らなく可愛かった。
「可愛いー!!」
「ほんと可愛いですね!」
「はーい。じゃあ写真撮りますねー!」
僕はイスに座って膝の上にライオンを乗せて横にみゆきさんが立っている。
何度か係員さんがみゆきさんの携帯で写真を撮ってくれ、子ライオンとお別れした。
「みゆきさん可愛いかったですねー」
「あ、う、うんそうね」
「??どうしたんですか?」
「いやーやっぱりゆうくん可愛いなぁーって思って」
「みゆきさんも今日とっても可愛くて好きです!」
「うれしー!じゃあこの写真今度額縁に入れて飾ろっか!」
「いいですね!!」
初めて写真撮られて変な顔ばっかり僕はしていたけど、これを飾ってればいつでもみゆきさんを見れる。
子ライオンのお陰だ。
「ゆうくんまだまだ回るぞー!」
「はい!」
その後僕達は沢山の動物を見て、悲鳴をあげたり餌やりをしたり、触れ合ったり。
最高の時間を過ごす事ができた。




