穏やかな休日1
あれからどれくらい意識を失っていただろうか。
目が覚めると部屋は真っ暗で微かに月の光で見えるくらいだ。
時計を確認しようにも体勢が体勢なので動く事ができない。
「みゆきさんも寝てる、、」
ベッドで寝るわけでもなく、カーペットの上で寝ている。布団も掛けてないから心配だ、、
「ん、ん、駄目だ動けない」
非力な僕にはソファを動かす力なんてなく、みゆきさんに鍵で開けてもらうしかない。
でもそれでは布団掛けることもできない。
「ん、!ん、、!」
再度挑戦してみるが動く気配すらない。
諦めようと思ったその時
「なにをしているの?」
氷なんかより遥かに冷たい声が。
それも近いなんてものじゃない。耳元だ。
「ゆうくん逃げようとしたのかな?」
「ち、違います」
何か冷たいものが当てられる。
は、早く弁明しないと。
「みゆきさんに布団掛けてあげたいなって、、、」
「ほんとに?」
「はい!本当です!」
「そっか。ならよかった」
恐らくみゆきさんが手元のリモコンを使って部屋に電気をつけた。
ほっとしたのも束の間、
「みゆきさん、、、」
「ゆうくん危うく傷付けちゃうところだった」
みゆきさんの手にはカッターにハサミが。
ほんとにみゆきさんは僕が逃げていると思ったんだろう。
「もう、不安になっちゃった。いっそのことゆうくんのアキレス腱を切ってしまおうかと」
「みゆきさんが構ってくれるなら僕はいいですよ?」
「ゆうくん、、、」
みゆきさんは感極まったように目元を覆い、しばらく考えたようだが首を横に振った。
「でも色んな所ゆうくんと行きたいから歩けないと困っちゃう」
「みゆきさんのそういう優しい所大好きです」
「ゆうくん!?」
「えへへ、、」
昨日好きって言っちゃったからか今日はすんなり言えた。
でもやっぱりちょっと恥ずかしい。
みゆきさんは少しだけ照れたあと、カバンからパンフレットのようなものを取り出した。
「ゆうくんって動物園とか好き?」
「行ったことなくて、、、でも行ってみたいです」
「そっか!私今日休みだから一緒にいこっか!」
「え!?でも僕外に出てもいいんですか?」
「大丈夫!今日は休日だから人も多いし、動物園とかなら尚更ね」
「たしかに、、」
「よし!じゃあそうと決まれば朝までゆうくんいじめちゃお」
「あ、ちょっとみゆきさぁぁぁん!」
いつの間にかカバンから取り出したスタンガンを再び当てられる。
今度は足にだ。
「ねぇ、ゆうくんはこうして足が動かないのが好きなんでしょ?」
「は、はい、、」
そう。さっきのアキレス腱の話から僕はずっとドキドキしてそんな妄想をしていた。
もし足をやられて立てなくなったらどうされちゃうだろうと。
「手錠外しちゃお」
鍵で手錠を取り外し、僕の足を攻撃する。
たしかに動けないなら手錠はいらないけど、、
「ゆうくんおいでーほら来たら抱きしめてあげる」
「み、みゆきさん」
今日はみゆきさんと寝てないから体の温もりに餓えていた。
必死にみゆきさんの所まで行こうとするも上手く動けない。
「ゆうくん私のとこ来ないの?」
「うぅ、、、」
足を引きづってなんとかみゆきさんの太ももにダイブする。
あぁ、柔らかくて気持ちいい。
「ゆうくんよく来たねー!」
僕を軽々と持ち上げて勢いよく抱きしめた。
僕の顔がちょうどみゆきさんの柔らかい部分に当たっている。
い、息ができない、、、
「ゆうくん、、」
「はひ」
ゆっくりと床に置かれて再び足に。そして手に電撃を浴びせられる。
「じゃあもういっかい!ほら頑張ってー」
「うぅ、、痛いのにー、、、」
この調子で朝まで強制ハイハイさせられて僕はヘトヘトになったけど、、、
みゆきさんの所に行く度に抱き締めてもらえるから嬉しかった。




