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003 魔王【四陣】集合(中編)

昔なじみの後輩、レディース【天上天下唯我独尊】第三特攻部隊隊長の松野エリカ改め、ダークエルフの北の魔王、アマンディーヌの話を聞く。

「私は世界樹からの救援要請で魔王に覚醒しまして。人族を殲滅するのもいいのですが、その・・実力が・・」

どうやら若木である世界樹は能力的に未熟らしく、4人いる魔王達の能力も低め。周囲皆敵の状況で魔王同士で敵対するわけにもいかず、現在協力体制中だそうだ。

確かに魔王達の種族を聞くと、グリフォン、バイコーン、ケンタウロス、ダークエルフと魔王種としてはどうなの?と思う。

「しかもです、ここの人族達、むっちゃ強くて・・・」「はぁ?」


この天界は、菱形のような形状をした大陸で、その中心に世界樹がありその周辺の瘴気の森に魔物たちが生息しているそうだ。

通常の天界神程度の創造なら、それほど大きな天界は作れない。そして陸地は山も谷も川もない平地となる、それでも大陸は中国位のサイズはあるようだ。


そこにある国は4つ、天界は平面世界であるが、分かりやすくするために世界樹を中心に・・

北には亜人連邦国ドミトリー、亜人達が平和に暮らす。

東にはダニイル・ルカ共和国、人族の住む魔法と農業の国。

南にはグレニール王国、日本国程度の科学が溢れる国。

西にはニライカナイ、人魚たちが暮らす国。


亜人連邦国ドミトリーだけ、人口変動ほぼなく、人口自体も少ないので抹殺対象外であるそうで、北の魔王であるアマンディーヌが高圧的(魔王だから・・が理由らしい)な和平交渉を行ったが、返り討ちに合い、現在決裂状態だそうだ。


「なあ、北と東はある意味鉄板だけどさ、南の科学力はどこから来た?それと西は人魚の国?わざわざ陸地でか?」

天界では過剰な科学力は禁忌とされ、教会を使ってあまり発展しないように操作されている。海中生物の人魚は言わなくても分かるだろう。

「科学については、天界ガイアからの転生者の可能性が。なにせ魔導の力・・ではなく電気・石油・石炭が主な燃料ですので。人魚は西の魔王に聞いて下さい、私は説明聞いても意味が分かりませんでした」


そんな話をしていると「愛しのアマンディーヌはどこだ!旦那の帰還だぞ!」との声が聞こえてきた。

「ん?なんだ?お前既婚者だったのか?」

「いえ、あの声は、南の魔王であるケンタウロス、ヘートヴィヒですね。私に一方的に懸想しているのです」

「ふーん、そうか」でも、言う割には特に嫌悪はしていないようだ。脈アリか?


現れたケンタウロスは、下半身の馬の部分が赤く、上半身の人形は筋骨隆々で赤髭面の男臭い顔だ。

そのケンタウロス、ヘートヴィヒは私を見て硬直している。なんだ?私の美貌に惚れたか?

などと馬鹿なことを考えていると「ぎ・・・ぎ・・・銀髪鬼!?」

これはまた懐かしい忌み名だな。どうやら、こいつもお知り合いのようだ。


「姐さん!お久しぶりっす!」

私の前でひざまずき、頭を下げて挨拶するケンタウロス。いやいや、誰だかわからんだろ?

「あー、そうでしたね。健吾ですよ!松野健吾。うちの顔面コモドドラゴンがお世話になってたでしょ!いやー、あの凶暴種を躾けてもらって家族は大喜びで!」

おいおい、こいつエリカの弟か!?ふと、アマンディーヌを見ると硬直している、まあ、普通分からないよな。しかも、実の弟に懸想されて悪い気はしてなかったのだ。ショックだろうな。

いやいや待てよ。コモドドラゴンとか言っている実の姉に求愛していたと知ったら・・弟のこいつはどうなるのだろうか?


「その前に・・お前の愛しのアマンディーヌ。前世のお前の姉、エリカだぞ。ま・つ・の・エリカだ」

当然、面白そうな爆弾は速攻で爆破させてみた。

「・・・え?・・・うそ?・・・え・・・うそ?・・・え・・・」


うはっ!こいつ、私とアマンディーヌを交互に見ながら壊れてしまったぞ。

こう見えてエリカと健吾は兄弟思いなやつらなのだ。確か姉1、弟3の4兄弟で、誰かがいじめられると兄弟総出で反撃する程、兄弟仲は良かった。

初めはエリカと敵対して殴り飛ばし、その後報復に現れたこいつら兄弟を殴り飛ばし、それに報復に来たエリカを殴り飛ばす。それを2週間ほど繰り返して面倒だったぞ。ちなみに一番下は小1だったが、ガクブルしながら向かって来て面白かった。ん?もちろん張り倒したよ。ちゃんと加減はしてるって。


「うおーーーー!!!人型美形がこいつしか居なかったんだ!欲情するもの仕方ないだろーーーー!なんですか!?前世の記憶があるのに馬の女とヤれとおっしゃるのか!?そんなのいやーーー!!!」

羞恥が限界を超えたヘートヴィヒが吠えた!

その叫びに硬直が解け、赤面しているアマンディーヌに殴り飛ばされていた。


「良かったな?近親相姦にならなくて・・・ん?もう転生してるからいいのか?」

「「うあああああ〜!」」

羞恥に苦しむ二人にとどめを刺した。




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