028 大森林に入る前に大魔王が待ち受けていました
私達は獣王国セバスチャンの狩猟区に出てきたようで、少し東に進むと目的の大森林があるようです。
特に問題もなく、草原を100km程歩いた先に目的の森と・・大魔王が居た。
「遅いぞ!お前ら!100km程度の移動に3日も掛けやがって!」
「・・・アスカ様、NAZEKOKONI?」
「修行の第二弾に決まっているだろうが!この森は最適な環境だぞ」
うわ〜っ!この人の戦闘嗅覚を舐めてましたよ・・ダニイル・ルカ共和国との和平交渉を放りだしてくる程とは。
「それで、アスカ様の後ろに転がっている方々は」副隊長の言葉でようやく他者の存在に気づく。
「ダニイル・ルカ共和国の5賢人だ。あまりにも使えなかったので鍛えてる。ここまで走ってきた」
「「「敵鍛えてんじゃねーーーよ!!!」」」みんなで怒るも、フフンと鼻で笑われた。
「既に和平は結んできた。絶対に逃げられないように雁字搦めにしてな。私はお前らみたいにチンタラしてないからな」
「「「ぐむっ」」」
くー、相変わらず仕事が早い。しかも後ろの5賢人、疲れ切ってへたり込みながらもアスカ様をキラキラした目で見つめている。逆に短期間で何をしたらああなるんでしょうかね?
「よし、ここまでの状況を説明しろ!・・まさか何も情報がないなんてことは無いだろうな?」
「実は・・・」ここまでに知った情報を報告する。
「虫と鳥の戦争は回避したぞ。鳥には『なるべく魚食え』って指導した・・もちろん魚には人魚も含まれる。人魚が悪さする前にどんどん食えって言っておいた。実際、サイズ的に好評だったし」
こちらに来る途中に紛争に遭遇して説得、実際に食べたら『虫より食べやすく美味しい』となったそうで、その御蔭であそこは中立地域(最終的にエルフの意思に従う)になりました。
鳥族は平均5m位の大型らしく、それが人魚を・・グロテスクな想像しちゃった。
「クリシュナ、お前の判断は私基準なら60点だな。まあ、お前たちは魔法を使えないから仕方がないか」
アスカ様の話では、亜人連邦国ドミトリー領域内全てに探知魔法が仕掛けられている。そのため和平交渉に強者をぞろぞろと引き連れていくのはよろしく無い。隊長と副隊長二人で来るべきだった。
別行動にした仲間は、私達が出会った犬ころの実力程度なら獣王国セバスチャン中で適当に暴れさせていれば相手の戦力把握が更に詳しく出来た。それに2〜3人は敵に負けたほうが、こいつらの教育にも良かったと言われた。確かに皆の実戦経験が少ないからその方が良かったかも。
「それよりもだ。3日間のダラダラ移動で修行を全くしていないな・・隊長と副隊長以外!」
「ここからは、お前ら二人で行って来い。このバカ共は2日間、修行の素晴らしさを骨の髄まで・・」
この言葉を聞いた瞬間、散らばって逃げ出そうとした面々。だがアスカ様が逃がすわけはない。散り散りに逃ようとした瞬間、その先にそれぞれにゲートが現れて自分達から訓練場に入る形になった。
「5賢人、お前らは魔法を使えない二人のサポートだ!一緒に行け」
「「「「「はい!かしこまりました!」」」」」
こちらは意気揚々と恭順の意を表している。なる程、魔王軍とダニイル・ルカ共和国、エルフ王国の3国での和平交渉なら向こうの疑心も少ないだろう。
「・・・修行しておいて良かったわ」「全くです」
立体機動の動きがイマイチだったので、クリシュナと訓練していのが功を奏した。
「エリカ。あの脅しは中々だったぞ」「ありがとうございます」
「よし、交渉が上手くいくように餞別を送ろう」
餞別?一体何をする気なのだろうか・・・?
「霊神氣【神魔】」
「「ひ!」」「「「「「ひぁ〜!!!」」」」」
何が何やら全く意味不明な感じなんですが・・強いて言えばアスカ様の存在がひと段階上位になった?そんな感じが当てはまりそうです。
「聞け!有象無象のエルフ共!これから我らが魔王が和平交渉に向かう。丁重に結界内に招き入れるように・・もし、拒否するならば結界機能すべてをぶち壊す!一度壊れたら、今の幼女ハイエルフでは修復出来ないだろ?分かってるぞ。それに・・この力を感じて『拒否』しようとは思わないよね」
ひーっ!?何あの力!しかも、すべて内情知ってますよ!って言う脅し。思わずエルフ王国の皆さんに同情してしまった。
「アスカ様、エルフ王国の王ってハイエルフの幼女なんですか?」
「感じられるハイエルフは1人だけ・・もし交渉が難航したら・・この場合は・・」秘策まで頂いた。
「それなら必勝間違いなしです!」
「私としては結界ぶち破るパターンを期待してるんだけど」
「「エルフ・ドワーフから敵対されますから、絶対にやめて下さい!」」




