022 和平へのロードマップ作成と結界作成
その後、同盟締結からの流れを、下記の通り進めることになった。
<第一段階>5賢人へ責任を押し付けて、左遷。魔法開発に専念させる。
今回の魔王軍との同盟は、5賢人が魔法技術欲しさからの独断専行で、たまたま発見された世界樹の巫女を人質に差し出し、不平等な同盟を締結しそうになる。
それを、臨時代行を含めた有力者達に「国の一大事を独断専行するとは何事だ!」と責められ、自身の非を認めて左遷を了承した。そして、魔王・世界樹・我が国の平和的な3核同盟に切り替えた。
という流れだ。5賢人は魔法に専念出来るので喜び、有力者達は国民から国の救済者と信任を得て、こちらも喜んでいた。
そして、有識者による賢人議会の暫定設立を発布、政情が落ち着くだろう1年後に正式に選挙で賢人の選抜を行うことが決まった。ただ、当面は現在の暫定議員達で変動はないのでは?との事だ。
<第二段階>世界樹の有効性を国民に知らしめて、巫女アンへリナの立場と安全を確保
魔王軍との同盟の象徴になった世界樹。悪評になると巫女アンへリナが危険になるため、早々に有効性を示した。
世界樹がやろうと思えば簡単に出来るが、人族のためにわざわざする気も価値もない事。それが、土地の豊穣だ。
これをすると人族の人口が増えるのでおすすめではないのだけど、この国はハーフエルフが興した国らしく出生率は高くないらしい、なら遠慮不要だ。
農業主体のルカ州は、肥料を与えずとも元気に育成する畑に喜び(休耕の必要もない)、ダニイル州では貴重な薬草の育成が楽になり喜び「豊穣の巫女」として簡単に受け入れられた。
<第三段階>最高神教会の布教
これは大反対したのだが「密かに『さる女神様の介入があった』と噂を流す予定です。その流れで最高神教会の聖女が布教を始めれば『もしや最高神のご意思では?』と、今回の出来事も受け入れやすくなると思います。幸いノーネームの影響で最高神教会のことは知られておりますので」と説得され、仕方なく受け入れた。
その説得をダニイル・ルカ共和国の面々ではなく聖女共に説得されたのが腑に落ちないが・・いずれ本部が来るから、やつらも信徒を増やしたいのだろうと納得した。布教も聖女が行うそうだ。
とりあえず、早死されても困るので巫女アンへリナは神徒にした。発氣とは生命力、発動するだけで寿命は伸びる、使いこなせれば200年は元気に生きられる。
今はフレンに看病されながら苦しんでいる所だ。ちなみに死の呪いはフレンが泣き叫ぶので特別に免除した。
ただ、苦しむ巫女アンへリナを過保護に心配したフレン。その結果、気づけばスキルが【フロレンシアの愛子】になってた。もう逃げられないぞアンへリナ。
ある程度ロードマップを決めると暇になったので、その間は5賢人を鍛えに鍛えた。
「グレニール王国の科学は危険だ。人魚共も何がしたいのか不明。まずはお前らが国の盾になり、後輩を育成するのだ!しっかりと基礎を鍛え直すぞ」
まずは魔力の増強だ。流石に成人を過ぎた面々だ、今更魔力を増やすことは出来ないが、それ以外にも出来ることはある。まずは身体の増強で発氣を叩き込んだ。
「身体強化する魔力がもったいない。発氣は別系統だからお前らも嬉しいだろ?」
苦しみでのたうち回る面々にそう言ってたら「「「「「す・・素晴らしい!」」」」」と喜ばれた。こいつら根性はありそうだ。
次に魔力のムダを無くすことに専念した。
「お前たちは体中に魔力を展開してから、発動する手に収束させている。でも、収束は2割程度だ。これって8割は無駄になってるって事だ」
「まず魔力の発生場所を探し、そこから直接ラインを繋ぎ、手にだけ収束させれば・・9割は魔法に使える」「「「「「おお!?」」」」」
実際に私の魔力を光らせて、その動きをみんなに見せてあげたら・・あいつら2週間位部屋から出てこなかった。まあ、発氣を習得したので飲まず食わずでも死なんだろう。
最後に魔力の圧縮だ。これは魔法の威力が瀑上がりするのだ。しかし、更に圧縮を深めると・・自分専用の魔石、つまりストック出来る魔力が出来るのだ。
「「「「「師匠ーーーーー!!!!これは革命です!」」」」」
私も魔力不足になった際に、そういえば!と思い出した。合間合間に魔力不足を補うために魔石を大量に作って、鎧の裏に仕込んでいる。
実質の新政府となる賢人議会選挙が、国民大盛りあがりでお祭りのように行われた頃には、賢人共の仕上げが完了した。なら更に盛り上げないとな。
5賢人の内訳は下記のとおりだ。みな一通り魔法が使えるが、元他国民のイヴァンナ以外は風魔法が得意だ。今日は久しぶりに全員集合している。
筆頭:バレンティン(57歳)白髭達磨で身長は170cm未満、頭には毛はない。瞳は薄い緑だ。出会った当初はヨボヨボのじじいだったが、今では筋骨隆々の歴戦の将軍みたいな出で立ちだ。最近は魔法と発氣の融合に興味があるらしい。
次席:マラト(23歳)緑がかった金髪で身長は180cm以上、タレ目で華奢な体の優しげな顔の青年だ。瞳は紫。賢人の中で魔力量が特に多い。漢字で作る特殊魔法陣を教えたら、現在は魔法陣研究にのめり込んでいる。
三席:カーチャ(38歳)オレンジがかった金髪で身長は150cmと小柄な女性だ。瞳はオレンジ。発氣の素養が高くて20代前半のように若々しくなった。世界樹フレンを猫可愛がりしていて2番めの友達認定された。「フレンちゃんみたいな可愛良い存在を召喚する!」と斜め上の発想で召喚魔法研究にのめり込んでいる。
四席:イヴァンナ(27歳)黒髪で身長は170cm程、肌は地黒のスタイルの良い妖艶な女性、瞳は黒。グレニール王国から家族で逃げてきたが、危うく人体実験の素材にされるところをノーネームに助けられた。魔力量が多かったのでこの国の国民に。空間魔法に長けており、空間魔法の研究に没頭している。聖女共と3人で私に粘着というお願いを敢行、無事に最高神教会の神徒になった。
五席:エリックス(17歳)銀髪で身長は190cm以上、柔軟な筋肉に身を包むイケメン。瞳は青。一般人並みに魔力量は低いが学者枠だ。現在は、私が伝授した内容と皆の成果の執筆活動に明け暮れてて、研究の時間が無いそうだ。長期戦闘のために私が編み出した排泄物を出さない方法を教えたら、ここ一ヶ月顔を見ていない。
「よし、では国の防衛結界を作るぞ。カーチャ!全魔力を使い風精霊を大量召喚せよ!その後の精霊への指示はフレンがしてくれるから、全力でだ!」
「はい!」マラトが用意した漢字魔法陣を使用して召喚魔法を起動する。召喚魔法とは面白いもので、魔法陣に魔力を流すだけでは意中の相手に出会えない。
魔力を流す際に念を込める事が大事なのだ。
その点カーチャは「可愛い風精霊さん!可愛い風精霊さん!・・」無意識に発氣をも併用する程、可愛いものに対する欲望は高い。
そして魔法陣から大量に現れたのは・・スカイフィッシュ。こいつ精霊だったのか!?それよりも、可愛いのか?これ。
「か、かわいーーー!!!風精霊さん。国も守りをよろしくね!あと、たまに遊びに来て〜♡」そのまま魔力切れで倒れた。イヴァンナも「可愛い」と喜んでいる・・この国では可愛いんだな。
風精霊は世界樹の指示の元、国の周囲を巡り結界として発動する。海岸線に休憩用に植樹した世界樹の枝も万全だ。魔法陣は発動したままで世界樹が引き継ぐので精霊が減ることはない。
よし、これでグレニール王国からのミサイル等の物理攻撃にも対処できる。この一連の内容は動画として公開され、5賢人の再評価と賢人会議の株は急上昇だ!




