卵料理!
視点戻ります
どうも。リリアリスです。
公爵夫人ですが、今日も朝食を食べてから調理室に向かいます。
って、明るいな。もしかしたらサラちゃん?気がきく子だ。
「リリアリス様、どうなさいましたか?」
「今日も朝食ありがとう。丁寧に作ってくださって美味しかったわ」
実家で8歳まで食べてた料理と比べたら、美味しかった。けど日本の記憶からすれば全然満足できるレベルではないのが正直な話だ。
「ありがとうございます。あ、あの、リリアリス様が昨日おつくりになったサンドイッチに比べたらまだまだです」
「そう、そのサンドイッチなんだけど、ギルド長も気に入ったみたいなの!今日も差し入れをしたいと思うのだけど……」
料理長がぱぁっと顔を輝かせた。
「アルフレッド様も気に入ったのは当然です。あれほど美味しいのですから!作り方は覚えております。早速おつくりいたします!」
ん?
なんでアルフレッド……夫が気に入ったって?あ、もしかして妻が作った謎料理をギルドに持って行ったけど大丈夫か?と伺いでも立ててたのかな?
こっそり残して置いて味見させた?
で、マヨネーズを気に入ったといういことか。うん。株が上がったのでは?
これは、3年後に離婚した後、公爵家で料理人として雇ってもらえるフラグなのでは?
そうか、こういういわゆる日本人だった時の前世の知識チートの使い方もあるのか。もっと、美味しい料理知ってますぜ!旦那!
……なんて思ったこともありました。
そうよね。うん、異世界転移転生の定番……「調味料が足りない!」
そういえば砂糖は貴重なのでとかも言ってたし、定番ばかりが詰め込まれた世界。ちぇっ。
猛烈にマヨネーズを作り始めた料理人。ちゃんと卵は殺菌のため茹でて、黄身だけを取り出して作っている。
「そうだ、他の人たちへの差し入れもしたいから、たくさん作ってもらえる?ギルドに通っている子供たちなんだけど……えーっと」
もしかしたら今日は昨日より人数が増えている可能性があるよね。サラちゃんとカイと私とギルド長4人と子供たち……20人前じゃちょっと不安だなぁ。25?……いっそ30人前とか?食べきれなかった余った物は、倉庫の整理に来てる人たちに分けてもいいし。昨日の審査員のお礼と職員さんに配ってもいいし。
数を伝えると、料理人が大量のマヨネーズを津kるうためにさらに卵を割り始める。
温泉卵のようにプルンと固まりかけた白身が別の器に集められてる。
「あれはどうするの?」
「白身ですか?焼いて食べる予定です」
まぁ、そうよね。それくらいしか使い道……あ!そうだ!
「鶏胸肉のひき肉はある?」
私の問いに、料理長が料理人たちの顔を見る。
「誰か、知ってるか?」
首を振る料理人。ちなみに、料理長と料理人8人の合計9人がシフトを組んで働いているらしい。ちゃんと休みを取りながらってホワイトだ!
思えば、私は侯爵家で給料も休みもなく働かされてたっけ。……とはいえ、家の仕事って考えたら家事なのか?休みなく家事する世の中のお母さんたち偉いなぁ!
「あの、特別な肉じゃなくて、鶏の……もも肉とか胸肉とかレバーとか皮とか……はらみとかささみとか……部位の名前ってついてないの?」
「いえ、あの、胸肉は分かりますが、ひき肉が……どういったのもなのか見たことがありませんで」
料理長が困った顔をする。
へ?
ひき肉文化が無い?
……いや、まぁ、確かにだ。異世界物の小説でもそんな感じの合ったよね。肉が噛み切れなくなったらそれが人の寿命だ……みたいなの。だったら和牛だ!霜降りだ!噛まなくても飲み込める肉だ!……みたいなのはなかったな。ハンバーグにしてたよね。




