各賞発表
「ったく……どうやったらこんなこと思いつくんだ……」
ため息をついてる。
光で絵をかいても役立たずですしね。この世界の人は思いつきもしないんでしょうね。綺麗だからいいじゃん。
っていうか、花火に、イルミネーションに、ネオンに、100万ドルの夜景に、光の美しさを楽しみ心癒されるんだよ。
と、心の中でぶーたれると、レッドが私の頭を再びポンポンする。
なんだ、やめろ!ときめくだろ!
「よくやった!」
私を見てレッドが満面の笑みを見せる。
「コンテストだったな。俺の好みでいいのか?」
レッドが笑顔のまま子供たちを褒めた。
なんだ、ちゃんと認めてくれるんだ。良かった。光で絵をかいて何になるなんて言われなくて……。
レッドに頷いて見せてから、子供たちに声をかけた。
「じゃあ、ギルド長賞を発表してもらいます!」
「みんな素晴らしくて甲乙つけがたいが……そうだな、この剣が素晴らしい。どんな魔物も倒せそうだ!」
レッドが男の子が光で描いた剣を選んだ。
「ギルド長賞、おめでとう!」
ぱちぱちと拍手をして男の子を手招きする。
レッドが分かったと頷いて、勲章もどきを手渡した。
「わー、すごい!勲章だ!」
「いいなぁ!」
「見せて見せて」
子供たちは大騒ぎだ。
「はい、では次に、アリス賞を発表します!」
私の言葉に皆の目がきょとんとする。
誰が、賞は一つだけだと言いました?
「アリス賞は、かわいいウサギに!おめでとう!」
女の子がわっと両手を上げて喜んだ。
勲章もどきを手渡す。
「次の賞は、彼が選んでくれます!」
は?っと驚いた顔をする冒険者倉庫整理リーダー。
勲章もどきを手渡し選んでもらう。
「えーっと、じゃあ、美味そうな肉の絵!あれがいい!」
他の冒険者にも次々選んでもらう。
レッドが私の耳元でささやいた。
「もしかして、全員分あるのか?」
「当たり前でしょう。今日一日でこれだけできるようになったんだもん。みんなすごいのよ!」
「はっ。違いないっ!確かにな!だが、賞の数が足りないだろう。ちょっと上に行って人を呼んでこよう」
あら、気が利くじゃない?
レッドがギルド職員を呼んできた。説明をして連れてきたのか、すぐに職員の一人が勲章もどきを手に、一つを指さした。
プルンと大きなお胸が揺れる美人職員さんだ。
「私は南の空に浮かぶ星座を再現したこれが好きだわ!」
あ、星座だったのか。分からなかった。計算が早かった子だ。絵心がないかと思ったらそうじゃなかった。
間が空きました……スイマセン。
(*´▽`*)……